｛読書感想短歌*109｝ジョン・ディクスン・カー 『三つの棺』

君の鼻赤くしている雪片で今宵密室告白事件

kimino hana akaku siteiru yukihirade koyoi missitu kokuhaku jiken

三つの棺〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

フェル博士シリーズ。視点人物が一話と同じランポールくんなのが懐かし嬉しいね。トリックもオチもすてきだけれど、何より作中でフェル博士が「私達は推理小説の登場人物なのだ」とか、比喩なのかメタ発言なのかわからないようなことを言い出して、あげく「密室とは」の講義を始めちゃうのが震えるほど好きだ。

※北国育ちだからか、雪の密室がだいすき。新雪に足跡がないから密室…って、鍵がどうとか、窓がどうとか言われるより、体感としてたいへん〈わかる〉閉ざされ具合なんだもの。