【転職】

転職というか、派遣先から正社員のお誘いがあったため、正社員になることにした話。

私は大学を卒業と同時に正社員としてとある事務所に就職した。
余談だが、大学の単位と卒論が3年前期で終わってしまった為、同じ事務所で半年間バイトさせてもらっていたのであまり新入社員という歓迎はされなかった。

元々あまり大きな事務所ではなく、一人前になるまでは丁稚奉公的な考え方の強い職種であったため、ブラック的な働き方だったことと、パチンコで食っていけるのではないかという自由業への憧れみたいなものから、バイト期間も併せて約4年程で退職した。

その後は5年ほどパチンコで食っていけていたが、小規模店舗がどんどん減っていく一方で資本の強い企業が幅を利かせるようになり、勝ちにくくなってきたことから就職する方向に舵を切った。
当然のこととはいえ、履歴書を書いて企業に送っても5年間の空白期間が邪魔をして、一向に就職することはできなかった。
就職活動中もパチンコで収入を立てれていたことと、楽天的な性格も相まって人生が詰みになるような恐怖感は覚えることはなかったが…。

当時はリーマンショックも相まって転職はおろか、大卒でも就職先を探すのが困難な時期でもあった。
どうしたもんかなぁとのんびり考えながら、たまたま電車の中で派遣の広告に目が留まり、ダメ元で派遣会社に登録してみたところ、未経験でもいいよという企業に当たった。
派遣された企業では未経験の上、理系の業務に携わる様になったため、それまでの自分の知識では全くついていけなくなり、基本的な原子記号から改めて勉強した。
日常業務がそれこそ勉強だったし、いくつかの資格を取得するための勉強もやっていた。

日々をなんとかこなすことで必死だったが、そこでの仕事が自分に合っていたことが今でも不思議に思うし、その企業に派遣されなければ私の人生は全く違ったものとなっていただろうと思う。
そういった意味では、転職しやすくなりつつある現在の社会状況は様々な人にとって異なる選択肢や自分の予想していない適性が見つかる可能性が高くなるので良い方向に向かっているのだろうと感じる。
これから就職や転職しようと思っている方には是非、今までとは違う業種についても就職先の候補に挙げていただきたものだ。

初めて派遣された企業で約2年程勤めた後、今回と同じように正社員のお誘いを受けた。
当時は特になにも考えずに二つ返事で了承したのだが、これが間違いの元であった。
業務自体は問題なかったのだが、たまたま上司が異動になって後任が来たのだが、どうも私と反りが合わなかったようで、再雇用の人たちが9割の職場(俗にいう閑職か?)に異動させられることとなった。
折角慣れてきた業務から全く異なる業務に異動になっただけではなく、ある日会社に来たら怪文書(w)が私の机の中に入っていたり、仕事に使う道具を隠されたりといったことが重なって、ストレスが溜まるようになった。

閑職の為、考える時間はたっぷりあり、反撃することも考えたのだが、どうにもならない他人よりも自分自身の考えや行動を変える方が楽だなと判断し、企業を退職することを決めた。
私自身はよくよく考えた上で退職の旨を伝えたのだが、企業側としては急に退職すると言い出したように受け取ってしまい、総務に色々と尋問されることとなった。上司や異動の話、特に怪文書の話は総務まで話が上がっていなかったらしく、怪文書の確認をするなどと言っていたが、もちろん上司は怪文書を捨てていたため、有耶無耶になって終了した(私が怪文書を提出した上司が総務に詰められて慌てている姿は面白かったがw)。
私はというと会社に期待はしていなかったため、既に決めていた次の就職先である派遣企業の従業員規則を読んだり、引っ越しの手続きをしたりと着々と転職の準備を進めていた。
何度か引き留めにあったのだが、当時はまだ精神的に幼く、角が取れていなかったため、それらすべてを振り切った。
しかし、最後に私を引き上げてくれた当時の上司が来て、引き留めにあった際だけは上司に対して申し訳なかったなと感じた。

それからは企業に属することのメリットがあまり感じられなくなった為、派遣会社の正社員(特定派遣と呼ばれるもの)として、各企業に派遣される形態をとっていた。
もちろん、派遣企業に属してはいるものの、派遣企業のイベントや営業担当等には一切の期待はしていなかったし、出席及び利用もしていなかった。

給料自体は低いけれども、生きていくのに困るような給料ではなかったし、60歳くらいまで働けば老後問題としてよく取り上げられる3,000万までは貯蓄できる予定であった。
ではなぜ今回正社員のお誘いを受けたかというと、一番の要因は提示された年収が派遣社員の年収の1.6倍だったことだ。
まさに現金な考え方ではあるものの、今の企業の業務については+αが付属してきたとしても自分の能力でもなんとかなるとの公算がたっていた。
それともう一つ大きな要因として、今の上司が段取りをつけてくれたことにある。
私としては後者の理由が大きいのだが、年収UPの魅力も高く、上司の方を理由の大前提に挙げると偽善みたいで嫌な感じがした為、年収UPの方を先に挙げた次第だ。

元々、今の企業に入った当初から正社員の道があるよと薦めてもらっていたのだが、昔のトラウマ(?)から企業に属したくなかった為、毎回推薦の話がある度にお茶を濁したり、もう少し待ってほしいと回避していた。
しかし、今回は推薦ではなく正社員になるかどうかの判断を迫られた。
YESであれば正社員に、Noであれば(よくて派遣のままか)派遣契約終了かのほぼ二択だったように感じた。
それもあったが、二択の状況まで上司が進めてくれていたことが正社員になる決め手となった。

派遣のままだと60歳近くまで働かなくてはならなかったが、給料が上がることが見込める状況だと、50~55歳の間くらいで予定の3,000万が貯まる計算となる。
この為、〇年働いたら辞めれるなという悪い考えが私の中に発生していることが懸念の一つではある。
今後も派遣のまま働けるかなと思っていたのだが、全く意識していない方向から正社員となることとなってしまった。
仮にブラックな働き方にシフトしていった結果、追い詰められてしまったらまた辞めてしまえばいいと過去の経験から生まれた心の悪魔が囁いておりますが…。

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