｛読書感想短歌*159｝イアン・ベック 『盗まれたおとぎ話』

むかしむかしあるところには僕が居て 未来のおとぎ話を生きてる

mukasimukasi arutokoroniwa bokugaite miraino otogibanasiwo ikiteru

盗まれたおとぎ話 (少年冒険家トムⅠ)

少年冒険家トムシリーズ、3部作の1話目。おとぎ話の中のひとたち…と言っても、物語の登場人物そのものではなくて、生身でおとぎ話を〈作っていく〉（！）かかりのひとたちのお話。悪役は暴走した物語作家でね、俺の作った話なんだから俺の自由にさせろや、みたいなメタな主張が実に悪者なんだけど、なんかちょっと身につまされるとこもあるので創作の折には自戒することとする。

※主人公のトムは冒険家一家の末っ子で、見習い冒険家。冒険家っていうのは、作られていく物語の主要人物役（王子様とかね。）として、お姫様を助けに行ったりして、物語を〈めでたしめでたし〉にする職業。…ね、なんかもう世界観からかわいすぎるでしょうよ。