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スマルナユーザーの皆さまに「ピル」が届くまで〜低用量ピルの工場見学を通してお伝えしたい『安心・安全な医療体験』〜

 こんにちは。オンラインピル処方サービス「スマルナ」を運営している株式会社ネクイノ広報の豊倉です。いつもスマルナをご利用いただき、ありがとうございます。
 この度、皆さまが服用されている「低用量ピル」が、実際にお手元に届くまでの様子をお伝えするべく、去る7月31日に富士製薬工業株式会社 富山工場を訪れ、お話を伺ってきました。

富士製薬工業株式会社 事務所棟

 今回は、スマルナでも取り扱っている低用量ピルをつくっている富士製薬工業株式会社(以下、富士製薬工業)さまの工場では、低用量ピル(以下、ピル)がつくられてから出荷に至るまでの工程を見学させていただきました。
  高品質な医薬品をつくるために定められた製薬の厳しいルールや徹底した衛生管理を実施し品質管理を行う製薬会社の日々の取り組みを通して、「スマルナが伝えたい『安心・安全』な医療体験について」お伝えできたらと思います。

※本レポートの内容についての責任はネクイノが持つものです。


※このレポートで記載している性別については、生物学的な性別を指しています。

1 はじめに

 まずは、今回ご協力いただきました富士製薬工業について簡単にご紹介させてください。富士製薬工業は「優れた医薬品を通じて、人々の健やかな生活に貢献する」という経営理念のもと、1965年会社設立(1954年創業)した、約70歳となる製薬企業(※)です。
 日本で低用量ピルが承認されたのは1999年。富士製薬工業は、現在、経口避妊剤における国内シェア1位を誇ります。また、1974年頃より女性医療用医薬品の販売を開始するなど、約50年以上前から女性のウェルビーング(心身と社会的な健康を意味する概念)向上のために貢献している婦人科医療に特化した会社です。

(※)製薬会社とは?
医薬品や医療機器などの製造・開発・販売を行う企業のことです。

引用:富士製薬工業株式会社 統合報告書2023
引用:富士製薬工業株式会社 統合報告書2023

2 工場見学の様子

 それではいよいよ工場見学の様子をご紹介していきたいと思います。今回は、スマルナユーザーの皆さまに提供しているピルが、どのような工程で皆さまのお手元に届いているのかをご紹介します。

<製薬工場内を見学!>
今回は、ピルの出荷に至るまでの検査や包装、梱包などを行っている『製剤棟』を見学させていただきました。

※以下、機密情報の保護の観点から写真の一部にぼかしを入れています。

まずは、更衣からスタート。

工場内に入る前に、専用の作業服や手袋、帽子、マスクを身につけます。

着替えたら、頭の上から下半身まで粘着ローラーをかけて全身のホコリやチリを丁寧に取り除き、しっかり手洗いをしてから清潔な状態で入室します。

さっそく、錠剤の外観を確認する検査室を覗いてみましょう。

製造されたピル(錠剤)が欠けていないか、異物が混入していないかを検査機にかけ、確認しています。

次に、薬を包装する機械が置いてある部屋に移動しました。

PTP充填機と呼ばれる機械で、21錠あるいは28錠をアルミとプラスチックで挟み一つのシートに包装する機械
※PTP=押して取り出す、という意味を持つ<Press Through Package>という英語の略です。

決められた用法用量を正しく服用する必要があるため、ピルの錠剤がシート上に正しく並べられているか?欠けた錠剤はないか?など、厳重に確認しています。(もし、錠剤に不具合などがあった場合は、全て排除される仕組みです。)

箱詰めされるまでに機械+目視で複数回の確認作業を行っているため、不具合を見落とすことはありません!

次に、包装工程をご紹介します。

充填工程以降で欠けた錠剤がないか、決められた場所に決められた錠剤が配置されているかなどが確認されたあと、包装工程の部屋にPTPシートに入ったピルが送られてきます。こちらの工程で機械+目視で確認をしています。そのため、錠剤が入っていなかったりパッケージが潰れていたりするということはありません!(安心です)

続いて、機械を使ってパッケージングをするのですが、1分間で、なんと150シートが作られています。

パッケージングされたピルは箱詰めされ、外箱にロット番号や使用期限を印字したあと、表示に問題がないかを機械で確認します。

梱包された製品は、印字に歪みがないか、表示に不具合がないかなど、ここでもカメラ検査を用いて検査します。

最後に、再度目視を通して問題がないと確認されたピルを、出荷に向けて医療用医薬品と記載されたダンボール箱に詰めていきます。

ダンボール箱に詰められたピルは、富士製薬工業の物流センターに送られ、そこから医薬品卸会社を通じて医療機関や薬局に届けられます。

3 皆さまのお手元にピルが届くまで

 富士製薬工業でつくられたピルが、皆さまのお手元に届くまでの流れを図にしました。

 このように、富士製薬工業でつくられたピルは、MRの情報提供のもと医薬品卸会社を通じて医療機関や薬局に届けられ、皆さまのお手元に届けられています。スマルナで処方された場合は、スマルナに連携する医療機関に所属する医師によるオンライン診察→ピル処方をされているので、医療機関から皆さまにお届けしています。

