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NFTの循環取引を発見するツールを開発しました

ブロックチェーン上のNFT取引履歴は公開されていて検証可能です。しかし意外とデータが公開されていても検証されることは多くありません。

私がいくつかのNFTを分析していると、不正な取引疑惑があるNFTを見つけることがあります。例えば循環取引を見つけます。特定のアドレス間で往復して取引されることで高い価値があるように見せかける取引を循環取引と言い、よくある不正会計の手法です。

現実の取引であれば第3者が循環取引を見つけることはなかなか難しいのですが、取引履歴が公開されているNFTであるからこそ循環取引は比較的容易に見つけることができます。この循環取引疑惑のあるNFTを見つけるためのツールを開発しました。

循環取引とは?

循環取引は、商品同士を取引することで収益を偽装する不正取引です。たとえば、A、B、Cのグループ  がNFTを取引するとします。
まず、AがBに 1 ドルの商品を販売すると、Aの売上は 1ドルになります。
次に、Bが商品をCに 2 ドルで販売すると、Bの売上は 2 ドルになります。
3 番目に、Cが商品をAに 3 ドルで販売するとCの売上は 3 ドルです。
4 番目に、Aは商品を4ドルでBに販売します。Aの売上は1+ 4ドルとなります。

もちろん、これらは結託しているだけなので実態のない売上です。監査の世界では不正取引として指摘される事案です。

NFTの循環取引

通常、循環取引は収益偽装で利用されるのですが、 NFTの循環取引は、価値の高さを偽装するために使用されます。

たとえば上記の例でA、B、Cのグループの存在を知らないDは、最後の 4ドルの取引を見て「この NFT は最後に 4ドルで取引されているので、これは最低4ドルの価値があるはずだ」と思うかもしれません。それこそがNFTの循環取引の罠です。

CryptoPunksにおける循環取引疑い


CryptoPunksの取引を分析したところ、真実は分かりませんが循環取引の疑いがありました。上の画像はCryptoPunks #2976 の価格推移です。

下の画像は、CryptoPunks #2976が 38ETH -> 50ETH -> 58ETH -> 91ETH で販売され、最終的に 100ETH で販売されていることを示しています。 38ETH ->50ETH ->91 ETH の取引に表示されるアドレス3つが同じ所有者のアドレス、あるいは結託したグループのものの場合、この取引は循環取引です。

ブロックチェーン上のNFT取引履歴は公開されていて検証可能です。しかし意外とデータが公開されていても検証されることは多くありません。

私がいくつかのNFTを分析していると、不正な取引疑惑があるNFTを見つけることがあります。例えば循環取引を見つけます。特定のアドレス間で往復して取引されることで高い価値があるように見せかける取引を循環取引と言い、よくある不正会計の手法です。

現実の取引であれば第3者が循環取引を見つけることはなかなか難しいのですが、取引履歴が公開されているNFTであるからこそ循環取引は比較的容易に見つけることができます。この循環取引疑惑のあるNFTを見つけるためのツールを開発しました。

循環取引とは?

循環取引は、商品同士を取引することで収益を偽装する不正取引です。たとえば、A、B、Cのグループ  がNFTを取引するとします。
まず、AがBに 1 ドルの商品を販売すると、Aの売上は 1ドルになります。
次に、Bが商品をCに 2 ドルで販売すると、Bの売上は 2 ドルになります。
3 番目に、Cが商品をAに 3 ドルで販売するとCの売上は 3 ドルです。
4 番目に、Aは商品を4ドルでBに販売します。Aの売上は1+ 4ドルとなります。

もちろん、これらは結託しているだけなので実態のない売上です。監査の世界では不正取引として指摘される事案です。

NFTの循環取引

通常、循環取引は収益偽装で利用されるのですが、 NFTの循環取引は、価値の高さを偽装するために使用されます。

たとえば上記の例でA、B、Cのグループの存在を知らないDは、最後の 4ドルの取引を見て「この NFT は最後に 4ドルで取引されているので、これは最低4ドルの価値があるはずだ」と思うかもしれません。それこそがNFTの循環取引の罠です。

CryptoPunksにおける循環取引疑い


CryptoPunksの取引を分析したところ、真実は分かりませんが循環取引の疑いがありました。上の画像はCryptoPunks #2976 の価格推移です。

こちらの画像は、CryptoPunks #2976が 38ETH -> 50ETH -> 58ETH -> 91ETH で販売され、最終的に 100ETH で販売されていることを示しています。単純に同じ人が買い直しただけの可能性もありますが、 38ETH ->50ETH ->91 ETH の取引に表示されるアドレス3つが同じ所有者のアドレス、あるいは結託したグループのものの場合に循環取引です。

このような循環取引疑いのあるNFTを分析するアプリケーションを実験的に開発しました。

https://www.nftscanapp.com/

トップ画面から対象のNFTシリーズを選んで、「Round Tripping Only」を選択すると循環取引疑いのNFTを検索できます。取引データは少し前までのものですが、透明性を検索するという点での使い心地を試してみてもらえないかと思います。

開発してみたモチベーションとしては、NFTは取引自体が公開されているので取引の質を検索しやすくすることで通常の取引では見えないものを検索しやすくできないか。NFTで取引をすること自体の意義を見出したいという試みになります。ご意見などいただければ幸いです。


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