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{読書感想短歌*42}ケイレブ・カー 『エイリアニスト』

くらがりで抱えたまっかなひざこぞう 鬼の両眼になって開く夜

kuragaride kakaeta makkana hizakozou onino ryoumeni natte hiraku yoru

プロファイリング、という言葉もまだない19世紀末のロンドンで、プロファイリング的な手法をもちいて猟奇犯を追い詰めようとする、精神分析医と新聞記者と警察のはぐれ者たち。仲間のキャラのたち加減がすてき。どうやらドラマ化されてるらしい。

※虐待の連鎖、がテーマのひとつになっていて。犯罪者も被害者なのです、とまとめることはかんたんだけれど、ではその被害者による被害者は、さらに加害者になるしかないの?って考えだすとぐるぐるする。どこかに〈勇気〉の介在がひつようなのは間違いない。でもそれを〈赦し〉だとか言ってしまえば、そんなの、外側から口で言うほどかんたんではないだろうよ、とも、おもえてきて、ぐるぐるだ。

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