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NFTマーケットプレイスRaribleの特徴と取引高の成長
Raribleはクリエイターが作品をNFTとして出品することができるマーケットプレイスです。近年大きく成長しています。
特徴として、誰でも簡単にNFT化することができ、発行時に二次流通手数料を設定することもできます。再販売された際にクリエイターに手数料の一部が還元される、クリエイターに必要な機能を指向したNFT売買プラットフォームと言えるでしょう。
Raribleの出品内容について
Raribleでは、多くのクリエイターが出品しています。今年の2月には、BurntBanksyというアカウントがバンクシーの作品を焼却する映像をNFTにして出品したことが話題になりました。
その他、4月には1SECがデジタルファッションレーベルを立ち上げて、バーチャルスニーカーを販売したりしています。
スーツケースなどを手がけるメーカーのRIMOWAがデザインスタジオNUOVAと、スーツケースディスプレイやテーブルなどのNFT化を発表し、Rarible上で販売しています。
日本からは上原亜衣さんがNFT作品を販売したことなども話題となりました。
出品画像中には、クリエイターへ還元される二次流通手数料率が記載されています。販売時、Raribleを通すとここに表示された率の販売金額がクリエイターへ還元されます。
Raribleはどの程度取引高があるのか?
OpenSeaについて取引高を検討しましたが、Raribleもどの程度取引が行われているのか見てみます。Dune Analyticsで公開されているダッシュボードを参考にみてみます。
Raribleではこの1ヶ月で約1700万ドル(約18.7億円)の取引高が生まれています。これはマーケットプレイスではGMVと呼ばれる指標で、ユーザーによって生み出された流通額です。実際のRaribleの収益はもっと小さい金額になります。
この約1700万ドル(約18.7億円)がどの程度か、わかりやすい比較だと、C2Cのメルカリが、日本における直近1ヶ月のGMVは約700億円です。(決算資料より直近1QのGMVが2086億円で単純に1ヶ月のGMVを1/3とすると700億円)メルカリの日本の取引高に対して概ね40分の1程度と見て良いかと思います。今後のNFTの成長性によってもっと差が縮まる可能性もあるでしょう。
なお、Raribleの直近1ヶ月の手数料収益は約54万ドル(約600万円)です。取引高のおおよそ3%程度がRaribleの手数料として売上計上されている計算です。
Raribleの月別取引高は?
元のダッシュボードにはなかったので、直近1年間の月間取引高をグラフにしました(ダッシュボード)。6月17日時点のグラフなので、6月の取引高は小さく表示されています。以下の表も同様です。
今年3月のNFTバブル時に最も多くの4000万ドル取引を記録し、先月時点では2000万ドルを記録しています。下落したとも見られますが、まだ未成熟な市場なため一時的な盛り上がりを超えて一旦落ち着いただけとも考えられます。
こちらはRaribleで一次販売(新規発行)と、二次販売(再販)の取引高割合です。概ね二次販売が6−7割程度を占めています。これは大変安定的に二次販売割合があると考えられます。
Raribleのアクティブなユーザー(アドレス)数は?
直近30日のRarible関連コントラクトを動かしたユーザーは19991でした。閲覧だけのユーザーなどは含まず、出品や購入、入札をしたアドレス数を対象にしています。
月次推移も見てみましょう。そうすると、3月がピークで70000ユーザーほど存在しています。取引高同様、先月は20000ユーザー程度で、少し落ち着いてきた様相です。
月間の発行量を見てみます。というより発行されている作品量もだいぶ落ち着いてきたようです。需要自体も減ってきたのでしょうか。それでも先月は2万点ほどの作品が発行されています。
OpenSeaとの取引高比較
最後に、OpenSeaとの比較をしてみましょう。OpenSeaとRaribleの月間取引高を比較しているダッシュボードからは以下のように表されています。
5月では、OpenSeaはRaribleの6倍程度の取引高があります。Raribleは4月頃から落ち着いているものの、OpenSeaは取引高が増加している月もあります。一口にNFTマーケットプレイスといっても、取引高はサービスによって異なるようです。
まとめ
Raribleの出品内容、取引高、二次販売の割合、OpenSeaとの比較についてみてきました。必ずしも安定的な成長とはいえないものの、今年に入ってからで見ると成長していることは事実です。また、クリエイター向けとターゲットを絞っており、洗練されたUI、クリエイターへの二次流通手数料分配機能などターゲットを絞って開発されたRaribleは、今後もうまくクリエイターやブランドを取り込む戦略を取り、取引高をあげる施策を取っていくと考えられます。今回は触れませんでしたが$RARIというガバナンストークンを発行しており、そちらの利用方法にも今後注目されます。
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