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宵酔

「あー、今すげー幸せだなー」と感じた時、
自分が自分である口実を探して
誰が見ているでも無いのに
一応申し訳なさそうな顔をする皆々様、
どうも、包み紙武彦です。

今回はどっちつかずな話。
ワタクシは何度もこのセリフを吐くけども、
"酔ってっから許しておくれ"

誰かに想いを伝える時の
文言は「I love you 」
または「愛 love you」だったり。

どうやら、
この「愛しています」は多用すると良くないらしい。

多用すると、というよりも
受け取る人間によって様々な意味を持つのでやたらめったら使うとややこしいから分別をつけながら使おうね、的な。

自分達のような人間がこの「愛している」をこぼす場合、その意味は
「あなたが私を愛してくれるその熱があるうちは、底なしにあなたを愛しましょう」だ。

滅多なことでは自分が発端で掛け合いになることは無い。
自信が無さすぎるし、
その方が格好がいいかななんて思ったりもする。

詰まるところダセェなって。
それを吐き出さないのがダセェのに。

他人を信用したくないわけではなく、
むしろしたいのに信用しきれない自分を呪うばかり。
自身すら信用できないので、
他所様にそれを向けることなど恐れ多い。
「ほなそんな自分を信用するのは...」
なんていうパラドックスはさておいて、
自分が最後まで想いを抱え続けられる保証なんてないもの。
それはこれまでの相手方も同じだろうけれど。


そういうのが表に出てしまうのはなんだか
"子供っぽい"とどこかの誰かに擦り込まれた結果が
"私"こと皆まで言わない『お察ししてくれモンスター』なわけです。


懲りもせず、でも真剣に懸命に、
その場面その場面のダセェ私は隠したままで言うのです。


(今はあなたが愛してくれているから)

「愛していますよ」   

と。

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