1/19 コロナになった話

遂に順番が回ってきた。
コロナなんて誰が感染してもおかしくないのに、いざ感染すると「なんで私が」という考えばかりが頭を巡っていた。

1/8から咳症状が現れ、1/10に倦怠感と発熱。
ここまで計4回の抗原検査ですべて陰性だったが、
1/11に自宅で抗原検査を実施し、陽性反応が出た。
PCR検査でも結果は変わらなかった。

その後、1/12には水を飲むだけで酷い咳に伴い嘔吐を複数回し、脱水の恐れがあったため緊急入院となった。

当初、保健所が全く機能しておらずこのままなんの対応もされずに過ごすのか…と絶望していたが、私を診てくれたドクターがその状況をよくないとし、保健所に再連絡をしてくれたおかげでその後の対応はかなりスムーズにいった。
保健所の対応についてはかなり問題になる事なので割愛する。
面倒なことには巻き込まれたくない。

個室を案内されたが、8畳ほどの広さで真っ白な部屋の真ん中に不釣り合いなシングルベッドがポツンと置いてあるだけの質素な部屋だった。
「人体実験でもされるのかな……」と思った。

コロナ陽性患者の退院は、

1 発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合、退院可能とする。
2 症状軽快後24時間経過した後、24時間以上間隔をあけ、2回のPCR検査で陰性を確認できれば、退院可能とする。

という定めがある。
恐らくほとんどの病院でを採用していると思われる。

入院時のSpO2は84%(正常値96〜100%)
「もうちょっと欲しいですねえ〜😅」って看護師さん言ってたけど、もうちょっとどころじゃないだろ……と心の中で思っていた。
ここまで下がると多分息苦しくて堪んないんじゃないかと思っていたんだけれど、私は全く症状が無く、奇跡的に肺炎も起こしていなかった。

1/12〜1/14は少し咳が出ることに加えて微熱がある程度だったのだが、とにかく倦怠感が酷かった。
説明するのは難しいが状況としては、
・スマホも持てない
・目も開けられない
・音を聴くことも辛い
・会話ができない
というような感じで、25歳のいい大人があまりの辛さに涙を流して呻いていた。下半身がずっと震えていた。
倦怠感に効く薬はないことはわかっている。
どうしようもないからこそ辛かった。

更に入院から退院まで、環境が変わったことや隔離されているために一切活動ができない事もあり、元からあった不眠症が悪化し、一睡もできない日が続いた。
余談だが、持参薬はすべて病院に預かられることになる。
私が持参した睡眠導入剤たちは全て病院管理になってしまった。
主治医と相談して飲み方も決めていたのだが、病院では成人が1回に与えられる半量しか与えられず、追加を申し出ても「今日は様子を見てください」と言われる。
郷に入っては郷に従え、ということだ。安全管理のためなので仕方ないのだが、様子を見てください、というのは死刑宣告も同等だった。

また、病室はとにかく乾燥が酷い。
バスタオルを借りて干していたがそんな微々たる湿度では追いつかない。
渇いた喉や口ではうまく呼吸ができず、ずっと苦しかった。

人間は寝るときに力が抜ける為、どんなに小さくても口が開いてしまう。
部屋が乾燥していると、それによる息苦しさでどんなに寝そうになっても「カハッ!!!」となって目が覚める。
入院期間、この繰り返しだった。
※恐らく加湿器によるカビの発生から日和見感染を防ぐために病室に設置できないのだと思われる。よく知らないけれど。

1/16の深夜にはあまりの辛さにナースコールで泣きながら
「もう無理です」「耐えられない」「もう帰して」「辛い」
と訴えていた。これで様子見ろって言われたら本当に死のうかと思った。
一応、持参していた不眠症治療薬(ロゼレム®︎)を貰えたがそれって私毎日貰う薬ですよね?と問い詰めようかと思った。

この時、私の状況を察してくれた彼氏が連絡をしてくれて、一晩中電話を繋いでくれたおかげで何とか持ち堪えることができた。

1/17になって簡易型加湿器を持ってきた事を今更思い出す。
微々たる加湿しかできないものだったが、それでもこの日初めて2時間半の睡眠ができた。気付いたら時間が進むという喜び。
部屋の湿度はQOLに繋がる事を知った。

1/18になり、SpO2は93%だったが、全身症状に特に問題無かった為、無事退院。
気温6℃というキンキンに冷えた空気が生きている事を実感させた。
階段の昇降に苦労したが、久しぶりに帰宅した時はホッとしたと同時に、入院中の辛かった記憶がすべてよく思い出せないものになった。
それだけ辛かったんだろう。

退院後3日ほどは自宅療養するように、とのことではあるが、すでにコロナを誰かに感染させる恐れは無いということである。
自宅療養とはいうけれど、普通の生活を送りながら体力を戻すように、とのことだった。

私の運がよかったところは、周囲の人間に感染者がいなかったことだ。
もちろん私と濃厚接触者になった人たちはまだ隔離をしている最中ではあるが、現時点ではみんな陰性とのことだった。
それだけは本当によかった。

多分今後、誰もがコロナに感染してもおかしくない。
私はワクチンを6月に2回接種していた。
3月に3回目を接種予定だった。

対策としては

・個食の徹底(会食は避ける)
・可能な限りリモートワーク
・他人との接触は10分程度(マスク有りでも)

などを今後もしていく。

もしも入院になってしまったら絶対に加湿器だけは持っていった方がいい。
Wi-Fi環境があるかの確認も怠らないようにな。

病院の看護師さんは25歳にもなって情緒不安定で泣いてしまうような成人女性にも優しくしてくれた。
規則で出来ないことが多くある中でも可能な限りどうにかしようと工夫をしてくれたり、辛すぎて呻いている時に手を握ってくれたりと、自分たちも感染の危険が常にあるのに嫌な顔ひとつしなくて本当に尊敬した。天使だと思った。
辛い実習を乗り越えて尚患者さんに優しい看護師ってすげえな……と思った。


入院なんて、二度としたくないね、ハム太郎。

ヘケッッッッッッッッ‼︎‼︎


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