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【NJRPG-2ND/シナリオ】フォールス・ウインター#8-B:コールドフィート√B
あらすじ:あ扇動工作により、ニンジャおよび企業間抗争が激化するネオサイタマ。その最中に鷲のニンジャたちをシックスゲイツの罠が絡め取らんとする片や、あの男の小さな野望が動き始める。ハイウェイで過去と対峙するそのとき、彼らは選択を迫られる。
これは「ニンジャスレイヤーTRPG2版」のシステムに対応した、「鷲のニンジャ」がテーマのキャンペーン『フォールス・ウインター』の第8話に該当するサンプルシナリオ記事です。
なお第8話においては、チームが分断され、全く異なる展開をプレイすることになるため、ルートごとに別々のシナリオ記事として公開されます。この記事は第8話のBルートに該当します。
プレイ人数:2~3名
所要時間:8~12時間(オンラインセッション/テキストセッション)
難易度:キャンペーン専用のルールで作成後、7~8シナリオを踏破した程度の強さのPCを想定(成長の壁(1)をそれぞれ2~3つずつ超えている。ジツを2倍でカウントして、能力値合計25~30程度)
キャンペーン全体の背景設定やルート分岐の調整方法などは、別途CPセッティング記事も参考にしてください。
※各ゲーム要素はニンジャスレイヤーTRPG初版で行ったキャンペーン実卓を元に、2版向けへコンバートされたものです。ゲームバランスは現行環境やプレイヤーキャラクターに合わせて都度調整することを推奨します。
関連記事はこちらのマガジンから。
◇本文中に登場する略称
NM:ニンジャマスター → ゲームの進行役。描写などを行う。
PL:プレイヤー → ゲームの参加者。PCを操作する。
PC:プレイヤーキャラクター → ゲーム内の主人公。メインキャラ。
前シナリオ
別ルートのシナリオ
はじめに
このシナリオは『オペレイシヨン・スターゲイト』や『オペレイシヨン・ミッドナイト・クライマックス』で示唆される、プレイヤーキャラクターたちの曖昧な過去とソウカイヤのクレイニアムとの関係性について、彼らが探究心や好奇心を示していた場合に発生することを想定している。あるいは、プレイヤーが自主的にクレイニアムや過去についての調査を申し出てきた場合も、このシナリオに準じたストーリーが展開されるものとして扱う。
彼らが過去に興味を示さなかった場合、あるいはアシッドウルフに従順に従うことに何の疑念も抱かない場合、これは『オペレイシヨン・コールドフィート』というタイトルのシナリオに置き換わり、アマクダリの妨害やサルベージ任務といった全く異なる平凡な内容でプレイすることになる(ただし、キャンペーン全体における、他のルートへの分岐は絶望的になる)。
『コールドフィート』の重要なポイントは、情報制限を受けていたPCが、アシッドウルフ以外のキャラクターから明確に「PCに関する過去の情報を聞くことができる」ということだ。ただしそれが真実かどうかは相変わらず分からないし、実際に過去のPCの身に何が起こったのかはNMからPLへ語るべきではない。ここで得られる情報を踏まえて、最終的に彼らがどういった決断を下すのかによってキャンペーン全体の物語の大分岐が発生する。
マップデータ
このシナリオで使用するマップデータはGoogle スプレッドシートで作成されています。下記からローカルにダウンロードするか、ご自身のアカウントにコピーを作成してGoogle スプレッドシート上で使用してください。
導入(各ルート共通)
ネオサイタマで繰り広げられるソウカイヤとザイバツの暗闘。そして不気味なほど静かなアマクダリ・セクト。その全ての動向に目を光らせるべく、君たちは最早ルーチンワークと化した、この混沌の街の監視についていた。
知ってか、知らずしてか、収集される情報の尽くはネオサイタマにおけるホットスポットや、ソウカイヤ、ザイバツの拠点の特定に利用されている。下界を見下ろす君たちの視線の先でもまた、ひとつのホットスポットで壮絶なイクサが繰り広げられていた……。
このシナリオはアシッドウルフに下される具体的な任務を遂行するというものではなく、単純に平時の作戦行動として、ネオサイタマの情勢に関する諜報を行っている際、突発的インシデントにPCが巻き込まれる偶発的な物語となる。
彼らは日常化したルーティンとして、激化するソウカイヤとザイバツの抗争を監視するうち、その戦闘の余波やシックスゲイツが仕掛けた罠に巻き込まれる形で、予想もしなかった情報を得ることになる。
TIPS:彼らの集積した情報は、ネオサイタマにおけるイクサのホットスポットやウィークポイント、あるいはソウカイヤ、ザイバツ、アマクダリの拠点の特定に利用されている。
このシナリオ時点で、既にPCはひとりひとりが強力なニンジャ戦力に成長している筈だが、前述の理由から各地にソウカイヤ戦力が展開しているため、リスクヘッジとして彼らには最低でもツーマンセルの行動を取ることを求められている。
『コールドフィート』において、NNはPLにチームを2~3人のグループに別れさせ、片方を『√A』に、もう片方を『√B』に配置し、別々のシナリオをプレイさせる。このシナリオ記事は『√B(Bルート)』に配置されたPC向けの内容である。
Bルートにおいて、PCは幾つかの偶然が重なり、ソウカイヤがザイバツに張った罠にかかってしまう。作戦を主導するセキュリティ部門の猛攻をくぐり抜ける中、PCは身元の解析を終えたソウカイ・ニンジャから、彼らの正体に関する疑念を突きつけられる。
一方、AルートのPCらの行動も間接的に情報として伝わり、誰の言葉を信用するのか、何をすべきなのか、決断する必要を迫られる。
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シーン1:彼方の光景(ルートB)
このチームのPCは【ワザマエ】判定と【ニューロン】判定のどちらかで情報収集を行うことができる。このとき難易度HARDとU-HARDのどちらかを選択し、成功した難易度に応じて提示される情報量を変化させる。
