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美容室のジレンマ

美容室で髪を切ってお店を出る瞬間が好きだ。

きれいに整えてもらった髪が外気に触れ、ちょっとふわっとするあの一瞬で心にも風が吹いたような晴れやかな気分になる。気持ちがリセットされてここからまた頑張ろうと思える。

だから美容室に行くのは好きだけど、お店に入る瞬間はいつまでたっても少し緊張する。あの緊張感は一体なんなのか。

予約をした時は早く行きたいと思っているのに、当日、お店の入り口でいつも一瞬ひるむ。

何度行ってもおしゃれな空間で自分が浮かないかな、とか思ってしまうのは美容室の七不思議だと思う。

美容室では、そこにいるだけでお客さんも美容師さんもみんなおしゃれで素敵に見える。

それはきっと、きれいになりたい気持ちと、それを叶えてくれる美容師さんの情熱が溢れているからなんじゃないかと思う。

今より少しだけ素敵になる自分に期待する気持ちが、入店するときの緊張の正体かもしれない。そして、その期待に応えてもらえるから、お店を出るときに軽やかな気持ちになる。

ショウウィンドウに映る自分のシルエットをチラ見するくらいには浮かれて歩いてると思う。

今日も、お店に続くエレベーターを降りた瞬間にほんの少し緊張したけど、1階の扉を出た1歩目はやっぱり軽やかだった。

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