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The Killers / Sam's Town (2006)
デビュー作から大きな成功を果たしたザ・キラーズのセカンド・アルバムは、前作のヨーロピアンで80年代ニューウェイヴ風の煌びやかなサウンドから、世界を巡ってアメリカへと回帰した内容となっている。
故郷ラス・ヴェガスの地元民が通う実在のローカル・カジノの名を冠した本作には、ブルース・スプリングスティーンの男気とロマンティシズム、アメリカ進出期のU2の気高さと野心が溢れ、アメリカへの思慕が込められている。
前作の賑やかなシンセ・サウンドは力強さを増し、骨太なギター・ロックがU2のジ・エッジばりに気を吐いている。昂揚感のあるタイトル曲でスタートし、「エンタールード」から「エグジットルード」まで、代表曲やスタジアム・アンセムを含んだコンセプチュアルな本作は、ローリング・ストーン誌の読者が選ぶ「2000年代最も過小評価されているアルバム」にも選出された。
UKロック志向のキラーズが成長してアメリカン・ロックに辿り着いた、確かなステップを刻んだ力作。
急に男臭くなったこの2作目には、③とか⑥とかキラーズを代表する人気曲を中心にスケール感のあるアンセムが並び、終盤には大河の流れのように雄大な曲が置かれて、その全体に故郷への愛着が込められている。
ブランドン・フラワーズの音楽と地元への実直な姿勢や野心が詰まった勝負作は賛否両論あったけど(リリース当初より後から徐々に評価を固めているのかも)、ファースト・アルバムから本作を通過したことで、バンドは”欧風”と”米風”の両立を果たせたのだろう。
そして個人的にキラーズで一番好きな3作目へと繋がっていく。
暑くなっていくこの時期に合うアルバムです。
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