■【ワザマエ】判定
◉HARD成功 :ハイウェイで青い残光を残すニンジャが飛び回りながらイクサをしている。君は一瞬だけ彼と目が合ったような気がした。(これは後に襲撃してくるドミナントの存在を仄めかす情報である)
◉U-HARD成功:はるか遠くの摩天楼の上に小さく、装甲服の人影が街並みを俯瞰している様子が見て取れる。こちらに気がついているのかどうかは定かではない。いずれにせよ、遥かに遠くだ。(これは後にハイウェイで襲撃してくるミュルミドンの存在を仄めかす情報である)
■【ニューロン】判定
◉HARD成功 :周辺の屋上で忙しない生体反応の動きを感じる。何か事件が起きているのか、あるいは何らかのイクサが起ころうとする前触れなのか……。
◉U-HARD成功:今まさに、ビルを蹴り上がり屋上へ到達しようとするニンジャの存在を感じる。その気配からしてニンジャ野伏力が高いことが伺える。
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ザイバツとの遭遇
「な……にッ?!」そのニンジャの野伏力は侮れないものであったが、逆については決して優れているとは言えなかった。狙撃銃を背負った迷彩ニンジャが壁を蹴り、君たちが居る屋上へとエントリーする。「バカな!待ち伏せ……だと……!」
先の判定をPC全員が終えたとき、このイベントを発生させる。イクサの様子を監視していたPCたちのもとへ、全くの偶然、ザイバツの狙撃ニンジャが現れるのだ。見晴らしのいい場所は当然、狙撃にも適したポイントだという理論である。
狙撃ニンジャ、ファイアコマンドはこの狙撃地点に現れた時点で、予想外の接敵に大きく動揺してしまっている。そのためNMは実際に戦闘を発生させず、RP描写だけでこのニンジャを爆発四散させても構わない。ただし彼はそのニンジャネームが暗に示唆する通り、死亡すると凄まじい爆発を起こし、周囲にその存在を知らしめてしまう。
◇NPCデータ:ファイアコマンド
ザイバツニンジャ。古式ゆかしい狙撃銃と倍率可変のハイテックスコープメンポ、2つを合わせて得物とする。遠近戦闘を同時にこなすアサルト・ドーの使い手。
ネオサイタマに配置され、ソウカイヤとの抗争に明け暮れている。
「それは貴様らの知ることではない!」
◆ファイアコマンド(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 4
ニューロン 8 精神力 9
ワザマエ 6 脚力 3
ジツ 0 万札 10
近接攻撃D:3、射撃D:8、回避D:9
◇装備やスキル
装備 :『迷彩ニンジャ装束(回避D+1、イニシ+2)』、『スコープメンポ(射撃D+2)』
『ミハル・スナイパーカスタム』、『タツジン・ロングバレル』、『バースト・ユニット』
『ミハル・ドットサイト』、『オノミチ・タツジン・スコープ』
サイバネ:『▶クロームハートLv1』、『▷自爆装置』
スキル :『◉シャープシューター』、『◉ウィークポイント射撃』
飽和クローンヤクザ射撃
「ザッ!」「ケンナ!」「コラーッ!!!」突如として屋上にクローンヤクザ部隊展開!それだけではない、君たちが行く先……路地裏、屋上、室内、あらゆる場所から伏兵クローンヤクザが現れ銃撃を浴びせてくる!
ファイアコマンドの爆発四散をトリガーとして(あるいはそれを追跡して)、PCの周囲あるいは移動する先々には後述のニンジャ、オグナンジェが召喚するクローンヤクザ部隊が次々と現れ、マシンガンやバズーカでPCを襲撃してくる。
これらは執拗に屋上にだけ出現するため、襲撃を捌くPCたちは否応なしにビルの下、すなわち路地裏へと追い込まれてしまう(これは監視カメラ映像など、電子監視網を経由して視認した場所へ部隊を送り込んでいるからだ)。
◆クローンヤクザY-12型 (種別:モータル/バイオ生物/ヤクザ)
カラテ 2 体力 1
ニューロン 2 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ - 万札 0
近接攻撃D:2、射撃D:3
◇装備や特記事項
いずれかひとつ
チャカ・ガン:遠隔武器、連射1、ダメージ1
バズーカ :小銃、ランチャー、カトンLv2、射撃:HARD
マシンガン :小銃、自動火器、1ダメージ、射撃:NORMAL、連射3
◇襲い来るクローンヤクザ包囲網(ミニゲーム・ルール)
このシーンにおいてPCはビルからビルへと飛び移るなどして逃走しながら、襲い来るクローンヤクザに対処しなくてはならない。これは簡略化された戦闘として、次のルールに従って処理する。
1:毎ターン、10体のクローンヤクザY-12型が追加でPOPする。
2:各PCは自身の手番で「近接攻撃判定/射撃判定/発動判定」のいずれかを選択し、難易度NORMALで判定する。判定に成功した場合、その出目に応じた数のクローンヤクザを倒すことができる。ただし、2ターン連続で同じ判定を選ぶことはできない。
判定に成功 :1体
出目【6】で成功 :2体
出目【6,6】で成功 :4体
出目【6,6,6】で成功:5体
3:この判定は、ダイスを分割して複数回行っても良い。分割の上限はそれぞれ「連続攻撃X/連射X/ニューロンの壁突破数」に依存する。例外的に、「●マルチターゲット」を持つ射撃武器やジツを有している場合、理論上の最大攻撃可能人数分が分割数の上限となる。
4:出目に応じたクローンヤクザの殺害数は、分割した判定ごとにカウントされる。(例:「●連続攻撃2」を持つPCが攻撃ダイスを4,4に分割してカラテで攻撃する。ロール結果は【1,2,5,5】と【3,6,5,5】
だったので、この攻撃で倒した敵の数は1+4=5体となる。)
5:全てのPCが攻撃判定を行った後、生き残ったクローンヤクザはなるべく均等に攻撃対象をバラけさせ射撃を行う。この一連の判定は合計で3セット(≒3ターン)繰り返される。
