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開業前に考えたこと

いくら独立するとはいえ、何も考えずに走り出すのは無謀だろう・・・ということで、自分なりに調べたり本を読んだりしながら、開業前に方向性を考えた。

ターゲット層を決める

当時、私が個人でやっていけることは、集計しかなかった。
なので、まずはどんな範囲をターゲットにするかを考えた。

まず、処理を行う「難易度」と「データ量(設問数)」の 2 軸から、以下の 9 層を設定した。

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この中で、利益がほとんど期待できない「データ量 少 × 難易度 低」(左下)と、必要な設備が個人の範囲を超えるであろう「データ量 多 × 難易度 高」(右上)を、ターゲットから外すこととした。
また、会社員時代の経験からも、右上の層に当てはまる案件は、年間の 1 割程度の感覚だったので、案件数という視点からも、ここは無視しても影響は少ないと判断できた。

リサーチ業界の展望

リーマンショック以降、リサーチ業界は統廃合による再編が進んでいた。
会社員の時に取引していた会社同士が合併し、さらに数年後に別会社に吸収される・・・ということもあった。
その中で、取引先では業務の内製化が進み、当時勤めていた会社の業績も厳しくなっていた。

この流れは、これから先も続くことが容易に予想できた。
しかし、リサーチ業界には繁閑の波がある。
仕事がなければ集計部隊にできることはなく、人件費を圧迫することになる。
(教育やレベルアップの期間と割り切れるだけの余裕があれば話は別だが。)
今はこの認識がなくても、数年経てばそこに気付き、再び集計業務を外注し始めると予想した。

事業の展望

技術の進歩、リサーチ業界の低迷と淘汰・再編の動き、集計に対する需要と価値観(軽視・低評価の傾向があった)を考えると、集計だけでやっていけるのは 10 年程度と見込んでいた。

また、将来的にはリサーチを強みとした経営コンサルタントになりたいと考えていたので、リサーチ業務も段階的に行っていくこととした。
これは、「リサーチは行いたいけど、リサーチ会社に依頼するほどの予算が取れない会社」をターゲットとした。

その中で、コンサルティングの需要がある会社に対してはコンサルティングも行い、徐々にそちらの比率を増やしていくことで、10 年が経過した時点で、メイン業務がコンサルティングになっているように事業を展開していくことを計画した。

法人化

自分の仕事は、仕入れが発生せず、必要な設備を揃えてしまえば経費もそれほど発生しない構造となっていた。
色々と調べてみたが、基本的に消費税が発生する売上になるまでは、法人化するメリットは少なかった。
そこで、参考のために読んでいた本に書かれていた通り、「とりあえず売り上げが 800 万を超えたら税理士さんに相談する」ということとした。

廃業ライン

生活があるので、見込みがないのにいつまでも事業を続けるわけにはいかないので、最初に「これを下回ったら廃業する」というラインを決めた。
といっても、金額的な目安は「400 万を下回ったら」という感じで、実際には「生活していくことが厳しくなったら」ということを妻と決めた。


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