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おもしろ韓国語 012 いじめと王様

「いじめ」。この言葉が世に出てからすでに何十年かたちますが。未だに世間にはびこっています。
「いじめ」は,韓国語では왕따です。しかし「いじめ」という日本語そのまま이지메といとい語も定借してきました。
왕따の왕〈王〉には大きい,高い,偉い,すごいと言う意味があります。
 
왕부모〈王父母〉ということばを聞いたことがありますか。これは조부모〈曾父母〉のことです。「大お父さん」「大お母さん」という意味です。왕고모〈王姑母〉という言葉もあり,これはおじいさんの姉妹を指します。
 
そのほか昆虫にも왕の付くものがいっぱいあります。왕벌と言ったらクマンバチ,왕매미はクマゼミ,왕개미はオオアリ,왕거미はオニグモ,왕잠자리はオニヤンマ,왕딱정벌레はオオカブトムシ,왕꽃등에はハナアブのでっかいもの……といった具合です。
 
もう1つ,哺乳動物の中で最も大きいもの,何だか分かりますか。
왕고래です。シロナガスクジラです。
 
まだまだ왕の付く言葉はあります。 
왕파と言ったら太いネギのことですし,왕소금は粗塩(あらじお)です。왕눈이と言ったら,そうです,ぎょろ目,出目の人をからかってこう言います。
 
みなさんは‘돈을 왕창 벌었다.’という表現を耳にしたことはありませんか。この왕창は「メッチャ」という感じの若者言葉です。日本語でも「超~」って言いますよね。
 
さてまたいじめの話に戻ります。왕따の따は따돌림のことです。따돌림というのは따돌리다の名詞形です。따돌리다というのは「人をのけ者にする」「締め出す」という意味です。
 
“그는 사회에서 따돌리게 되었다.”といえば「彼は社会からつまはじきされた」という意味になります。ですから왕따は「超締め出しを食らうこと」から転じて「いじめ」の意味として使われるようになり,いわゆる俗語として広まった言葉です。

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