【絵本、小説】名作絵本NFT付き複製画、近未来小説のNFT化…NFT活用事例まとめ
NFT(Non Fungible Token)を企業活動に活用する事例が増えてきています。「自社はまだまだ(検討にすら入っていないよ)」といった企業でも、今の段階から社内での情報共有はしておくべきだと思いませんか?
今回は絵本、小説関連のNFT活用例をまとめてご紹介していきます。
「モチモチの木」「花さき山」の「きりえ」をNFT付き高精彩複製画で発売
大日本印刷株式会社(DNP)のグループ会社である株式会社モバイルブック・ジェーピー(MBJ)は、高品質のアート作品に1点ずつNFTを付与し、額装して販売するECサイト「MasterDig(マスターディグ)」を2022年4月より運営。
今回、株式会社岩崎書店のロングセラー絵本『モチモチの木』『花さき山』(ともに斎藤隆介作、滝平二郎絵)の滝平二郎の「きりえ」の原画6点を「NFT付きプリモアート®(高精彩複製画)」にして、2022年6月17日(金)より各20枚限定で販売することを発表しました。
「プリモアート」は、DNPが長年培ってきた画像修正のノウハウと出力機の持つ発色機能を最大限に活用し、独自開発した複製画専用のカラーテーブルを利用した複製画で、限りなくオリジナルに近い色を再現。
なお、今回一部の作品では、レーザーカットによる「きりえ加工」を実装。
滝平二郎の「きりえ」の複製画で、これまでになかった「きりえ」の効果を再現する技術です。
また、絵本『モチモチの木』『花さき山』から、印象的な6点の原画を複製し、各20枚限定で販売。
今回複製画として販売する作品の1つ『モチモチの木 三日月』は、現在販売されている絵本では見ることができない大変貴重な作品です。
1971年の発行当時は、絵本の中にこの作品がありましたが、皆様に愛されて改訂されるなかで、1977年発行の第30刷で『二十日の月』という作品に切り替えられたため、今では幻の作品とされています。
小説『僕らのネクロマンシー』をデジタル化したNFTコレクション販売
株式会社Next Commonsは、小説『僕らのネクロマンシー』(著:佐々木大輔, 出版:NUMABOOKS)のNFT版「A Wizard of Tono」を、「遠野物語の日」である6月14日に発売します。
『僕らのネクロマンシー』は、インターネットから生まれたさまざまな技術が、高度に発展しながらも自然環境のなかに埋め込まれた未来を描いたSF小説。
執筆中の2017年当時にポピュラーとなりつつあったブロックチェーンやスマートコントラクトのアイディアを取り入れた本書は、2022年の現在におけるNFTの爆発的な普及を奇しくも言及した予言的私小説でもあります。
本書は過去にアクリル加工した特殊な装丁のプリント版のみを2018年に発売していましたが、本書のモチーフでもあるNFTの普及が進む現状と、NFTの活用によってデジタル版においても「コンテンツとメディアを分離させない」新たな試みに可能性を感じ、NFT版として再び制作・販売することを決定しました。
今回の取り組みにより、3つの方法で閲覧が可能です。
①NFTを購入
NFT版は、NFTマーケットプレイス「OpenSea」を通じて販売。
NFTを購入したユーザーは、トークンゲーティングという仕組みにより、電子書籍をダウンロードできるサイトにアクセスできる権利付与され、EPUB、mobi、PDFのいずれの形式でも本書を読むことができます。
またNFT購入者特典として、Next Commonsが運営する岩手県遠野市の宿泊施設「Uレジデンス」の宿泊料金が30〜40%割引になります。
遠野を舞台とした書籍の特典として宿泊割引を付与することで、本書を読んだ人へ旅を促し、実際に訪れることでより深い読書体験が得られる機会を創出する狙い。
その他、「著者が主催するコミュニティでのイベントやコンテンツ、サービスの参加券となるユーティリティトークンを提供する企画を予定しております。
②24時間レンタル
また「Borrowable NFT」と名付けた独自のコントラクトにより、NFTを通じた電子書籍の貸し借りも可能。
NFTコレクション「A Wizard of Tono」を購入していない第三者であっても、イーサリアムを利用したエクスプローラー「Etherscan」で借りる手続きを行うことで、電子書籍のダウンロードサイトにアクセスできるようになります。
③Kindle版で購入
本書籍はKindle版でも購入可能。
ただしユーティリティはつきません。
また、今回の試みは、少部数出版を成立させるビジネスモデルの構築もねらいのひとつ。
所有感の強い高額なNFTと、無料で誰とも貸し借りできるユーティリティを用意することで、制作に関わったチームの報酬も確保しながら、コンテンツを多くの人に安価で届けたいというバランスの目的を両立するという、報酬と頒布のバランス維持を目指します。
Borrowable NFTを含む一連のソースコードはGitHubでオープンソースとして公開します。また、著者・版元・制作会社へのサポートも行っていくことで、NFTを利用した魅力的なコンテンツ創出の一助となるよう尽力する方針です。
イージェーワークス、絵本のNFT化プロジェクト始動
NFTマーケットプレイスでの販売支援やプロモーション、ブロックチェーンを活用したシステム開発支援、運営、サポートを提供する株式会社イージェーワークスは、NFTエージェント業務第二弾として、絵本クリエイターであるMARRY CALL氏の絵本作品に関連するNFTをNFTマーケットプレイス「ユニマ」にて公開しました。
本プロジェクト始動のきっかけは「思い出の絵本を、未来の子供たちに受け継いでいくことができないか」という課題。
紙といったアナログである絵本を、NFTを始めとした技術を用いてデジタル絵本にすることで、世代を超えて継承していくことができるという考えに至りました。
また、デジタル化することで動画や音声、イラストなどと組み合わせ、新しい感性や創造性を養っていくことにつなげることで児童書の新しい価値を創出できると考えています。
こういった点から本取り組みでは、絵本のデジタル化によって未来に残る形での絵本の展開、また絵本内でイラストだけでなく動画とコラージュする作品の展開が可能となり、作り手も読み手も新しい体験の場を創出し、更にNFTやブロックチェーンの技術を活用することにより「絵本×NFT×出版」の新しい作品価値の創造やクリエイター活動・表現の裾野を広げていくことを目的としています。
将来的にはメタバースなど仮想空間に広がる童話世界を創出し、子供たちと家族の新たな交流の場の提供や、クリエイターの皆様と子供たちの想像、発想を広げていく場として、マルチメディアによる展開をしていくなど、市場活性化、デジタル新産業創出など社会貢献に取り組んでいきます。
芥川賞作家・李琴峰、作家デビュー5周年記念NFT小説「流光」プロジェクト発信
李琴峰作家デビュー5周年を記念して、李琴峰初期の短編小説「流光」をNFT化し、日本語・繁体字中国語・簡体字中国語の3言語のバージョンを用意し、様々な特典付きで販売することが発表されました。
2022年5月20日、日本時間21時より販売開始、本プロジェクトの一次販売による純利益の10%相当の金額は寄付に充てるということです。
今回は「流光」という小説を底本に、5種類のNFTを制作。
それぞれの種類のNFTにつき2点発行し、プロジェクト全体で出品されるNFTは10点のみとなります。
著者の手書き原稿や朗読データ付きなど様々な趣向を凝らして制作した今回のNFT。
オークションにより1ETHで販売されました。
今後のNFT販売はまだ予定していませんが、10周年などの節目でNFT販売する可能性もあるということです。
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