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【ノーサイド・ゲーム】居留守からテレフォンまで。【最終話】

やってきました、最終回。いろいろあり、みんながんばり、されどやっぱりどうしたって、私的メインは〈木戸下克上〉回!

■ 木戸専務理事、居留守をつかう。
えー、たいへんにどうでもよいようなことを言いますけれども、まんがいち、何かのはずみで、『ノーサイド・ゲーム』の世界に転生するとするならば私は、
〈木戸専務理事は不在です(噓だけど)、と君嶋さんに告げるかかり〉
の人になりたい。
だって、たぶんこのちょっと前に、
「ごめん、君嶋くん来たら、俺出かけたって言ってくんない?」
「え、イヤっすよそんな噓つくの」
「そこをなんとか」
「もー、しょうがないなぁ専務理事は~」
…みたいな流れがあったんじゃないかと思うと、ものすごくテンションあがらないですか! え、私だけ??なの??

まあなんにせよ、ほんの一瞬ささやかな防壁となって木戸専務理事をお守りする!という立ち位置はすごくいい。あこがれる。そんでその次の機会には簡単に突破されてる(君嶋入ってきちゃってるから、たぶん)らしいところとかも、最終回の流れとして見えないところでグッジョブすぎるよ青年よ。そうなのよ、通すところは通さねば話が進まないからね。すんごくゆるやかな防壁であることがだいじよね。

それにしても、嗚呼、
★〈ものかげにかくれて君嶋をやりすごす木戸さん〉の愛らしさが鬼のようだ! 
なんかこうさ、配信ライブみたいにハートとか風船とか飛ばすシステムだったら、むやみやたらに画面を連打したと思うのよ、私。ものかげから君嶋さんの様子をうかがう尾藤のまわりにむっちゃハートを飛ばしまくったと思うのよ。風船だったらもうそのまま飛べちゃうんじゃね?くらいの量を飛ばしまくったと思うのよ。
…まあ尾藤はね、風船なんてなくったって飛べるけどね。たぶん飛べるとおもうけど、いつでも。ふふ。

★ ものかげからうかがう際の、ちょっとひねりかげんの体勢がかわいいよ。

■ 木戸専務理事、〈君嶋ファイル〉を推す。
また…声から…はじまる…。なんですかこれ、尾藤ファン向けの罠ですか。罠っていうかホイホイですか。誰が何のためにしかけているのですか。
しかも今回は富永/ご意向/会長に語りかける声なため、マイルドみ二倍増し。いいな…すごくいいな…そういえば甘い感じで歌うときの尾藤の声もすっげいいよな…と、こころの内側で〈銀の十字架〉などくちずさみながら、君嶋と共にしばしマイルド尾藤に聞き惚れる、専務理事室前。ちなみに軽く盗聴ぎみ。君嶋ほそーくドア開けちゃうしな。
扉の向こうでは、木戸専務理事が富永会長に、君嶋の改革案に目を通してくれってお願いしている…?
えぇえ!!!!君嶋本人には、ご意向ですよとかつっておことわりムードだったのに! なにそれおくゆかしい…え、もしかしてそれ、

【ツ ン デ レ の つ も り !?】

…と、おもわず襟元つかんでぐらぐらさせたくなる。いや絶対できないけどね、尾藤に対してそんな無礼は。でもそんなできもしないことをしたくなるくらいかわいい。なんなの木戸さん。なんなの尾藤。かわいいなの? つまりこれがかわいいってことでいいの?(混乱)

そうして、終始ツンツンするかかり=ノーデレ富永会長がプンスカとご退室ののちには、君嶋と二人になったので…いよいよデレたりするかしら、とおもったら、いやもちろんあたりまえにまったくデレたりはせず、

★ だいたい困ったかおしてる!

君嶋の切々たる訴えに、すごーく小さく肯いたりもしてな。困ってるのよ。そりゃ困るよ。君嶋くん怒るし。声おおきいし。困るよ。
木戸専務理事至上主義視聴者としては、困ったお顔させたくない気持ちはやまやまだしね、そんなに問い詰めないであげて君嶋!って心境でなくもないんだけど、なくも!ないんだけど!ね! 同時にまた、それを上まわる勢いで…うむ。この際だ、言ってしまおう。

木 戸 さ ん 、 困 っ た 顔 も か わ い い!

