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Jamiroquai / Emergency on Planet Earth (1993)

「アシッド・ジャズの新星」的な位置付けで、90年代の音楽シーンに颯爽と登場したジャミロクワイによるデビュー・アルバム。

その革新的な音楽性が注目を集めた本作は、モダンに磨き上げられ、宇宙的な壮大さを多大に含んでいるが、その土台には60~70年代のファンクやソウル、ジャズがしっかりと根を張っており、その意味では王道の作品ともいえる。

スティーヴィー・ワンダーやマーヴィン・ゲイ、カーティス・メイフィールド、ハービー・ハンコック、スライ&ザ・ファミリー・ストーンあたりを引き合いに出される音楽性に、クールそうに見えて血が滾るような熱さや、真摯な問題意識に根付いた青臭いくらいにまっすぐな主張を乗せた本作には、当時23歳のジェイ・ケイの才能とスケールと志の大きさが漲っている。

ベースを中心としたコシの強いグルーヴやジェイのソウルフルで艶のあるヴォーカルなども含め、聴き応え充分の力作。




角張った部屋にデカいハット、すなわちジャミロクワイ。
そんな方程式が成り立つことでもお馴染み、桑井さんのデビュー作ですね。

飄々として浮世離れしたイメージもあるけど、黄金期のソウルやファンクといった、クラシックなスタイルへの造詣の深さも窺える。
ただ斬新なわけではなく、きっちりと伝統の良さをわきまえているようで。
音はスタイリッシュだったりトライバルだったりしながら、詞の方は筆圧強く書かれている印象。

混迷する世界との対峙が30年経った現在もそのままずっと有効であることが哀しいね。

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