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投資家中心主義の限界と、その解決策としてのNaaM

NFTmeijinの今村です。様々なNFTの分析やコミュニティ運営を行なっています。第12回となる今回は「投資家中心主義の限界と、その解決策としてのNaaM (NFT as a Marketing)」について説明します。特に

  • 現状の投資家の力に頼ったフロア価格戦略には限界がある

  • この問題を解決する1つの手段としてNaaMを提案する

  • NaaMによって、NFTを用いた持続可能性のある運営が可能となる

などについて解説します。

既存のNFTの課題点

一部のNFTでは、フロア価格が強く重視され、フロア価格をいかにして上昇させるかが運営・コミュニティどちらにおいても重要視されています。そのため、フロアを上げるための施策ばかりが催促される状況になり、フロア価格を上げるためにお祭り騒ぎを続けるという状況になっています(いわゆるお祭りバブル問題)

なぜこのようにフロア価格ばかりが注目される状況になっているのでしょうか?

最大の理由は、クジラを含む投資家が、そのようにプロジェクト側にプレッシャーをかけていることです。。このプレッシャーがプロダクトにいい影響を与えていれば良いですが、実際には打ち手のための打ち手となる事例が多いです

そのため、このような投資家ではなく、フロア価格を気にせずにプロジェクトを本当に応援してくれるファンをコミュニティに入れることが重要です。
しかしながら、現状のNFTでは投資家を入れないとフロア価格が上昇せず、そもそもNFTの価値自体が低く見えてしまうという課題もあります。

また、既存のNFTの別課題として、ほとんどのプロジェクトでは、NFTのキャッシュポイント(収入を得られるポイント)が最初のMint販売にしかなく、数千万円程度しか稼ぐことができないという課題があります。

CNPのような事例は稀です。事業を継続できるだけの金額を二次流通で稼げるプロジェクトはほとんどありません 数千万円という金額は大金ではありますが、会社が事業として行うには十分な金額ではありません

ここまでをまとめると、現状のNFTのやり方では、
・初期以外にキャッシュを得られないので事業をまともに継続することができず、
・またフロア価格を上げる打ち手が、本当にプロダクトのためになる打ち手にならないことが多い

ということです

この課題を解決するためのNaaM

では、この課題を解決するにはどうすれば良いでしょうか?
この課題を解決するために、新しいNFT戦略として、NaaM(NFT as a Marketing)を提案します。
NaaMとは、NFT自体で収益を得ようとせず、NFTの外で事業モデルを作成し、事業のマーケティング戦略としてNFTを利用するという手法です

特にNaaMでは、事業の中心軸にweb2事業を置くことを推奨します。
つまり、事業自体はweb2(もしくはweb2に近い)領域ではあるものの、マーケティング戦略としてweb3領域を利用するということです

NaaMのメリットは?

本手法をとると何が良いのでしょうか?

メリットとしては
・NFTで収益を得ようとしないので、フロア価格を気にする必要がない。つまり、投資家を無理にコミュニティに入れる必要がありません
・NFTを利用することで、プロジェクトに興味のあるコミュニティを初期段階で作ることができます
・また、コミュニティに数千人程度の初期メンバーを集めることも容易にできます。これが事業基盤の一つとなり、事業の早期立ち上げに貢献します

・さらに既存のNFTの問題である「二次流通で大した収益を上げられない」という課題に対しても、NaaMを利用することによりNFTの外で収益構造を保つことができ、健全な運営を行うことが可能です

NaaMの事例

最後に既存のNFTプロジェクトでNaaM型となっている事例を2つ紹介します


まず最初の事例として、ファッションNFT系の一部は、NaaMに該当すると言えます。
ファッションNFTにも色々と種類がありますが、NFTを買うことでアクセサリーやアパレルがもらえるというビジネスモデルの場合、実際には収益のポイントはプロダクトの販売にあります。

この場合、NFTはあくまでマーケティングのためのツールという役割なので、フロア価格を無理に上げる必要性は少ないです。。
ただし、ファッションNFTではごく一部のハイブランドを除いてまだ大きな成功事例は少なく、再現性も大きくないという課題はあります

次の事例として、@VhighOfficial はNaaMの好例と言えます。 Vhigh!はVtuber発のNFTプロジェクトとして注目度が非常に高いのにも関わらず、WPやAMAで公表している通り、フリーミントであり、かつフロア価格を無理に上げようとしない方針を掲げています。

なぜこのようなことが可能なのでしょうか
それは、Vtuberという仕組みを利用し、NFTの外でビジネスモデルを成立させているからです。この仕組みに基づくと、NFTを持っていない人はもちろんのこと、NFTを知らない人ですら巻き込むことができます

このようにNaaMは、NFTをうまく利用しながら、NFTを知らない人にもアプローチができる手法として非常に有効な手法だといえます。 また、既存のNFTと比べ、ビジネスモデル上の持続可能性も高いです。
初期からのNFTホルダーはプロジェクトが大きくなるにつれて健全な形で利益を得ることもできます

まとめます。
①現状の投資家の力に頼ったフロア価格戦略には限界がある
②この問題を解決する1つの手段としてNaaMを提案する
③NaaMによって、NFTを用いた持続可能性のある運営が可能となる

NFTmeijinは、NFTを通したブランド強化のための戦略立案や運営、マーケティングのご相談にものっています。
ご興味ある方は、お気軽にお問合せいただけたら幸いです。

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