と。きゃわだと。きゃわたんだと。結果として、
君嶋グッジョブでしかない!
と。
あともひとつ言っとこ。富永会長に対して使う尊敬語が…イイ。尾藤の声で流れてくるきれいなことばづかい、単純に〈耳がしあわせ〉になるんですけど、どうしたらいいですかね!!!???どうもしなくていいですか!!!そうですか!!!

そういえば、尾藤イサオというひとそのものも、言葉選びがきれいだとおもう。
インタビューでの受け答えとか、若いタレントさんにかける言葉とかも、大げさにじゃないんだけど端々に品がにじんで、ああ美しいなっておもう。品って言うとなんか、上品/下品の上のほう、みたいだけど、必ずしもそのベクトルでの上下ではなくて…なんだろう、〈粋〉がにじむ、っていうほうが近いのかな。言葉のたたずまいがきれい、というか。
それがまた、歌ってるときのミスターロカビリー(アメリカ!)ぽさとのギャップを生んでですね、あの、これわたくしの持論なんですけど、
色っぽさって、ギャップからたちのぼるのではないかと。
ギャップというか、複雑さ、というか、〈一面的な解釈では語れない、レイヤードされたもろもろをすかした、その向こうにチラ見えするもの〉を、ひとはセクシーと感じるのではないのか!!!!と!!!!!
…いやそんなに力説するほどの論でもないのだけども、少なくとも自分が、尾藤イサオというひとに感じている色っぽさって、そういう感じだ。楽しそうなのに寂しそう、みたいなこと。華奢そうなのに強そう、みたいなこと。あんな風に歌えるひとが、ダジャレとか発してふわふわこっちへ降りてきてくれる、みたいなこと。人間界に足をつけたレジェンド、みたいなこと。飛ぼうと思えば飛べそうなのに、地上で歌っていてくれること。

とかなんとか言ってるうちに、君嶋さんにぐいぐいと迫られ、

★とうとう、声をあらげる。

ときめくなあ、おい!
興奮して声のトーンがあがると、すこぅしかすれ気味になるのとかね、いいよね。さっきまでマイルドだっただけにね、わ、ここへ来て転調してきたか、的なよろこびを感じる。いいなあ君嶋。言われてみたいなあ。〈私だってわかってる!〉とか、〈私ひとりでどうしろって言うんですか!〉とか。うわあキレかたまでむっちゃキュートだどうしようどうしよう。

その他、〈君嶋ファイル〉にめっちゃ附箋ついてる(しかも蛍光)とかね。書き込みの赤字がきれいだなとかね。もろもろ嬉しいわけですが、それにしても、専務理事、

★ 揺れるね?

エモーショナルが上下すると身体が揺れるのね。すごくかわいい。
いったんバーッと喋ったあとで、ふっと我にかえったみたく「くらり」するのもいい。かわいい。エモい。エモかわいい。
あのぅ、私が君嶋さんだったら、冷静に資料など広げてないでとりあえず〈支える〉ね。さりげなく肘のあたりとか、ささっと〈支える〉、で、だいじょぶですか専務理事、ふらっとしちゃってきゃわですね、とか言う。いや最後のほうは言わない、たぶん。
…しかるに君嶋は主人公なので、木戸さんがかわいすぎて!眩しすぎる!くらいのことでは動揺を見せず、ましてやむやみと萌えあがりもせず、ささっと話を進めるのだった。ほんとにえらいな、あいつ。主人公の鑑。

そうしてちゃくちゃくと木戸さんの〈ラグビーだいすきごころ〉をつっつき、「富永会長に、反旗をひるがえせと…?」なんちゃって、またしても時代劇ぽい素敵フレーズを呟かせ、加うるにシーン終わりで、

【今 日 い ち 困 っ た 顔 さ せ る !】

など、君嶋のグッドなジョブが止まらない。
いや別に好きな子に意地悪したくなっちゃう的なアレではないんですけどー、困った顔は見たいのよ、だって葛藤する尾藤…カッコよすぎません? 正論こそが正論だとわかっているんだけど、そんなことは最初からわかっているんだけど、正論ばかりが正しくあれる世の中ではないんだということも知っているから、たとえばアストロズまわりのひとたちみたいに、最初から熱烈にわかりあえたり、ケンカして転げ回って友情めばえたり、そういう感じのことはない。ただし、迷って、迷って、迷いぬいたあげく最後の最後で主人公に強く共感する、この感じは!

…ライバルポジションのライダーかな…?

