【NJRPG-2ND/シナリオ】フォールス・ウインター#8-B:コールドフィート√B
これは「ニンジャスレイヤーTRPG2版」のシステムに対応した、「鷲のニンジャ」がテーマのキャンペーン『フォールス・ウインター』の第8話に該当するサンプルシナリオ記事です。
なお第8話においては、チームが分断され、全く異なる展開をプレイすることになるため、ルートごとに別々のシナリオ記事として公開されます。この記事は第8話のBルートに該当します。
キャンペーン全体の背景設定やルート分岐の調整方法などは、別途CPセッティング記事も参考にしてください。
※各ゲーム要素はニンジャスレイヤーTRPG初版で行ったキャンペーン実卓を元に、2版向けへコンバートされたものです。ゲームバランスは現行環境やプレイヤーキャラクターに合わせて都度調整することを推奨します。
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前シナリオ
別ルートのシナリオ
はじめに
このシナリオは『オペレイシヨン・スターゲイト』や『オペレイシヨン・ミッドナイト・クライマックス』で示唆される、プレイヤーキャラクターたちの曖昧な過去とソウカイヤのクレイニアムとの関係性について、彼らが探究心や好奇心を示していた場合に発生することを想定している。あるいは、プレイヤーが自主的にクレイニアムや過去についての調査を申し出てきた場合も、このシナリオに準じたストーリーが展開されるものとして扱う。
彼らが過去に興味を示さなかった場合、あるいはアシッドウルフに従順に従うことに何の疑念も抱かない場合、これは『オペレイシヨン・コールドフィート』というタイトルのシナリオに置き換わり、アマクダリの妨害やサルベージ任務といった全く異なる平凡な内容でプレイすることになる(ただし、キャンペーン全体における、他のルートへの分岐は絶望的になる)。
『コールドフィート』の重要なポイントは、情報制限を受けていたPCが、アシッドウルフ以外のキャラクターから明確に「PCに関する過去の情報を聞くことができる」ということだ。ただしそれが真実かどうかは相変わらず分からないし、実際に過去のPCの身に何が起こったのかはNMからPLへ語るべきではない。ここで得られる情報を踏まえて、最終的に彼らがどういった決断を下すのかによってキャンペーン全体の物語の大分岐が発生する。
マップデータ
導入(各ルート共通)
このシナリオはアシッドウルフに下される具体的な任務を遂行するというものではなく、単純に平時の作戦行動として、ネオサイタマの情勢に関する諜報を行っている際、突発的インシデントにPCが巻き込まれる偶発的な物語となる。
彼らは日常化したルーティンとして、激化するソウカイヤとザイバツの抗争を監視するうち、その戦闘の余波やシックスゲイツが仕掛けた罠に巻き込まれる形で、予想もしなかった情報を得ることになる。
このシナリオ時点で、既にPCはひとりひとりが強力なニンジャ戦力に成長している筈だが、前述の理由から各地にソウカイヤ戦力が展開しているため、リスクヘッジとして彼らには最低でもツーマンセルの行動を取ることを求められている。
『コールドフィート』において、NNはPLにチームを2~3人のグループに別れさせ、片方を『√A』に、もう片方を『√B』に配置し、別々のシナリオをプレイさせる。このシナリオ記事は『√B(Bルート)』に配置されたPC向けの内容である。
シーン1:彼方の光景(ルートB)
このチームのPCは【ワザマエ】判定と【ニューロン】判定のどちらかで情報収集を行うことができる。このとき難易度HARDとU-HARDのどちらかを選択し、成功した難易度に応じて提示される情報量を変化させる。
ザイバツとの遭遇
先の判定をPC全員が終えたとき、このイベントを発生させる。イクサの様子を監視していたPCたちのもとへ、全くの偶然、ザイバツの狙撃ニンジャが現れるのだ。見晴らしのいい場所は当然、狙撃にも適したポイントだという理論である。
