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『変、身』

やぁ、
突然だがね、
幼い頃の諸君は、"ヒーロー"ってやつに憧れただろうか。
〇〇レンジャー?
セーラームーン?ウルトラマン?
プリキュア?或いは、仮面ライダー?

カッコよくて可愛くて、その上強い。
絶対正義、無敵のスーパーヒーロー。
大半の人が通ってきているんじゃないかしら。

あの頃の私は、
「子供ってみんなこう言うものが好きなんだ、憧れるんだ」という『当たり前』に支配されている状況が、何だか無性にムズ痒くて仕方なかった。戦隊モノのオモチャやら変身ベルトやらで遊んだ覚えはないし、欲しがった記憶もない。
要は格好つけていたんだな。
チラッ

強いて言えば、ばあちゃん家の風呂敷を顔に巻いて「月光仮面」になりきって遊んでいたけれど、一体全体何と戦っていたヒーローなんだろうか。
そして強引に4、5人の孫たちに同じ風呂敷を巻かせて、月光仮面ズを組織した婆ちゃんよ、
あなたは何がしたかったんだ。
チラッ

そんな私でも男の子ですから、必殺技なんてのには多少なりとも憧れはあったわけで。
"スペシウム光線"や"ライダーキック"。
そういえば平成ライダーってあんまりライダーキックしてなくね。
令和ライダーは観たことがないからなんとも。
チラッ

それから、レンジャー特有の武器で切ったり撃ったり、ライダーキック、パンチで爆発するってどういうことなんだろうか。
怪人の体液は空気に触れると爆発するのかしらん?赤い血を子供らに見せるのは良くないという配慮かも。まあ、なんでもええんですけど。
チラッ


「スゥ......」


寝転んで天井を見つめながら、
しきりに携帯の通知を確認してしまう。
こんなどうでもいいような事でも考えていないと、ソワソワして待ってられないんだ。


そう、
君からの


「返、信......」


つって。

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