(もとい。)
ところで、木戸専務理事フォームの尾藤が好きすぎるあまり、この最終話も何度見たかわからないくらい繰り返し見たところ、たぶん五回めくらいでようやく〈ハッ!〉って感じで思い当たったことがあって。
木戸さんが葛藤のあまり揺れる(?)のターンの直前の、君嶋家団らんの巻についてです。
(ああ、ここへ来てようやく書くけど、松たか子さんの奥さん、めちゃめちゃにかわいかったな。言いたいこと言うようでいて、優しくて、厳しくて、デレ少なめのツン増しワイフ。正義。)
そこで、君嶋家の長男君がちびっ子ラグビーチームのリーダーに選ばれたけど、みんなをまとめるなんてムリ、自信ない、って弱音をはく。それに対して君嶋がかける言葉が、まるでそのまま、
あれ、これ、揺れる木戸専務理事へのエール???
みたいにも、読めるので、ああ、これが来てからの、反旗を翻せ!だったのか、と。あらためて、うつくしい台本だなあ、とおもった。

〈チームにはいろんな人がいて、いろんな意見がある。それをまとめるのは、とっても難しいことなんだよ。悩んで当然なんだよ。〉

〈だいじなのは、みんながよりよくなるためにはどうすればいいかなあって考えること。それさえ忘れなきゃ、きっと答えは見えてくるはずだ。ヒロトなら、絶対できる。〉

木戸さんは大人だから、ヒロトくんみたいに、〈そんなこと俺にはできないよ、ムリ!〉とか、言うわけにはいかないけれど、
「それさえ忘れなければ、答えは見えてくる」のは、もしかしたら大人でも同じことかもしれなくて、
そしてそんなことをまっすぐまっすぐに言えてしまう君嶋に、「あなたなら、絶対できる。」と思われてしまったら、信じられてしまったら、それから、そういう種類のパスを投げられてしまったら、
その信頼を裏切ることって、なかなか難しいのかもしれない。

★ ショウスケなら、絶対できる。

…みんな忘れてると思うけど、木戸専務理事のファーストネームは「祥助」。ほんとうに誰も呼ばない。でも、専務理事室のデスクにはそっとネームプレートが置いてあるよ。

■ 君嶋、スマホを気にする。
さてさて一転、トキワ自動車の取締役会議にて。
ここでは、〈アストロズお金かかりすぎるから廃部ね〉的なおはなしあいがもよおされており、現場の担当者として君嶋も呼ばれている。…のだけれど、会議中、君嶋くん、めっちゃスマホ気にする。もしも私が担任だったら「君嶋、スマホはカバンにしまえー」って注意したくなるほど見る。
自分が説明するターンになってからもチラッチラ見るので、何か連絡待ちなんだろうなあ、とは思っていたけども、もう採決入りますよ!廃部でいいですね!くらいのギリギリのタイミングで、メッセージが来た。で、君嶋、

「たった今、日本蹴球協会の木戸専務理事から、わたくしに連絡がありました」

……うん。
この、最終回前半のクライマックス付近で、木戸専務理事至上主義視聴者である私が、もっとも強くおもったことは、これです。

ねえ君嶋、
【【 い つ 木 戸 さん と L I N E 交 換 し た の ? 】】

いいけど。いいんだけど。テキストメールなだけでLINEじゃないかもしれないし。
…でも、連絡先交換するとこ見たかった。できれば「ふりますか」ってなって二人でふるふるしてほしかった。いや要らないねそんなシーン。でも想像するとかわいいよね。大人のふるふる。

かつまた、会議前の思わせぶりなタイミングでかかってきてた電話も木戸専務理事からだったらしい。いや待って、これは本気でうらやましい。
耳元の…己の…スマホから…尾藤の声が流れてきたら…たぶん熱出る! あ、これだめなやつだ、取締役会とか出てる場合じゃない、ってなって帰って寝るかも。なんならそのまま召されかねない。危ない。いやもう、ほんとに君嶋が君嶋でよかった。

■ 木戸専務理事、すがすがする。
いっぽう、おなじみの専務理事室にて、問題の電話をかける木戸さん。
つきものが落ちたようにすがすがしいお顔で、ええ、それはもちろん、困った顔もきゃわでエモでしたけれども、やっぱり、どうしたって、

笑 顔 が い ち ば ん 眩 し い ん で !