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シーン2:ゴンベモンの甘言
次々と"どこかから"展開される重武装のクローンヤクザ部隊。それらは執拗に屋上にだけ出現し、襲撃を捌く君たちは否応なしに……あるいは無意識にかビルの下、すなわち路地裏へと追いやられていた。
猥雑なネオン看板がギラつく路地裏……不気味なほどの静寂……そして「ホホホホ!ザイバツかと思いきや、面白い方々が網に掛かったようですね」
クローンヤクザ部隊の襲撃を退けるPCたちは、執拗に屋上や建物内部にPOPして攻撃を仕掛けてくる相手の戦術から、否応なしに眼下の路地裏に追い込まれてしまう。
途端、急に攻撃の手が止んだかと思うと、彼らの前には奇妙な様子のクローンヤクザが現れる。これはネット・セキュリティ部門のニンジャ、ウォーロックのフドウ・ノリウツリ・ジツによる傀儡である。ウォーロックはゴンベモンと名乗り、ソウカイヤの所属であることを隠しながら「私と共にネオサイタマの勢力図を塗り替えませんか?」とPCを自らの手駒に引き入れようとしてくる。もちろんPCはこの誘いには乗らないだろう。
TIPS:『オペレイシヨン・スターゲイト』の結果、ダイダロスが爆発四散ないし重症に陥り一線を引いていた場合、ウォーロックはこの時点で新たなソウカイ・シックスゲイツとして昇格している。
ウォーロックはダイダロスやオグナンジェが『オペレイシヨン・スターゲイト』で手に入れた情報や、クレイニアムが秘密裏に進める作戦の気配、そして先程の「クローンヤクザ包囲網」を易々と突破できるPCのカラテ、その全てを総合的に勘定し、彼らは"使える"と判断している。
ルートAでも示されているように、本来ウォーロックがニンジャスレイヤー・トリロジーで手駒にしていたニンジャの多くはビクターの手によって奪われてしまっており、その野望を成就させるには圧倒的に手数が足りていない状況なのだ。
彼は"偶然と誤解による事故"で起きた襲撃について謝罪しつつ、ニンジャ組織の内情に詳しい自分と組んで、ソウカイヤを乗っ取らないか?と持ちかけてくる。
◇オグナンジェの罠:圧殺包囲網
ゴンベモンは爆発四散、ではクローンヤクザを送り込んできていた"アシスタント"は?『そのとおり!』路地裏の、分かれ道の先々のいずれもから"アシスタント"の声が響く。
『エー、ではウォーロック=サンに代わりましてですねぇ、私がお相手します』 『イディオット!その名前は出すなと言ったでしょう!』『……そうでしたっけ?』『イディオーット!』
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![](https://assets.st-note.com/img/1680364162032-KIKVWnN5IL.png?width=800)
誘いを断った場合、クローンヤクザに憑依したウォーロックは自爆するなどし、代わりに"アシスタント"として働かされているオグナンジェが召喚するデストロヤクザ部隊が次々と現れ、PCを抹殺しようと襲撃してくる。
現れるクローンヤクザのスーツにはボディカメラとスピーカーマイクが取り付けられており、そこからはオグナンジェのアイサツと煽りが響いてくる。
TIPS:戦闘開始前に、マップへPC人数の2~3倍程度のクローンヤクザを配置しておくことで、気の抜けたアトモスフィアに反して状況が逼迫していることを演出しやすくなる。戦闘スタイルにも依存するが、この段階のPCであれば多少のクローンヤクザは一瞬で蹴散らせるようになっているはずだ。
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◇NPCデータ:オグナンジェ
オグナンジェはクローンヤクザのスピーカーマイクを経由してPCを挑発しつつも、まずは大量のデストロヤクザを送り込んでPCを圧殺しようとする。これは時間稼ぎでもあり、NMはターンの進行に応じてボスニンジャのPOPなどのイベントを挿入する。
オグナンジェはコメディリリーフ的なとぼけたキャラクターであり、自身が直接イクサ場に赴かないこともあって全体的に緊張感が欠けている。彼女が恐れるのは失態によるケジメあるいは叱咤であり、現在はウォーロックの温い陰謀に付き合っているが、ダイダロスやクレイニアムなど上級ニンジャの介入があると萎縮してその指示に絶対的に従うようになる。
またこれは後半におけるシリアスな展開への前フリとして機能させる意味ありもあり、NMはNPCをうまく利用して物語の温度感にメリハリをつけることが望ましい。
『エー、只今、皆さんの情報をですね、ソウカイネットの蓄積データ内で適当に総当りしています。なので、エー、顔をカメラの方に』
『此方ジゴク行きの片道切符でございまーす。帰りは徒歩でヨロシク』
◆オグナンジェ(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 13 精神力 19
ワザマエ 5 脚力 2
ジツ 5 万札 50
近接攻撃D:3、射撃D:4、回避D:13
◇装備やスキル
スキル :『●時間差』、『●マルチターゲット』、『●ニンジャ第六感』
『◉kill_9』、『◉戦略視界ナビ』
『◉ニューロンブースト』、『◉◉グレーター級ソウルの力』
装備 :『パーソナルメンポ』、『退廃的ニンジャ装束(効果なし)』
『退廃的アジト&巨大ザゼンドリンク冷蔵庫』
『★チェンジリング・ジツ』:
手番開始時に【精神力】を1消費して発動する(難易度HARD、瞬時)。
生物を1体選択し、選択した別の生物と位置を入れ替える(戦闘兵器など無機物は対象外)。
それぞれの対象は術者が肉眼もしくは電子的に視認できるキャラでなくてはならない。
このジツは同じ対象についてシナリオ中1回までしか使用できない。
『●クローンヤクザ軍団転送』:
手番開始時に【精神力】3を消費し、難易度HARDで発動判定を行う(瞬時)。
成功した場合、監視中のマップに3体までの「廉価版デストロヤクザ」をPOPさせてもよい。
