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NFTバブルでOpenSeaの取引高はどの程度増えたのか

NFTバブルですね。2021年は暗号資産の価格上昇に加えて、NBA Topshotが火をつけてNFTブームが来ました。バンクシーがNFTアートを発行したり、ジャックが2月頃から盛り上がりましたが、NFTマーケットの最大手のOpenSeaはどの程度盛り上がったのでしょうか。

直近1年間の流通取引総額

OpenSeaの流通取引総額(GMV)について調べてみます。Dune Analyticsで公開されているOpenSeaダッシュボードをもとに見てみましょう。

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こちらが月間ボリューム(USD建)です。2020年2月から取引高がとても増えています。最も突出しているのは2021年3月ですね。

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具体的な数値を見ると、2021年3月に1億4700万ドルが取引高です。その後、4月は9300万ドル、5月は8700万ドルと下降していますがそれでも目覚ましい伸びです。

もっとも、主要取引通貨であるETHが年初から数倍以上に高騰するなど、暗号資産自体の価値が上がっているためにUSD建で見ると大きくなっているという点にも注意は必要です。

定期的に行われる「大きな」取引

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取引をドリルダウンすると、2021年4月,2021年5月それぞれに2,000万ドルを超える取引がある日があります。何か高額な商品が販売されるなどイベントがあったのではないかと思われます。NFT界隈では有名アーティストの作品など、大きな取引が時々存在して、それが取引高を牽引することもあり、また運営からするとそのような「イベント」をいかに作るかといったことも重要なのではないかと推察します。日本でもNFT取引所が本格的に稼働し始めますが、「イベント」を用意してくるのではないかと思われます。

OpenSeaの受領手数料

OpenSeaは販売価格に対して概ね2.5%の手数料を受領すると示されています。さらに、NFTのコンテンツホルダーに対して個別のロイヤルティ契約を結んで還元しています。この2.5%+ロイヤルティ手数料の月間金額が以下になります。

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3月においては、最大の手数料として1,000万ドルが計上されています。この月の売上が1億4700万ドルなので、およそ6.8%が手数料となる計算ですね。2.5%はOpenSeaが受領して、コンテンツホルダーに残りの4.3%程度は還元しているのではないかと考えられます。

2021年3月には1億4700万ドルの2.5%としても367万5千ドル(およそ4億円)の売上が上がっているのではないかと推察します。

まとめ

OpenSeaの売上がこの数ヶ月で大きく伸びたことがわかりました。しかしながら、2018年から長らく冬の時代を歩んできて、耐え忍んだ結果と考えられます。通常ならピボットしてもおかしくないところをずっと信じて耐えてきた、という努力の末に伸びたと思われます。

また、このNFTブームが持続的に続くのか、一過性で終わるのかはまだ未知数です。NFT自体は可能性を秘めていると考えられますが、持続可能なエコシステムが形作られることがこれから注目されるトピックなのでしょう。




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