なんだかんだいってみたって、好きなひとには幸せでいてほしいものです。よかった、これで名もなきGMたちもみんなみんな一安心だよ。たぶん。

■ 木戸専務理事、反旗を翻す。
どうやらトキワさんの取締役会とぴったり同時進行で行われていたらしい、日本蹴球協会の理事会。
一日どころか、一時間でも、いやさ10分でもズレていてくれたらこんなにハラハラしなかったものを、いやあ、ドラマってほんとにドラマチックだなあ。

で!ね! この〈反旗を翻す〉のターンが、〈蹴球協会サイドのクライマックス=木戸専務理事至上主義視聴者にとってはほぼほぼラストシーン〉なのです。
ていうかもう、ここでいったん米津玄師でもよくね?って本気でおもったわ。もうここで『馬と鹿』流れちゃってもよくね?って。

(たとえばこんな感じで。)
木戸専務理事、富永会長の解任を提案する。
「賛成の方はご起立ください」
 ↓
富永「木戸、何をふざけたことを言ってるんだ」
 ↓ 
(ここでもうちょっとタメがあって、ひとりだけ立ってる木戸さんがすこしだけ映ったりしてもいい。そんでもって曲が流れはじめて、)
 ↓
一人目 「賛成!(立つ)」 一人目の名もなき理事と木戸さんの視線が合う。米津イン。
 《これが愛じゃなければ》
二人目 「賛成!(立つ)」
 《なんと呼ぶのか》
三人目以降、テンポがあがり、どんどん立つ
 《僕は知らなかった…》 木戸さんの目に涙。
 富永会長以外全員が立ち上がった会議室を俯瞰した感じの映像になったりして、〈次週に続〉いていただいても、

私 個 人 と し て は な ん の 問 題 も な か っ た !

…わけだけれども、実のところこのあとタイトルテロップが入るので、最終話はむしろここから始まるのだった。そりゃそうよね、ラグビーもしないと。


このあともいろいろあるし、それぞれいろいろカッコイイのだけれど、
とりあえず自分には、尾藤しか語る気がない(キッパリ。)ので、あとのことはざっくりと、
 …アストロズ、勝ったよ。
くらいの説明でいいんじゃないかなと思う。


木戸専務理事的にもいろいろあったこの最終話、
ストーリーを追いつつ、ちゃんと感動もしつつ、
なおかつどうしても、「うわあその音!いい!!」ってなる瞬間があってしまったので、
反省半分に記しておこう。

君嶋への電話の中で、木戸専務理事が、
〈我々が、この国のラグビーを守っていかなければ〉
と、言う、
この、〈我々が〉の〈が〉、
というか、もっと言うと〈が〉に続く目に見えないくらいの音引き…という、またしてもものっすごく表記しづらいまさにその音が、たいへんに好きなんです。
なんか…子音のGのざらっと感を引きずったような母音のAを、ちょっとしゃくって上にあげる感じっていうか、要するに、一音の中で音程が変わる〈が〉なんです。

って書いてておもったけど、ここの人称が〈私〉じゃなくて〈我々〉ってところも、木戸さんらしくていいなあ。君嶋もそうだけど、名もなきGMたちもみんな含んだ〈我々〉なんだろうな。そりゃ愛されるしきゃわいがられるよ、と、おもう。

ああ、それにしてもこの〈が〉が、ほんとうにだいすき、
行き会うひと全員に聞かせて、
「ねえここんとこで尾藤の発した助詞ってば、完璧にうつくしくないですか!」
とか訴えてまわりたいけれど、もしかしたら逮捕されるかもしれないので自制する。


ああ、『ノーサイド・ゲーム』、ほんとうによかったなあ。
尾藤に素敵スーツや素敵シャツ(一見白だけど織りでライン入ってるシャツとか、大人のお洒落って感じでよかった…)着せてくれたりとか、幸せしか詰まってないドラマだった。
今年の紅白は洋ちゃんが白組司会だそうなので、その勢いで年末あたりに『ノーサイド・ゲーム』二日で一挙再放送、とかやって、なんなら年明けに二時間スペシャルとかで続編をやってくれればいい! なんなら二時間ぜんぶGM会議でもいい!
そしたら夢の〈浜畑に絡まれる木戸専務理事改め木戸蹴球協会会長〉が見られるかもしれない。……イイ。それはすごくイイ。

ていうか今気づいたんだけれど、
私の感想文からは、『ノーサイド・ゲーム』が全体としてどういうドラマだったのかについては、イッコも伝わらないな…! まあいいか。

みたいないい加減なコメントを残して、『ノーサイド・ゲーム』最終回の感想を終わります!
つまり!尾藤が!すき!!


( ラグビーの写真 ↓ )
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