あるいは術者が望むなら、代わりに3体までの「クローンヤクザ」をPOPさせてもよい。
このとき【精力】を追加で2消費することで、さらに3体の「クローンヤクザ」をPOPさせる。
『★ミガワリ・ジツ』:
術者もしくは味方がダメージを受ける時、【精神力】を3消費し難易度U-HARDで発動判定を行う。
成功した場合、その肉体は即座に泥のように分解し、受けるはずだったダメージを無効化する。
このとき術者が視認できる他のキャラと即座に位置を入れ替えるかマップから除外しても構わない。
攻撃者にまだ攻撃回数が残っていたとしても、攻撃フェイズは強制的に中断する。
『●ブレイクタイム』:
オグナンジェは『その他の行動』として席を外し、小休憩を取ることができる。
このときD3+1の【精神力】を回復するが、D3の出目が3の場合は薬物の過剰摂取の副作用により
次の手番に行動できなくなる。
◇NPCデータ:廉価版デストロヤクザ
オグナンジェは毎ターンこの自爆特攻ヤクザを召喚し、飽和爆撃を仕掛けてくる。ただしこのデストロヤクザは廉価版であり、プラスチック・バクチクを体内ではなく直接体に巻きつけている。
これにより、廉価版デストロヤクザに隣接するPCは手番終了時の瞬時の行動として【ワザマエ】判定(難易度:HARD)を行い、論理トリガーに繋がるケーブルを切断し、『自爆攻撃』を無効化することができる。この判定は「連続攻撃」のように分割し、接触している複数のキャラに対して行っても良い。
TIPS:すべてのデストロヤクザの自爆トリガーはオグナンジェによって掌握されているため、NMが望むなら「自爆させない」ことや「オグナンジェの手番で起爆する」ことも可能なものとして扱うことができる。
◆廉価版デストロヤクザ(種別:モータル/バイオ生物/ヤクザ)
カラテ 2 体力 2
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ ー 万札 0
近接D:2、射撃D:3
◇装備や特記事項
ノーカスタム・チャカガン:『遠隔武器』、『ダメージ1』
『自爆攻撃』:
デストロヤクザは手番中に敵と重なるような位置で移動を終了することができる。
この場合、手番終了時にそのデストロヤクザをマップから取り除き(死亡扱い)、
直前までいたマスを中心として『カトン・ジツLv3』と同等の爆発を発生させること。
敵の『遠隔攻撃』によって死亡した場合も、直ちにこの爆発が発生してしまう。
『遠隔起爆』:
このキャラのプラスチック・バクチクの論理トリガーはオグナンジェによって掌握されている。
敵の『近接攻撃』や『滑空攻撃』などの分類不可の攻撃で死亡した場合も、『自爆攻撃』が発生する。
『全力疾走』:
手番中に移動のみを行うことにした場合、
【脚力】の2倍までのマス数を移動できる(ナナメ不可)。
『全力疾走』を行った手番でも『自爆攻撃』は可能。
◇NPCデータ:ベイルファイア
デストロヤクザに混じり、オグナンジェはソウカイニンジャのベイルファイアを送り込む。彼は2ターン目の開始時にステルス状態でPOPし、デストロヤクザが爆発した瞬間に現れ、大立ち回りをするPCへアンブッシュを仕掛けてくるように演出される。
NMはこの路地裏シーンのクリア条件として、3ターンを凌ぎ切り、なおかつベイルファイアを爆発四散させる、ことを提示する。
「 貴様を殺す」
◇ベイルファイア(種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 7
ニューロン 6 精神力 7
ワザマエ 8 脚力 5
ジツ 5 万札 25
近接攻撃D:8、精密D:9、射撃D:8、回避D:9
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『◉◉タツジン:イアイドー』
『◉ツジギリ』、『◉◉グレーター級ソウルの力』、『☆◉発火能力者』
ジツ :『★カトン・エンハンス』
装備 :『パーソナルメンポ』、『タクティカル・ニンジャスーツ』
武器 :『ニンジャソード(カタナ)』
『★カトン・ウェイブ』:
体から吹き出す炎を刃に伝わせ、火炎放射器めいた炎の斬撃を繰り出す。
手番の攻撃フェイズ開始時、「カトン・ジツLV2」を【精神力】消費なしで発動できる。
その後、ベイルファイアは通常通り攻撃を行うことができる。
『ステルス・アンブッシュ』:
ベイルファイアはステルス機構付きのニンジャ装束を着用している。
POP時、任意のマスに『出現』し『●ステルス・アンブッシュ』を繰り出すことができる。
この効果は1シナリオ中1回までしか使用できない。
NMが望むならば、ベイルファイア以外にクローンヤクザなどのモブが存在する限り、『乱戦』のルールが適用されるものとしても構わない(そうしない限り、ベイルファイアは2回目の行動手番を待たずに爆発四散してしまう)。
また彼をさらに強化したい場合は、火炎ダメージを与える『★カラテ・バリア』をもたせると良いだろう。
◇NPCデータ:オブリヴィオン
オブリヴィオンはこのシーンに登場する可能性のあるオプション的なボス・キャラクターであり、危険な暗殺ニンジャである。NMはPCがあまりにも強すぎる場合にのみ、ベイルファイアに加えてこのニンジャをPOPさせる。
「任せておけ。殺る!おれのディスインテグレイト・ツカミは必殺だ!」
◆オブリヴィオン(種別:ニンジャ)
カラテ 9 体力 9
ニューロン 6 精神力 11
ワザマエ 7 脚力 5
ジツ 5 万札 25
近接攻撃D:11、射撃D:8、回避D:12、発動D:17
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『◉◉タツジン:ジュー・ジツ』
『◉◉グレーター級ソウルの力』
装備 :『朱色のニンジャ装束(回避ダイス+1)』
サイバネ:『▶生体LAN端子』、『▶▶テッコLv2』、『▷▷ジツ支援サイバネ』
『★★ディスインテグレイト・ツカミ』:
