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2年生社会人が学生に戻って博士を取得する奮闘記1~入学する編~

割引あり

「この会社やめよう」

で始まった奮闘記0では会社を辞めることについて語ったが、同時に入学の準備も進めていた。本編では以下のことについて綴ろうと思う。

・研究室どうやって選んだの?
・入試はどうだった?(入学全般)
・生活費どうするの?(税金が高い問題)

2年生で退職して研究をしよう!
と決意した私は同時に、「どんな研究をしようか」ということで頭を悩ませていた。今後の人生を決める大切な決断である。
修士時代は、材料科学で学位を取得した。光通信用途の材料開発をしていたのだが、志半ばで卒業してしまったため少し悔いがあった。元の研究室で再びそのテーマに戻る選択肢は大いにありだった。

一方で、一度アカデミアを離れてみると、本当はどんなことがしたいのだろう?という思考になるものだった。
私は、幼少の時から材料に興味があって、なにがどんな素材でできているのか片っ端から知りたかった少し ”面倒な” 少年だった。消防服の素材を消防士に聞いて困らせてしまった経験もある。
素材の中でも、太陽から直接電気に変換できる黒色のパネルは不思議そのものかつ、夢の膨らむ物体で、少年がいろんな妄想をするには十分な特性を有していた。
以下、宗教上の理由でソーラーパネルを太陽電池と呼称する。

年齢を重ねるにつれ、そういった材料の「限界」を知るようになった。こと太陽電池については、大学一年生当時、シリコンベースだと30%の変換効率が限界だという風に言われていて、青年はまだ限界突破の余地があるのではないかと考えていた。

夢が詰まってるように魅えていました。

ということで、太陽電池の研究がしたいと漠然と思った。研究室を探してみると、日本でも各所で様々な太陽電池の研究がされていて、基礎研究から実用化に向けた応用研究がなされていた。

中でも、やっぱり材料開発の研究は、過去やっていたことと親和性があって非常に魅力的だった。
そんな希望の一方で、冒頭にも触れたような、様々な不安も膨らんでいった。

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