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1/3 いろいろあった話

※この記事には性暴力の話題が含まれます。

テーマにするには早計過ぎるかもしれないし、まだ結果も出ていないけれど、悩む人がいるかもしれないので参考程度に書き記す。備忘録でもある。

私は現在歯科衛生学生で、10月からは実習が始まった。
そしてその2日後から約1ヶ月、一切実習に行けず不登校になってしまった。

原因は性犯罪の被害に遭ったことだ。
正直、被害は別に大したことはなかったと今となっては思う。
しかしその頃の私は慣れない実習に心身共に疲れていて神経がすり減っていた。
そこに見ず知らずの男性からそのようなことをされてバキバキに心が壊れてしまったのだ。

まだ事件として決着はついていないので被害の内容は伏せる。
ここでは被害に遭ったあとの行動を書き記しておく。

被害に遭って取り乱していた私は、まず交際相手に連絡を取って事情を説明した。
相手は至って冷静に、わかったわかった、と宥めた後、
「今着ている服は脱がず、シャワーも浴びず、何処にも触れないまま110番して」と指示をしてくれた。
これが良かったらしく、警察の方から感心された。

対応した警察の方は端的に被害内容を汲み取り、最寄りの警察署に連絡をしてくれ、ものの10分ほどで女性警官と男性警官の2人組が到着。

そして簡単に経緯を説明し、その後警察署に移動。更に詳細な供述を行う。
ここでは事件直後で記憶が残っているうちにあらかたの内容を忘れないように書き留めておくというイメージだ。
よく、こういうところで男性警官から聴取されたり、こちらに非があるようなことを言われるなど、セカンドレイプの被害に遭うイメージがあるが、私がお世話になっている警察署では全て女性警官が担当してくれた。

その後、DNA検査にまわすためにいろいろ検体を取られる。
私は交際相手がいたので、もしも男性のDNAが検出された時のために相手の情報も提供。
交際相手がいたらなるべく早く報告して、情報提供しても良いかの確認を取った方がいいかもしれない。私は事後報告になってしまった。
被害に遭ってから大体ここまで2時間くらい。

ちなみにDNA鑑定の結果は出るまでに2ヶ月以上はかかるらしく、現にまだその結果がどうだったのか知らされていない。
鑑定結果が出ても相手の情報が警察の方に前科などで残っていなければどうしようもないので、ここでの結果はあまり期待しないほうがいいかもしれない。

このあと証拠写真や加害者のわかる限りの情報も提供したり、私の場合は了承した上で被害現場に行って撮影し、帰宅。
自宅まで送ってもらえる。

このあと1ヶ月程音沙汰も無く、不安や焦りが募ることもあり、様々な機関に相談をしていた。
ここではその機関を紹介する。

①性犯罪被害相談電話ハートさん(♯8103)
警察庁により統一されている相談窓口の短縮ダイヤル。
おそらく1番電話したのがここ。
24時間365日通話料無料で相談に乗ってくれる。
性犯罪から日が経ってフラッシュバックした時に咄嗟にかけたりすることもあった。
電話に出るのは男性の場合もあるけれど、このダイヤルに出てくれるくらいなので否定されたりとかも無い。
悩んだらまず電話してみると良い。
(ここでゲームの話になり、うっかり龍が如くが好きという話を警察の方にしてしまったせいで微妙な空気が流れた。)

②ワンストップ支援センター(短縮ダイヤル♯8891)
各都道府県に設置されている。
医師による心身の治療、心理的支援、捜査・法関連の支援などを行ってくれるので、被害に遭ったけどどうすればいいかわからないという場合に連絡をすると良い。自治体によっては24時間対応でないところもあるので注意。
東京都はNaNaという支援センターで、女性の方が対応してくれる。
右も左もわからないという時は相談員の方が派遣され、医療機関や警察への同伴もしてくれるとのこと。
そんなことも知らない私は被害当日に自分1人でやってしまったので本当に疲れた。無知って大変。

③あなたのいばしょ
性被害に関わらず、24時間365日対応でさまざまな相談に乗ってくれるチャット式の相談窓口。
1回40分の制限はあるが匿名性が高い。ただし相談件数が多いせいか、返信がない事もある。

④Cure Time
性暴力の悩みについてチャット相談ができる。見ず知らずの方からの性暴力だけでなく、恋人からの性暴力(デートDV)相談も可能。ただし相談ができる時間や曜日が決まっている。Twitterアカウントがあるため、フォローしておくのもアリ。

その後、事件から1ヶ月ほど経った後に供述調書の作成をするため警察署に赴き、被害当日よりも詳細な事情聴取がある。これで半日潰れる。
更に平日9:00〜16:00の間に向かわなければならないので、会社員は大変だと思う。私も実習が1日潰れた。

そして供述調書の作成にまた1ヶ月ほどかかるとのことで、今は作成待ちの状態である。
話を聞く限りでは次回はマネキンを用いてどのように被害に遭ったのかを実践する必要があるらしい。
同時に被害届を提出する予定で、被害届出すまでにも結構時間かかるなぁと思った。

被害者が数々の負担を強いられることは本当に馬鹿げた話だと思う。
私の場合は被害に遭った場所が自宅と近く、相手に家の場所も知られているので引っ越しも余儀なくされた。

性犯罪は立件が難しいことも分かっている。立件するか、報告だけで済ませるかも聞かれた。
立件できないとなると民事で争うことになるのだが、そこにもお金や時間、何より思い出さなければならない心理的負担もある。
民事で争って勝ったところで、相手に請求できる金額なんてよくて30〜50万円程度だ。
そこから弁護士への成功報酬をさっ引いたら、恐らく赤字だろう。

被害者は何の落ち度も無い。服装が派手だったとか、夜中に出歩いたとか、そういう話ではない。
ポケットから財布が見えたから盗むことが許されるか?
そもそも盗まんやろがボケが。

それでも、悲しい話だが可能な限りの自衛をするしか無いし、被害にあった時にどうすれば良いかを頭の片隅に入れておかなくてはならないのだ。

幸い、私は周りに理解者が多かったこともあり、誰からも責められることは無かったし、警察でも嫌な思いはしなかった。
こういう件で警察の対応が悪いとかいう話はよく聞くのだが、本当にこちらの気持ちを第一考えてくれて感謝している。

この記事が何の役にも立たないことが1番だ。
それでも、いつ誰が被害に遭うかもわからない。
自分自身じゃなくても周りの友人が被害に遭う可能性だってある。
そんな時に何か少しでも手助けになればと思う。

完全に立ち直った訳ではないし、被害に遭う前の写真を見ると、もうこの頃には戻れないんだと悲観的になることも数え切れないくらいあるがそんなこと言ってもどうしようもない。
でも、決して前向きに捉えて生きているわけではないのが現状だ。

そんな中でも、一匹狼で完璧主義だった人生だったのに、周りの方が凄く支えてくれ、自分の情けなさを知れたことが1番の収穫だった。

そんなこんなで今は諦観しながらもまあまあ普通に生きている。

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