術者は自身が拘束者の『拘束状態』を、自身の手番開始フェイズに解除するとき、
【精神力】2を消費してこのジツを発動してもよい(難易度U-HARD)。
成功したとき、拘束対象へD3+1で判定する特殊な『サツバツ!』ダメージを与える。
出目【6,6】:これは『装甲貫通1』となる。
出目【6,6,6】:これは『装甲貫通2』となる。
また次の特殊な素手の戦闘スタイルが使用可能となる。
『●戦闘スタイル:ディスインテグレイト・ツカミ』:
この近接攻撃は『回避難易度HARD』の『拘束攻撃』となる。
これにより敵の拘束に成功した場合、使用者は即座に『拘束状態』を解除する代わりに、
『★★ディスインテグレイト・ツカミ』を発動しても良い。
![](https://assets.st-note.com/img/1680366424493-vgDIgMZSCo.png?width=800)
シーン3:ソウカイヤ機械化強襲部隊
![](https://assets.st-note.com/img/1680365962824-wnMJ0QRFuQ.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1680365983074-nyxu8L4S4B.png?width=800)
飽和攻撃を受けるPCは、この場所ではオグナンジェによる絶え間ない攻撃にさらされジリー・プアーな状況であることを悟る。オグナンジェは電子的な監視を介して、おそらくは増援を無限に送り込むことが可能であり、相手の視界から逃れるには動き続けなくてはならない。
彼らに残された脱出経路は、シーン1で把握していた、ハイウェイの車両を伝って高速で移動してオグナンジェの視界から逃れることである。
このシーンはシーン2の襲撃から逃れ、ハイウェイの車両の屋根に着地した時点から開始となる。1体以上のニンジャを爆発四散させたとき(もしくはNMの任意のタイミングで)、次のシーンへと進行する。
なお、このシーンにおけるソウカイヤとの戦闘では『乱戦』のルールが適用される。
◇ハイウェイでの特殊な行動ルール
1:「弾き飛ばし」による移動距離は6マスを上限とする。途中に「車両」や「壁」があった場合、侵入もしくは接触時点で移動が停止する(激突)。
2:「路面」マスは移動困難な地形とみなされ、次の特殊なルールを持つ。
・ビークル搭乗中は「路面」マスから何の影響も受けず、さらに以下のすべてのペナルティを無視する。
・「路面」マスに停止するとき、即座に【ワザマエ】判定(難易度:HARD)を行う。失敗した場合、「路面」に落下or激突した(あるいは後続車両などに追突された)として1ダメージを受ける(軽減不可)。
・ビークル搭乗中を除き、「路面」マス上では「崩れ状態」かつ「能動判定難易度+1」のペナルティを受ける。
◇NPCデータ:ミュルミドン
車両に乗って逃走を試みるPCを最初に襲撃してくるのはミュルミドンだ。ミュルミドンはアーマーサイクルで距離を取りながら、車両の上を移動するPCを一方的にスリケンで攻撃してくる。
必要であれば、ミュルミドンはモーターサイクルから飛び出して車両上でカラテを交えたり、あるいはそこから路面へと飛び戻ってモーターサイクルに再騎乗することもできる。
ミュルミドンはこの戦闘においてダメージギミックに近い存在であり、『ダメージ軽減1』の所持も含め、PCに倒されることは想定されていない。
「貴様は逃げおおせる事はできん。ソウカイヤに楯突く行為がいかなる罰を招くか。貴様はこれから知る事になる」
◆ミュルミドン (種別:ニンジャ)
カラテ 10 体力 15
ニューロン 7 精神力 8
ワザマエ 8 脚力 5/N
ジツ 1 万札 20
近接攻撃D:10、射撃D:13、回避D:10
◇装備や特記事項
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉疾駆』、『◉突撃』、『◉ツジギリ』、『☆謎めいたニンジャソウル』
装備 :『近代的ヘヴィニンジャスーツ一式』、『カタナ』、『バクチク・グレネード』
サイバネ:『▶︎生体LAN端子LV1』、『▶︎サイバネアイLV1』
『インテリジェント・モーターサイクル"シロイ"』:
ミュルミドンは基本的に「シロイ」に騎乗した状態でマップに配置される。
『ダメージ軽減1』、【脚力】14、『轢殺攻撃2』、移動スタイル使用不可。
『サツバツ!』の付属効果を受けた場合、ミュルミドンはシロイから叩き落とされたことになる。
※騎乗による行動難易度の増加なし
『●行動パターン解析プログラム』:
手番開始時に【精神力】1を消費し、射線の通っている敵1体を選択する(瞬時)。
その後、次の手番まで対象からのあらゆる攻撃の回避難易度は-1される。
『●休む暇など与えぬぞ!』:
ミュルミドンの視界内で消耗品を使用した敵は次の手番まで「崩れ状態」となる。
『ディスク・スリケン(特殊弾/リチャージ2)』:
無数のカミソリ刃を備えたワイヤーアンカーを射出するチャクラム状特殊スリケン。
この射撃は『回避難易度+1』となり、命中した対象は拘束者のいない『拘束状態』となる。
◇NPCデータ:ドミナント
ミュルミドンと同時に登場するのは、極めて強力なニンジャ、ドミナントだ。彼はニンジャスレイヤー・トリロジーで登場した時点よりも鍛錬を積み、遥かに成長しており、よりパワフルで危険なカラテでPCに襲いかかる。
「弱体者がイキがったところで滑稽なだけだ」 // 「貴様の胡乱なカラテの底はとうに割れておる……格の違いをジゴクで嘆くがいい」
◆ドミナント(種別:ニンジャ)
カラテ 11 体力 12
ニューロン 8 精神力 16
ワザマエ 12 脚力 6/N
ジツ 6 万札 50
近接攻撃D:素手11/エメイシ15、射撃D:12、回避D:14
◇装備やスキル
装備 :『伝統的ニンジャ礼装一式』
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉スリケン急所破壊』、『◉タクティカル移動射撃』
