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明日は退院!〜密会を試みるの巻〜

入院4日目、手術から3日目を迎えました。いよいよ、今思えばあっという間に、明日は退院です。歩行に不安を抱える私は自分にミッションを課すことにしました。

①食事を残さず食べる、下膳する
②シャワー
③談話室のお茶2の正体を突き止める
④ふふふ夫と1階のカフェで密会する

以上4点です。これをクリアしなければ退院など不可能!と厳しめの課題を自分に与えてみます。(クリアしなくても強制的に退院なのですが😂)

一、「姿勢保持、上達の巻」
座っておける時間が長くなり、しんどさもかなりマシになっています。そのおかげで、食欲も湧くようになり、おいしくご飯を味わうことができました。この日の3食はコチラ!

朝食はご飯を少し残しましたが、それ以外は全て食べ切ることができ、難なくノルマクリアです!食後少し横になって休憩を挟むと下膳もすることができ、ダブルクリアです!!
そして、めでたいことが!
朝食を半分以上食べられたら点滴を外せるとのことで、外してもらえたのです。もう私を縛るものはなにもない!!心に羽が生えるとはこのことね!!と本当に嬉しくなりました。

ニ、「シャワーで疲労困憊の巻」
次なる課題はシャワーです!傷の具合も良いとのことで、シャワーの許可がおりました。
下膳ができるほど回復したとは言ってもシャワーは強敵です。まず、20m先のシャワー室に行かなくてはなりません。(その時点で疲れます。)さらに、恐ろしいのが着脱。そして髪や体を洗うこと…。痛みとの戦いになることは目に見えていました。そこでシャワー30分前に痛み止めを飲み、ベストな状態で臨みました!

怯えていたシャワーですが、終えるとスッキリさっぱり気持ち良い!!しかし、過酷なことに違いはありませんでした。まず、自分の傷を受け入れることからです。初めてしっかりと傷、全てを見ました。今までもトイレに行くたびに目にしていましたが、鏡越しに見ると何とも言えない気持ちです。見るだけで痛くてゾッとしました。
(これからはあなたたちと一緒に過ごすんだよね…もう!早く痛みを何とかしてよね!)

そんな願いも虚しく、シャワーの水圧がお腹にかかると痛くて痛くて…。シャワーに背を向けて背後から浴びるという技を開発しました。これは退院後もしばらく使いました。

私には関係ないと思っていた介助用のイスや手すりもフルで使いました。あれがないと無理でした。そして、術後のみ2枠、40分使えるシャワー時間もフルで使いました。初日は20分で余裕よ〜と思っていましたが、40分でギリギリ。何をするにも痛みが伴うので、とにかく時間がかかりました。そして何より疲れました。よく頑張った!わたし!

三、「抜糸で絶叫の巻」
シャワーの後は先生の診察がありました。術後の出血のため、縫った箇所の抜糸をすることになりました。

「ちょっと痛いと思います。ごめんなさいね。」

(ちょっと?!ちょっとってどれくらい?!)
「は、はぁ…わ、分かりました…」

「はーい、じゃあちょっと痛むと思います。少しの辛抱ですからね!」

「ヒィッ!!!!!」

「痛いですよね、ごめんなさいね。まだもう少しかかりますよー。」

「ヒィッ!ウッ!ウッ!ヒィッ!!!!」
(痛い!痛い!痛い!ちょっとじゃないよ、先生〜)

「はい!1箇所終わりました。あともう1箇所あるのでね、もう少し頑張ってくださいね!」

(え!まだあるの?!いや〜〜!!!)
「が、がんばります(涙)ヒィーッッ!!!!!」

「はい。終わりました!これでもう大丈夫ですからね。」

…もう痛みと糸を引っ張られる不快感がすごかったです。シャワーに引き続きよく頑張った!と自分を褒め称え、しばし眠りにつきました。

四、「正体現る!の巻」
ずっと気になっていたお茶2の謎を解き明かしに行く時がやってきました!コップと水筒を持って、ウキウキで談話室へ向かいます。緑茶だったら嬉しいな〜とボタンを押すと___!!!



へっ!?ほうじ茶…!?
あれ?今日は1と2が入れ替わってる!?
じゃあ1を押してみよう。




ん!?
…ということは????え!?