4 高品質な医薬品

 富士製薬工業では、高品質な医薬品を製造するということを大前提に、高品質な医薬品を安定供給すること、さらに、働く人や地域の環境を守るための封じ込め技術を駆使し、衛生面や環境への配慮などを徹底するなど、医薬品を服用する人だけでなく働く人や環境保全のための配慮などにも取り組んでいます。

  • 安定供給
    医薬品は人々の健康と命に深くかかわります。供給が止まると人々の命に危険が及ぶ可能性があるため、常に同じ品質の医薬品を提供し、必要な数量を生産し続けることが重要です。富士製薬工業では、高品質な医薬品を安定して供給するために、適切な製造環境と設備により、定められた製造方法と厳格な品質管理のもとで製造を行っています。

  • 働く人を守る
    工場内では、人体に影響を与えることがないよう徹底された環境が構築されていますが、さらに呼吸保護機能付き防護具の着用の上、作業にあたるなど、働く人の身体を第一に考え、製薬に取り組んでいます。また、製造ライン(秤量、造粒・乾燥、混合・打錠、コーティングなどの錠剤をつくる工程)においては、作業室内での女性ホルモンの飛散はない設計はされていますが、健康障害リスク対策の観点から万が一に備え、クリーンルーム内作業は男性作業者のみで実施されています。

  • 地域の環境を守る
    医薬品をつくる際、微量でも人体に影響を与える成分が含まれます。そのため、薬剤が外に漏れないように工場内のエリア全体を封じ込めるように各棟が設計されているのですが、これに加えて、工場内では特殊なフィルターを介した棟外排気を行ったり、ハザード排水(性ホルモンを含む人体に影響を与えるような成分を含んだ排水)を産業廃棄物として回収したりするなど、環境汚染に関するリスク対策を実施しています。

『専用の建物と機械がないとつくれない』
『専用の工場と機械、試験施設や包装施設が必要』

 ピルをつくるには、時間と費用が想像以上に掛かります。環境にも優しく、医薬品をつくる人も服用する人も全員が健やかにいられること、富士製薬工業ではこのような想いを持って責務を全うしているということがわかりました。

5 スマルナが皆さまに伝えたい「安心・安全な医療体験」について

 ピルの工場見学の様子はいかがでしたでしょうか?皆さまの服用されているピルがどのようにつくられ、そしてどのようにして届けられているのか?

 スマルナで取り扱っているピルは、今回ご紹介したように全て国内で徹底された品質管理のもとつくられており、安心して服用いただけます。さらに、スマルナでは他社にはない “トレーサビリティ”(※)できる仕組みを構築しているので、安心で安全な医療体験の提供が可能となっています。

スマルナでは以下の取り組みを行なっています。

■開発の安心・安全
スマルナはサービス開発プロセスにおいて、安全性や信頼性を確保しています。
ユーザーの皆さまにとって不利益を及ぼす可能性を最小限に抑え、ユーザーの皆さまの健康や安全を守ることを重視しています。

取り扱っている医薬品について 
全て国内で承認され、医師に処方される医療用医薬品(低用量ピル、超低用量ピル、中用量ピル、アフターピル)を、提携医療機関を経由してお届けしています。

■処方医薬品のトレーサビリティ(※)システム
医療機関との連携のもと、最終消費のユーザー毎に医薬品製造番号(ロット番号)を電磁的に記録し製薬会社などによる医薬品回収時などに追跡できる仕組みを導入しています。
★国内で承認され、医師に処方される医療用医薬品は、市販後安全性調査やMRによる情報伝達によって、市販後に異常があった場合に速やかに連絡・回収・対応する体制が敷かれています。
<参照:医薬品のトレーサビリティについて考える

■副作用情報収集システム
医療機関との連携のもと、処方された医薬品による副作用が疑われる事例が発生した場合に追跡し、経過について収集・必要に応じ、製造販売元を介して当局へ報告できるシステムを導入しています。
★国内承認薬は薬害救済制度が適用されます。
<参照:独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)

■医療資格保有者による医療相談
スマルナアプリ内には、365日医療相談ができる「スマルナ医療相談室」を設けています。スマルナに連携する助産師と薬剤師が、ピルや生理、避妊、カラダに関する悩みなど、各種相談を受け付けています。処方医薬品における有効性・安全性についてのトラブルが発生した場合にも、スマルナ医療相談室を通じて情報収集、処方医へのフィードバックができる仕組みを実装しています。

 スマルナでは、引き続き「ココロとカラダが健康で、ワタシらしい人生を選べる世の中をつくる」というミッションの実現に向けて、女性の心身の健康課題の解決を目指しSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)の社会実装を推進してまいります。

6 さいごに

富士製薬工業さま
 今回の工場見学を進めるにあたりご協力くださいました富士製薬工業さま、この度は貴重な機会をいただきありがとうございました。お忙しい中、工場や機械、作業についての説明に加え、貴社がどのような想いで日々製薬に取り組んでおられるかなどを伺うことができ、ピルをつくるという工程だけでなく、富士製薬工業の理念や社員の皆さまの仕事に対する思いも伝わる工場見学となりました。

スマルナユーザーの皆さま
 いつもスマルナをご利用いただき、誠にありがとうございます。また、本レポートを最後までご覧いただきありがとうございました。スマルナは女性の一生涯にわたる“健康”という観点から、女性が生涯を通じて健康を維持するため、安心感と安全性のある医療体験を提供することをお約束します。



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