『◉◉タツジン:アサシネイト・ドー』、『◉◉グレーター級ソウルの力』
『★レッサー・ブンシン・ジツ』、『★★ブンシン・ジツ』
『☆エンハンスメント・ジツ』
『*エメイシ*(エンハンスメント・ジツ適用済み)』:
『連続攻撃+1』、『無属性ダメージボーナス+1』、『攻撃ダイス+3』のアサシンダガーとみなす。
『●射撃スタイル:エメイシ投擲』:
このスリケン射撃は『無属性ダメージボーナス+1』かつ『射撃ダイス+6』となる。
『★エメイシ・バックスタブ』:
手番開始時に【精神力】を2消費し発動。この手番のみ、「連射-1」となるが
『エメイシ投擲』→『近接攻撃(素手)』→『エメイシ投擲』と行動することができる。
2回目の『エメイシ投擲』は敵の背後から襲い来るため、
隣接する敵にも射撃可能であり、回避難易度が+1される。
『◉ヒサツ・ワザ:ヘルホイール・クルマ』:
『カウンターカラテ』系のヒサツ・ワザ。この『カウンターカラテ』が命中したとき
敵の攻撃フェイズを強制的に中断し、自身を中心とした5x5の範囲内の任意の場所に叩きつける。
この激突は対象に「D3ダメージ」と「回避ダイスダメージ2」を与える。
回避難易度U-HARD。
◇NPCデータ:デビルフィッシュ
PCが極めて強力な場合、さらにデビルフィッシュを登場させる。このとき「ミュルミドンのバイクに搭乗して現れる」、「オグナンジェのジツで車両の運転手と入れ替わって現れる」など幾つかのPOP手段が想定され、NMは任意のタイミングで自由な場所へ彼を出現させて構わない。
デビルフィッシュは基本的にPCからできる限り距離を取り、PC全員に「連射6」を均等に割り振って攻撃する。これにより、全てのPCがスリケン射撃によるプレッシャーを受けながら、ミュルミドンに足止めを受けるPC、ドミナントとのイッキウチを強いられるPCと、全員が緊張感を持ったままイクサに挑めるようになる(当然ながら、熟練のソウカイ・ニンジャたちは油断したPCがいれば的確にそこを突いてくる)。
「この俺の支配する領域で、お前に勝ち目は無い!イカニンジャ・クランの恐ろしさを思い知るがいい!」
◆デビルフィッシュ(種別:ニンジャ/重サイバネ)
カラテ 6 体力 11
ニューロン 7 精神力 6
ワザマエ 9 脚力 6
ジツ 3 万札 25
近接攻撃D:6、射撃D:12、回避D:10
◇装備やスキル
スキル :『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉◉タツジン:スリケン』、『◉シャープシューター』、『◉スリケンの見切り』
『◉重サイバネ化』
『☆イカ・ニンジャクラン(【ワザマエ】D+3)』
サイバネ:『▶▶生体LAN端子Lv2』
『▶︎▶︎▶︎▶︎イカ・フレーム』:
【体力】+3、【精神力】+2、『連続側転難易度-1』
『●射撃スタイル:スリケンアーム射撃』:
このスリケン射撃は『連射+4』となる。時間差可。マルチターゲット可。
『●射撃スタイル:スリケン弾幕射撃』
このスリケン射撃は『連射+8』かつ『時間差不可』となる。
代わりに『弾幕発生』のルールと適用することができる。
◇オプション:増援のPOP・生死のコントロール
「グッ……!ヌ……!」ドミナントの玉虫色の装束が炎に包まれる。もはや回避手段なし!その肉体は炎に崩壊し……消し炭に……否。決してそれは、彼に対するトドメによるものではない。ドミナントは……爆発四散していない!
一度見た、故に分かる。オグナンジェがベイルファイアを出現させたのと逆の事象が起こったのだ…!
この戦闘では、シーン2から引き続きオグナンジェの電子的な監視が行われている。そのため、NMは彼女がジツを行使したものとして、次のイベントを自由に引き起こし、難易度やストーリー展開を調整することができる。
クローン増援のPOP:周囲の車両ドライバーをクローンヤクザと"チェンジリング"し、PCが足場にしている車両へ体当りさせたり、マシンガン掃射で攻撃させたりする。
ニンジャ増援のPOP:デビルフィッシュと同様に、周囲の車両の中にPOPさせたり、あるいは画面外からバイクドライバーと"チェンジリング"した状態でPOPさせることができる。後者の場合、モーターサイクルに騎乗している状態として扱う。
ニンジャの救出:登場したボス級の敵が爆発四散する状況に陥ったとき、オグナンジェの「★ミガワリ・ジツ」が発動し、爆発四散するかわりにマップから救出される。ドミナントやミュルミドンはこの対象としておくことで、『クレイニアム・ルート』における強い味方やライバルNPCとしての役割をもたせやすい。
![](https://assets.st-note.com/img/1680363752492-HldJPRUSZy.png?width=800)
シーン4:問答
デビルフィッシュの出現により、イクサは再び2対3の形式を取り戻す否、先程のデビルフィッシュの出現は間違いなくオグナンジェの仕業であろうつまり、3対3だ。厄介な事態になった……!
その時、ミュルミドンは何らかのIRC通信を受ける。『オグナンジェ=サン?まだ追撃中だ、分かっているだろう。増援をよこせ。ヤクザ分隊による検問を張るのだ……なに……?』ミュルミドンは訝しげな声を出し、君たちに目線をくれた。『どういうことだ…?既に死んでいるニンジャ、だと?』
1体以上のニンジャを爆発四散させたとき(もしくはNMの任意のタイミングで)、このイベントシーンが発生する。シーン2から始まるオグナンジェのソウカイネット情報検索、そしてミュルミドンの行動パターン解析の情報が噛み合い、PCの正体が明らかとなるのだ。
『現行ソウカイ・シックスゲイツ、クレイニアム=サンの部下』『威力偵察任務にて、未知の適正存在と相討ちにて爆発四散』「……死亡工作。あるいは、改ざん?有りえぬ。ダイダロス=サンが保持していたデータベースだ」ミュルミドンは呟く。しかしいずれもが、奇妙で、君たちのニューロンを打ち付ける。いまこのニンジャは何と言ったのだ?
