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多分、戻らない。
1か月半ぶりに
一人暮らしの部屋から引っ越しをして1カ月半がたった。
野暮用で1か月半ぶりにその街に行った。
あれ???
何も感じない。
初めてその街に降り立ってから4年。
田舎出身の私には充分すぎるくらいなんでもあって、きらびやかで、私はこの街に一目惚れしてしまった。
2年半前に引っ越しを考えた時も家賃が高くてもここがいい!!!といって譲らなかった。
新しい職場もそこから近く、正直落ち着いたらまた戻る気でしかいなかった。
大好きだった。
4年間の私を見守ってくれて、大人にしてくれた街だった。
そんな大好きでたまらなかった街に久しぶりに来たとき思ったことは、嬉しさや懐かしさではなく、違和感だった。
それと同時に
もう私はここには戻ってこないんだろうな。
と思った。
もしここに戻ったとしても、あの頃の私ではない。
あの頃の私にはもう戻れない。
あそこにまだ住んでいた、たった2カ月前の私にも、もう私は戻れないのだ。
失恋で泣き明かした部屋
大好きだった美容院
友達と酒を買い込んだスーパー
一人でよく食べたラーメン屋
終電で泣きながら歩いた道
鍵をなくして駆け込んだ交番
喧嘩した公園
夜中に走った道
きりがないほど思い出はたくさんあって、取り返したい、あの頃の続きをしたいと思うのに、もう戻れない。戻ってもできない。
失恋と似てるさみしさが、心を埋める。
あの街を離れられたからこそ、元カレを思い出すことも減った。
あの街に置いてこれたんだな。
それに気づいてしまったのが、少し悲しい。
でもこれが、大人になることなのかもしれないな。
進んでいくしかないね。
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