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食卓の話 2020.9.28

【今夜の献立】

■ささみと長ネギをめんつゆとごま油で和えたやつ

■かぶとしらすのカルパッチョ

■えのきの味噌汁(朝食の残り)

■野菜のかき揚げ

夫は毎週月曜が休みで、休前日である昨日は酒盛りのためにアヒージョなど作ったわけであるが、夫婦揃ってダイエット中の身で夕食の炭水化物を控えているため、具材のエキスが溶け込んだアヒージョオイルをバケットに染み込ませて食すというアヒージョの醍醐味である悪行を働くことが叶わず、オイルは一晩寝かせ、今日のお昼にたっぷりとパスタに使用した。ぺぺたま、すなわちペペロンチーノの仕上げに溶き卵を流し込みゆるゆるの卵と絡めて楽しむ大変美味なる罪深きパスタを、せめてもの野菜として申し訳程度に添えたパプリカのマリネなどつまみながらガツガツと平らげ、録画していたかりそめ天国を二人して観ていたところ私が寝落ちし、それを確認した心優しき夫はそそくさとソファを明け渡し隣室のベッドへと移動、それぞれがそれぞれの昼寝を心のままに楽しんだりした。

むくっと目覚めれば夕方、頭に浮かぶのは夕食の献立のことで、昨晩はアヒージョ、今日の昼はオイルたっぷりパスタ、随分とオイリー続きであることに遅ればせながら危機感を覚えた炊事担当大臣(私)は今日の夕食を可能な限りヘルシーにすることを決意した。脳内で献立を組み立て、これでよしと納得したところで、夫、今日の夕食は何かと問う。脂っこいものが続いているから今夜は出来るだけ軽くすると伝えたところ、夫、もじもじしながら「がっつりしたものが食べたい気分」と言う。もじもじと申し訳なさそうに希望を述べる奥ゆかしさに好感を持った私は、すぐさま献立の冷奴だった部分を野菜のかき揚げに変更することを決めた。冷奴をかき揚げに替えるとはなかなかの暴挙であるが、そこに迷いはなかった。その旨伝えると、夫、目を輝かせ感謝を述べた。炊事を引き受けている身としては献立にあれこれ口を出されては仕事がやりにくいことこの上ないわけであるが、そうは言っても人間誰しも気分というものがあり、しかも夫は普段私の出すものに決してケチをつけたりすることはないのであるから、時には夫の気分も考慮して献立を組み直す余裕とスキルも持ち合わせていなければ炊事担当大臣の名が廃るというものである。

そんなわけで急きょ作ることにした玉ねぎと人参とピーマンのかき揚げであるが、我ながらなかなか美味しく揚げることができて、夫もうまいうまいと食べてくれた。夫の料理の感想における最大の賛辞である「定期的に食べたい」が出た。

また、かぶのカルパッチョが予想以上によかった。塩もみしたかぶに醤油ドレッシングとしらすをかけたもの。実は私の炊事人生において、かぶを使うのは今日が初めてであった。かぶに対する興味は人一倍だったものの、一人暮らしの頃よく行っていたスーパーにはあまり置いておらず、たまに見かけても一株200円近い高値でとてもじゃないが買う気になれずにいた。なので、先日夫と行ったスーパーで3株100円で売っていたのを見つけたときは歓喜し、夫が横で「かぶは少し苦手」と呟いていたが、にこやかに無視を決め込みカゴに入れた。というのも夫は食べず嫌いが多く、苦手だと言ったものでも食卓に出せばおいしいと言うことが多い。出したもん勝ちである。案の定、かぶのカルパッチョもぱくぱく食べていた。よかった。次は柔らかく煮てみようか。まだ2株あるのが嬉しい。1株使ってもまだ2株。かぶドリームはジャンボである。

結局たくさん食べた一日。でもまあ、今日は二人でリングフィットアドベンチャーをやったので大丈夫ということにしよう。


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