オグナンジェの情報を受け取ったニンジャ(あるいはスピーカー音声越しのオグナンジェ本人)は、ソウカイネットに記録されている次のような情報を提示し、些か困惑した状態で膠着状態に陥る。
*真のニンジャネーム:ソウカイネットにはPC全員が秘匿している真のニンジャネームを始めとした、基本情報のすべてが記録されている。それは現在の彼らの戦闘パターンや外見特徴などと合致する。
*情報:PCら全員はソウカイニンジャであり、クレイニアムの部下だった。ネオサイタマにおける正体不明の活動痕跡の調査に向かわせられた後、PC全員のIRC通信が途絶えた。現場には[ PC合計人数+1 ]の爆発四散痕があり、ソウカイ・ネット上では相討ちによってPC全員が爆発四散したと記録されている。
PCがこれに反発し、あくまでも戦闘を続行しようとするのであれば、ソウカイヤの機械化強襲部隊は組織の敵として彼らを引き続き殲滅しようとする。
しかし譲歩の余地が見られるのであれば、彼らはPCに投降するよう勧告する。何らかの事情があるならば、その背景情報を引き出すべきだと考えるのだ。場合によっては、オグナンジェが「PCは密かにクレイニアムが探していたニンジャだ」という情報を漏らしてしまい、機械化強襲部隊は彼女の前にPCを引きずり出すことを目的とする(あるいは彼女を呼び寄せる)可能性がある。
ソウカイヤとの停戦が合意に至るか、戦闘が決着を迎えたとき、次のシーンへと進行する。
TIPS:もしダイダロスが『オペレイシヨン・スターゲイト』を経てなお活動可能な状態だった場合、『★◉リモートビジネス』によってこの場に現れ、上記の情報を告げる役割を担う。
このとき、ダイダロスはより説得力のある詳細な情報を持っており、不審な通信遮断が起きている「ルートA」側の状況もツェッペリンなどの空撮映像から把握している可能性が高い。
彼はPC側に(自覚がなくとも)何らかの事情があることをほぼ確信しており、『オペレイシヨン・スターゲイト』での暗殺未遂は水に流すとしながらも、お互いのために停戦して情報交換をすべきだ……クレイニアムと引き合わせる……とかなり寛大な提案を持ちかける。
![](https://assets.st-note.com/img/1680364906441-AGm8LmeQQM.png?width=800)
シーン5:介入あるいは撤収
その瞬間!青いラインに囲まれたハイウェイ路面が突如として回転扉めいた機構に変化し、凄まじい勢いで回転すると共にミュルミドンのアーマーサイクルはおろか、君たちが乗る車両を宙へと跳ね上げた!
機械化強襲部隊を完全に退けたとき、あるいはNMの任意のタイミングで襲撃イベントは中断される。ここではAチームの選択や、ソウカイヤとのイクサの決着、また過去のシナリオの成果に応じて若干の展開が変わる。
基本となる展開:アシッドウルフからノイズ塗れのIRC通信が入り、現行の通信回線を破棄し、"増援"と合流して指定の座標(何らかの位置が伝えられる)に向かうよう命じられる。遠距離からの狙撃支援が始まると同時に、後述のニンジャ、ライトニンググローブとメガヒンジがその場に介入し、PCがアシッドウルフに指定された地点へと移動するのを支援する。
ライトニンググローブにガイドされ、潜伏先へと移動するシーンの最中、シナリオは終了する。
AルートのPCがビクターに敵対した場合:アシッドウルフはIRC通信の際、既にビクターから報告を受けており、AルートのPCが離反した(あるいはそれに準ずる行動を取った)ことをBルートにPCへ伝える。また接触を避けるように言い含める。
ソウカイヤとの停戦に合意した場合:アシッドウルフからの通信の前に、狙撃によるソウカイヤへの攻撃が始まる。次いでアシッドウルフから連絡が入り、選択を誤るなと警告を受けた後、基本展開通りの指示を受ける。ただし、指定の座標の情報は与えられず、潜伏先へはライトニンググローブの誘導に従うことでしか辿り着けない。
PCは「着いて来い!」と促すソウカイ・ニンジャと共に、その場を去るのか、アシッドウルフの指示に従うのか、瞬時に決断する必要がある。
ダイダロスが介入していた場合:ダイダロスはアシッドウルフのIRC通信をジャミングし、PCに情報が伝わらないように妨害を行う。同時に、遠方のビルから狙撃ニンジャが監視をしていると、狙撃支援が始まる前にPCへ情報を伝える。
ニューロサージが生存していた場合:ニューロサージが『オペレイシヨン・ミッドナイト・クライマックス』で生存していた場合、彼女がメイライから抽出した情報をもとに、アマクダリは旧軍事施設の情報を洗い出し、ソード山脈に隠された"ブラックサイト"の位置を探り当てている。これにより、『コールドフィート』と並行してアマクダリのハタモトによる襲撃が発生し、基本展開のとおりアシッドウルフからIRC連絡こそ入るものの、それはノイズ塗れで不明瞭であり、最低限の情報を伝えるとすぐに通信途絶状態となってしまう。
◇NPCデータ:ライトニンググローブ
"腕"のニンジャであるブルームキャットに従うストリートニンジャ。ジツにより稲妻を拳に纏う武闘派のニンジャで、かつては相棒のメガヒンジと共に連続銀行強盗を行っていた。ソウカイヤに狩られるところをブルームキャットに救われ、その恩義を返すため彼女に協力している。
彼はアシッドウルフの存在や目的などは何も知らず、ただアシッドウルフの部下であるブルームキャットの仲間としてPCの伝令・誘導役に現れる。そのため、仮にPCがソウカイヤ側に着いていくことを選択したとしても、困惑するだけで追撃や敵対はしない。
「絞首刑にでも処されてる気分だぜ……」「クソッタレが!死ね!」
◆ライトニンググローブ(種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 11
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 6 脚力 4
ジツ 3 万札 25
近接攻撃D:9、射撃D:6、回避D:10
◇装備やスキル
装備 :『伝統的ニンジャ装束』、『ニンジャレガース』
スキル :『●連続攻撃2』、『◉一瞬の勝機』、『◉滅多打ち』、『◉頑強なる肉体』
サイバネ :『▶テッコ』
『☆デン・エンハンスメント』:
手番開始フェイズに【精神力】1を消費して発動(難易度:NORMAL、瞬時)。
戦闘終了まで『素手』攻撃時、エンハンスによる「回避ダイスダメージ1」を得る。
エンハンス持続中、さらにこのジツを発動した場合、
本来の効果に加えて「電磁ダメージボーナス1」を得る。
◇NPCデータ:メガヒンジ
"腕"のニンジャであるブルームキャットに従うストリートニンジャ。応用性の高いドンデンガエシ・ジツの使い手で、かつては相棒のライトニンググローブと共に連続銀行強盗を行っていた。ソウカイヤに狩られるところをブルームキャットに救われ、その恩義を返すため彼女に協力している。
