見出し画像

私の鍼灸師匠③ 海老原譲治先生

海老原先生のことは師匠②の記事でもちらっと紹介させていただきましたが鍼灸学校に入学して一番,こころ惹かれた先生でありました。
先生は慶応大学経済学部卒業後に鍼灸師を目指され,私が教わった当時はすでに鎌倉で太兪堂鍼灸院を開業されておられました。

そもそもわが母校の関東鍼灸専門は「易」を中心とした東洋哲学をとても大切にされていた初代学校長の小林三剛先生の志を受け継ぎ,古典を大切にした経絡治療を主軸に「はり灸」実技を徹底的に教えていただく学風でした。
その弟子の中でも白眉だったのが今回ご紹介させていただく海老原先生です。

TAIU治療 海老原譲治先生

なにしろ海老原先生の講義はとてもわかりやすく,しかも深い!噂を聞きつけた他の鍼灸学校に乞われるほどの魅力ある講義でありした。
作詞家 永六輔さんの言葉に「むずかしいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く」がありますが先生の講義は,科学一辺倒の当時の私にはとても新鮮で沁みとおるような内容ですぐさま夢中になりました。
夜学なので昼間はリハビリの仕事をしておりましたが,疲れる体を関鍼校まで運んでも,先生の授業の際は最前列で食い入るようにお話を夢中でお聞きし,そしてつまらぬ質問をさせていただいたこと覚えております。

関鍼校夜間部に入学して数週間後に開催されたオリエンテーションで小林詔司先生と海老原先生を囲んで新入生を中心に感想や抱負など一人一人が発表する機会がありました。
そのころ海老原先生にすっかり心酔していた山しょうは「海老原先生の授業で東洋哲学の凄さに触れさせていただきました。先生の授業が受けられただけで入学金の半分は元を取った思いです!」と生意気なスピーチして生徒は大爆笑,小林・海老原両先生が苦笑されていたのを思い出します。

ちなみに海老原先生は関鍼校の教科書「東洋医学講座第一巻」の編者としても知られております。

それから時代は流れになられて30年。
最先端?の現代医学現場を経験した山しょうが改めて鍼灸を見直したときに「一番しっくりした」,と言うより私がぼんやりながら思い描いていた理想の鍼灸治療と,海老原先生が長年の鍼灸臨床の中でたどり着かれたTAIU治療とが私の中でぴったりと重なりました。

余りのご無沙汰に,恐れ多く,きっと忘れられてるという思いが頭を駆け巡り,たぶんご迷惑だろうし・・・・などとという悲観的な思いも巡らせながら先生に直接連絡を取れずにおりました。
煩悶しながらも遠巻きに積聚センターに問い合わせなどするうちに積聚会の方のご厚意もあり,意を決して海老原先生にメールしたのが2022年8月でした。
この背中ドンも,何やら詔司先生のお力もいただいたようにも手前勝手ながら思っております。(;'∀')

その緊張したメールに海老原先生からご返信いただけ,話は急展開でお会いしていただくこととなりました。
こうなりますと山しょうも必死で,海老原先生の気が変わらぬうちにと9月初旬に秋葉原のTAIU鍼灸院をお尋ねし数十年ぶりに海老原先生のお会いすることができました。

30年以上の年月が経っておりましたが先生はちっともお変わりなく(というか30年前も年齢不詳の仙人のようなお方でした。(;^_^A)
昔話などさせていただき,積年の思いを伝えられる機会を得ることができました。
そして勿体なくも,なななんとTAIU治療の虎の巻とも言うべき資料まで進呈いただき,喜び・驚きそして最大級の感激をしながら読みふけったものです。
そして今はそのTAIU治療をしっかりとできるよう修行中であります。
それじゃ また (^▽^)/


秋葉原の鍼灸院TAIU


この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはお灸普及の活動費に使わせていただきます!