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心のリズムを見直す時間

『今宵も喫茶ドードーのキッチンで』を読んで、コロナ禍で感じたちょっとした心のズレを思い出した。

リモート会議やSNSの情報。コロナ禍を経てデジタルツールを活用する機会は格段に増え、リアルで対面する以外の方法で情報や意見を共有することがより身近になったと思う。

コロナ禍になる前からウェブ会議もメールもSNSも存在してたし、生活の一部として使っていたのだから、珍しいものでも突然現れた異質なものでもない。

それでも、急速に利用頻度が増え、中には利用を余儀なくされる部分もあったデジタルツールに辟易する感覚は他人事ではない気がした。

物事に順応するスピードや、考え方、大切にしたいことの優先順位。違って当然の価値観が固定化されて均一になっていくような感覚に不安やもの悲しさに似た恐怖を覚える。

目まぐるしい変化に流されているだけのように思えるけど、そんな流れを自ら選んでいるような気もする。日常を走り切るために、流されていないと自分に言い聞かせているような感じ。

猛スピードで変わっていく世界をどんどん受け入れるのも、頑なに拒むのも何かが違う。自分で選ぶということは、自分のペースで判断すること。

仕事をして、生活をして、そうやって日常を過ごしていると自分のペースだけで動くことは難しい。人との関わりがあることが生きることだけど、時々、妙に疲れてしまう。

そんな時、立ち止まって自分のペースを確認させてくれる場所が"喫茶ドードー"だ。

何に疲れてしまったの?
あなたはどうしたいと思ってるの?

自分の気持ちを確認しながら生活することは、当たり前のようで案外見落としがちだし、見落としていることにすら気づかないことも多い。だから、喫茶ドードーで自分と向き合うことで見落としていたことを再確認する。

仕事と生活。切り離せない2つのワークライフバランスを取るよりも、切り離さないでライフワークにし、自分という個人を理解していく。そして、いつしかそれが私になっていく。

知らない誰かのSNSに疲れたり、誰が決めたのかも分からない価値観にモヤモヤしたり。周りの目は気になるけど、やっぱり自分とは合わないかも。そう思う時は、影響されるでも拒絶するでもなく、自分の心のリズムに合わせればいい。

コロナ禍を経て、仕事とプライベートを分ける生活よりも分けなくてもストレスを感じない働き方をしたいと思うようになった。そして、それを実現するなら"自分のリズム"を理解しないといけないなと思う。

いつか、そんな風に生きていけたら毎日ちょっといい感じかも。

喫茶ドードーみたいな場所で自分のリズムに耳を傾けてみたい。

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