メガヒンジはシーン中には直接登場せず、グレーター・ドンデンガエシ・ジツでハイウェイを文字通りひっくり返すことでPCが脱出するチャンスを与え、その後は地下へと潜って消えてしまう。
「自分たちはただ、彼女の助けになるだけだ」「彼女のニューロンが、ざわついている」
◆メガヒンジ (種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 8
ニューロン 8 精神力 8
ワザマエ 7 脚力 5
ジツ 5 万札 25
近接攻撃D:5、射撃D:9、ジツ発動D:13、回避D:9
◇装備や特記事項
スキル:『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、『◉防具習熟』
『◉常人の三倍の脚力』、『◉トラップ対処知識』、『◉暗殺者の眼』
装備 :『アサシンダガー』、『タカハシ・マスター・ツールキット』
『近代的タクティカルニンジャ装束一式』
ジツ :『☆ドトン・ジツLv3』
『★★グレーター・ドンデンガエシ・ジツ』:
攻撃フェイズ開始時に【精神力】を2消費して発動(難易度:HARD)。
術者と同じ部屋に存在する敵全員を対象に、大規模なドンデンガエシで上空へと跳ね上げる。
対象は激突ダメージ1(回避:NORMAL)を受けた後、ターン終了時まで「回避難易度+1」となる。
『★◉ドンデンガエシ回避』:
回避判定に成功したとき、即座に『☆ドンデンガエシ・ジツ』の発動を試みても良い。
発動に成功したとき、本来の効果か『バック転回避』の効果のどちらかを発生させる。
これによって届かなくなった攻撃は失われる。
結末
このシナリオは、先のシーンで描かれたような決断のシーンから続くような形で、唐突に途切れるようにして終了する。ライトニンググローブらと共にネオサイタマの闇に消えた後、ソウカイヤの機械化強襲部隊の後に続いた後。何が起こるのかはまだこのシナリオではわからない。
いずれにしても、このシナリオ中の行動に応じて物語は分岐を始める。次はストーリー分岐の例となるが、サンプルシナリオは最終的に『アシッドウルフ・ルート』に収束することを前提に組まれているため注意すること。
なおルートAとルートBでそれぞれ異なるルート分岐の選択をしても問題はない。各ルートはまだ確定しておらず、途中で合流したり、あるいは擬似的なPvPで分岐ルート同士の闘いに派生する可能性があるためだ。
過去への道:PCはソウカイヤ勢力との停戦に合意し、彼らの後に続いて対話をすることを選んだ。これは少なくともアシッドウルフの配下に敵対する行為であり、「BルートのPCが裏切った」という情報はアシッドウルフへとすぐに伝わる。
▶【クレイニアム・ルート】に派生(別ルートへ合流可能性あり)。『オペレイシヨン・グレイストーン』などに続く。
▷ルート専用のサンプルシナリオはない。
裏切り者の末路は……:PCはソウカイヤ勢力との停戦に合意し、彼らの後に続いて対話をすることを選んだ。しかし、Aルートにおいてクレイニアムは既に爆発四散しており、ソウカイヤ内に彼らの後ろ盾になるようなニンジャは皆無の状況だ。ソニックブームなど、彼女と親交が深いニンジャはあるいは彼らの面倒を見てくれるかもしれないが、現実的に彼らがソウカイヤで生き残る道は狭い。
これは少なくともアシッドウルフの配下に敵対する行為であり、「BルートのPCが裏切った」という情報はアシッドウルフへとすぐに伝わる。
▶派生ルート未確定。『オペレイシヨン・グレイストーン』などに続く。
▷ルート専用のサンプルシナリオはない。
未知の仲間:PCはアシッドウルフの指示に従い、ライトニンググローブの後に続いて潜伏先へと向かうことを選択した。
▶派生ルート未確定。『アンド・ザ・トラスト・シャル・メイク・ユー……
』に続く。
▷サンプルシナリオあり。サンプルシナリオ想定ルート。
最も信用できるのは……:PCはソウカイヤもアシッドウルフも信用しなかった。ソウカイヤとのイクサを制しながらも、Aルートとの仲間との合流を最優先した。
▶派生ルート未確定。『トーテム・アンド・タブー』などに続く。
▷ルート専用のサンプルシナリオはない。
◇報酬(PC1人あたり)
基本報酬:余暇:4日、万札:なし(敵のドロップのみ)
※撃破したキャラクターの所持万札は除く。
調整したい場合、所持万札のドロップを無しにして想定獲得分を基本報酬に加算する。
補足コメント
![](https://assets.st-note.com/img/1680364809043-T9zGMLgKU4.png?width=800)
ルートAでも述べているように、シナリオタイトル『コールドフィート』は、1962年にCIAが実施した『コールドフィート計画(Project Coldfeet)』から引用されたもので、これは北極で放置されたソ連の流氷基地(流氷の上に建てられた基地。冷戦時代には研究やスパイ活動のため米ソ両国が多くを配置した)から情報を抽出するという計画でした。
『コールドフィート計画』とあまり内容的な共通点はありませんが、ルートAのシナリオとは一転して、CIAの残党である「ブラックサイト」の構成員であるPCがソウカイヤに情報を抽出される立ち位置となっており、実は彼ら自身がソ連……つまりブラックサイトに敵対する存在だったのではないか?という疑念を突きつけるような構成となっています。
残念ながらルートAに対してあまり分岐や選択要素は多くはなく、他のシナリオからの影響による変化がメインとなった内容ではありますが、これは実卓テストプレイにおいてルートAとルートBのセッションを同時並行でプレイしており、プレイヤーがある程度互いのシナリオの選択に関与できることを想定していたためです(両シナリオで重い決断や分岐条件を用意してしまうと、マスターもプレイヤーもキャパシティオーバーになる恐れがあった)。
全体の構成としてはルートAと対比的に、また毛色が変わるよう、選択要素こそ薄いものの、戦闘を主軸とした目まぐるしい展開のなかで素早く決断を迫られる、という緊張感のある内容となることをテーマに作られています。ルートBよりもじっくりと時間を掛けて、それもPCを懐柔するメリットがない敵の口から情報を語らせることで、その信用性を高めていることもポイントとなります。
このシナリオ以降、PCはしばらく2チームに分断された状態で別行動を取ることになります。お互いのシナリオにおける行動が(部分的に)相互に影響を与えることもそうですが、互いに所持している情報の粒度や信頼性が異なることによって、合流したとしてもチーム間の軋轢が発生するのが『コールドフィート』両シナリオを発端とする、重要な構成要素となっています。
彼らは直接対峙してこの困難を解消しようとするのか、あるいは異なる道を歩むことになるのか、順調だった先行きに暗雲が立ち込めることで、プレイヤーにもマスターにも緊張感が再びもたらされることでしょう。
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