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CryptoKittiesはどのように収益を稼いでいるのか?
2017年末に登場したCryptoKittiesはNFTゲームの先駆けです。現在のERC721の規格もここから発祥しています。CryptoKittiesは仮想猫のデジタルアイテムを売買するマーケットプレイスです。
CryptoKittiesは、徐々に値段が下がるダッチオークション方式で売買されます。次の画像は、猫の購入画面で、徐々に値段が下がっていく様子が表示されます。
ゲーム内マーケットの売買成約時における手数料収益
「仲介者のいない流通を作るのがブロックチェーン」という言説はよくありますが、CryptoKittiesは売買成約時に手数料を取っています。
以下はSaleClockAuctionコントラクトで手数料を引いている部分です。(コードが分からない方は飛ばしてください)
// Transfer proceeds to seller (if there are any!)
if (price > 0) {
// Calculate the auctioneer's cut.
// (NOTE: _computeCut() is guaranteed to return a
// value <= price, so this subtraction can't go negative.)
uint256 auctioneerCut = _computeCut(price);
uint256 sellerProceeds = price - auctioneerCut;
...
function _computeCut(uint256 _price) internal view returns (uint256) {
// NOTE: We don't use SafeMath (or similar) in this function because
// all of our entry functions carefully cap the maximum values for
// currency (at 128-bits), and ownerCut <= 10000 (see the require()
// statement in the ClockAuction constructor). The result of this
// function is always guaranteed to be <= _price.
return _price * ownerCut / 10000;
}
_computeCutという関数で値段に対する手数料を計算しています。スマートコントラクトのデプロイ時の変数を追うと、ownerCut変数には、375という数値が固定で入っており、手数料は
販売価格 × 375 / 10000 = 販売価格の3.75%
となります。つまり売買時に3.75%の手数料が売り手から引かれてCryptoKittiesの収益となります。
交配マッチング時の手数料(ただしガス代のカバー用)
CryptoKitiiesは交配(Breed)して猫を増やしますが、その交配親を他のプレイヤーの猫から探す事ができます。
次の画面は、マーケットから探してきた雄親と、自分の手持ち猫を交配させようとしている画面です。
この時、Birthing feeという、出産手数料という費用がかかります。こちらは、新しい猫が生まれた時、ブロックチェーンに書き込むためのガス費用を事前に徴収するという事が説明で書かれています。この出産手数料はEthereumのガス代のために変動し、初めは0.002ETHでしたが、2019年8月では0.008ETHとなっています。ただし、こちらはガス代のカバー用の徴収という事なのでほぼ収益源ではないでしょう。
二次流通マーケットでの手数料収益
二次流通マーケットではトークン発行元と提携して成約時の手数料を取っている事があります。二次流通マーケットの代表格であるOpenSeaの説明文にはこう書かれています。
Yes, we take 2.5% from the price of a successful sale. If we have an official partnership with the original creator of the item (such as the developer of the game), the original creator can also opt to take a fee on the final transaction as well.
(成約時には、2.5%の手数料をいただきます。もし、アイテムの作成元(ゲーム開発元など)と提携していた場合、作成元も手数料を取得します。)
OpenSea以外にも複数の二次流通マーケットがあります。これらの二次流通マーケットと提携する事で、手数料を獲得できます。
その他の取り組み
過去にはgen0オークションという、運営自身が開催したオークション(トークンセール)が行われており、ワンショットの収益が上がっています。
その他、CryptoKittiesはkittyverseというキャラクターを使って他アプリを動かす取り組みなどを行なっています。CryptoKittyのアセットを他アプリで動かす時に、手数料を取得すれば収益源となっていくと考えられます。
今回、CryptoKittiesについてゲーム内マーケットの手数料、二次流通マーケットなどの収入源を見てきました。
「ブロックチェーンで仲介が排除される」という言説とは異なり、手数料による収益をたてています。しかしながら、手数料は明確に表示されており、ブロックチェーンのコントラクトで動くため不正が起きづらい事は担保されています。透明性を持って、正確に自動処理される点がスマートコントラクトの利点といえるでしょう。
今後、 CryptoKittiesの手数料収益についてデータで分析してまとめた記事を投稿します。
このノートではブロックチェーン、Dappsについてデータやスマートコントラクトから読み取った解説記事を書いていきます。気に入ってくださった方は、↓からスキ、フォローをお願いします!
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