はい、そうなのです。どちらもほうじ茶だったのです。笑いが込み上げそうなのを我慢して、並々注がれたほうじ茶と借りたコナンを持って帰りました。ほうじ茶だけなんかい!とツッコミを入れながら、第3ミッションクリアです。

五、「病棟外へ大移動!の巻」
ミッションもいよいよラストです!これは最大の難関!1階にあるカフェでふふふ夫と落ち合う計画です。病室での面会は禁止なのですが、誰でも利用できるカフェがあるので、そこで面会してみることにしました。でも私の病棟は7階。術後そんな大移動はしたことがありません。かなり不安はありましたが、明日の朝10時にはどうやっても退院なので、やるしかありません!入院診療計画書にも今日は病棟の外へ出て歩くように、とあります。

まず、エレベーターまでが距離があります。談話室より、シャワー室より遠いのです。ここに来るだけで疲れてしまいました。そこで、エレベーターの中にある折りたたみ式の椅子を使わせて頂きました。快適です。ここで体力を復活させてカフェへと向かいます。あの椅子って大事ですね。

ふふふ夫と合流して1時間ほど話していました。こんなに長時間座っておけたのは初めてです!抜糸のこと、昨日の辛かったこと…たくさん話してあっという間の時間でした。楽しかった!!面会禁止で誰とも話せず寂しい入院生活だったので、すごく元気をもらいました。

亡くなった祖母が入院していた時もコロナで面会がほとんど出来ませんでした。ばあちゃんもこんな気持ちだったのかな…もっと会いに行きたかったな。会いに行ける環境だったとして、あの仕事量でどれだけ行けただろう…仕事や疲れを理由に先延ばしにしていた気もします。やっぱり今の職場ではいつか心がポキっと折れてしまう。転職を真剣に考えよう!などと、帰りのエレベーターではそんなことを考えていました。

ふふふ夫との楽しい密会を終え、無事に病室にも辿り着き、最後の課題も成し遂げましたーっ!!久しぶりに長い時間座っていたので、背中や腰がバキバキで傷とは違う痛みが襲ってきました。しかし、これなら退院できる!という手応えと達成感で胸はいっぱい。あまり気にならないほどでした。

六、「熟睡のはずが…の巻」
今までになく動いたのでクタクタで、消灯の時を今か今かと待っていました。しかし、いざ暗くなってもなかなか眠れません。退院の時を待ち望んで課題に取り組んできましたが、やはり不安も大きかったようです。リクライニング付きのベッド、手すり、介助イス…これらなしに生活が出来るのでしょうか。楽しみな気持ちと不安な気持ちとがグルグル渦巻いて頭から離れてくれないのです。

やっとウトウトし始めたかという時に限って
「ピカッ」
テレビ台の下の足元を照らすライトが光るのです。転倒防止のためのライトだと思うのですが、センサー付きで誰かがトイレに起きる度、私の部屋のライトも反応してつくのです。これがけっこうまぶしいのです。

そこで向きを変えてみることにしました。
「ミシッ!ギィ〜」
横向きの姿勢は傷が痛くて、とてもじゃないけど眠れません。それにたくさん歩いたせいか、足がやけに熱を持っています。布団から出して冷気に当てたい衝動に駆られました。

やはり寝るには仰向けしかありません。
「ミシッミシッ!ギィ〜」
…勘違いなどではありませんでした。私のベッドがやけに軋むのです。足を布団から少し出そうとするだけでもミシミシ言います。

こんなにミシミシさせたら同室の方たちに申し訳ない…それなのに、眠れないストレスからなのかどうしても体をゴソゴソ動かしたくなってしまうのです。足も暑くなったり寒くなったりを繰り返すので布団から出し入れしたい。

しばらく私の騒音が響いてしまいました…。同室の皆さん本当にごめんなさい。結局、気になることがたくさんで、浅い眠りのまま朝を迎えてしまいました。思い描いていた退院の日の気分爽快な目覚めとは程遠い寝起きでしたが、こうして私の入院最終日は無事に?やっと?終わりました。

退院してからのこと、荷物のことなどまた書きます。

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