狙撃ニンジャ、ファイアコマンドはこの狙撃地点に現れた時点で、予想外の接敵に大きく動揺してしまっている。そのためNMは実際に戦闘を発生させず、RP描写だけでこのニンジャを爆発四散させても構わない。ただし彼はそのニンジャネームが暗に示唆する通り、死亡すると凄まじい爆発を起こし、周囲にその存在を知らしめてしまう。
◇NPCデータ:ファイアコマンド
ザイバツニンジャ。古式ゆかしい狙撃銃と倍率可変のハイテックスコープメンポ、2つを合わせて得物とする。遠近戦闘を同時にこなすアサルト・ドーの使い手。
ネオサイタマに配置され、ソウカイヤとの抗争に明け暮れている。
◆ファイアコマンド(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 4
ニューロン 8 精神力 9
ワザマエ 6 脚力 3
ジツ 0 万札 10
近接攻撃D:3、射撃D:8、回避D:9
◇装備やスキル
装備 :『迷彩ニンジャ装束(回避D+1、イニシ+2)』、『スコープメンポ(射撃D+2)』
『ミハル・スナイパーカスタム』、『タツジン・ロングバレル』、『バースト・ユニット』
『ミハル・ドットサイト』、『オノミチ・タツジン・スコープ』
サイバネ:『▶クロームハートLv1』、『▷自爆装置』
スキル :『◉シャープシューター』、『◉ウィークポイント射撃』
飽和クローンヤクザ射撃
ファイアコマンドの爆発四散をトリガーとして(あるいはそれを追跡して)、PCの周囲あるいは移動する先々には後述のニンジャ、オグナンジェが召喚するクローンヤクザ部隊が次々と現れ、マシンガンやバズーカでPCを襲撃してくる。
これらは執拗に屋上にだけ出現するため、襲撃を捌くPCたちは否応なしにビルの下、すなわち路地裏へと追い込まれてしまう(これは監視カメラ映像など、電子監視網を経由して視認した場所へ部隊を送り込んでいるからだ)。
◆クローンヤクザY-12型 (種別:モータル/バイオ生物/ヤクザ)
カラテ 2 体力 1
ニューロン 2 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ - 万札 0
近接攻撃D:2、射撃D:3
◇装備や特記事項
いずれかひとつ
チャカ・ガン:遠隔武器、連射1、ダメージ1
バズーカ :小銃、ランチャー、カトンLv2、射撃:HARD
マシンガン :小銃、自動火器、1ダメージ、射撃:NORMAL、連射3
◇襲い来るクローンヤクザ包囲網(ミニゲーム・ルール)
このシーンにおいてPCはビルからビルへと飛び移るなどして逃走しながら、襲い来るクローンヤクザに対処しなくてはならない。これは簡略化された戦闘として、次のルールに従って処理する。
シーン2:ゴンベモンの甘言
クローンヤクザ部隊の襲撃を退けるPCたちは、執拗に屋上や建物内部にPOPして攻撃を仕掛けてくる相手の戦術から、否応なしに眼下の路地裏に追い込まれてしまう。
途端、急に攻撃の手が止んだかと思うと、彼らの前には奇妙な様子のクローンヤクザが現れる。これはネット・セキュリティ部門のニンジャ、ウォーロックのフドウ・ノリウツリ・ジツによる傀儡である。ウォーロックはゴンベモンと名乗り、ソウカイヤの所属であることを隠しながら「私と共にネオサイタマの勢力図を塗り替えませんか?」とPCを自らの手駒に引き入れようとしてくる。もちろんPCはこの誘いには乗らないだろう。
ウォーロックはダイダロスやオグナンジェが『オペレイシヨン・スターゲイト』で手に入れた情報や、クレイニアムが秘密裏に進める作戦の気配、そして先程の「クローンヤクザ包囲網」を易々と突破できるPCのカラテ、その全てを総合的に勘定し、彼らは"使える"と判断している。
ルートAでも示されているように、本来ウォーロックがニンジャスレイヤー・トリロジーで手駒にしていたニンジャの多くはビクターの手によって奪われてしまっており、その野望を成就させるには圧倒的に手数が足りていない状況なのだ。
彼は"偶然と誤解による事故"で起きた襲撃について謝罪しつつ、ニンジャ組織の内情に詳しい自分と組んで、ソウカイヤを乗っ取らないか?と持ちかけてくる。
◇オグナンジェの罠:圧殺包囲網
誘いを断った場合、クローンヤクザに憑依したウォーロックは自爆するなどし、代わりに"アシスタント"として働かされているオグナンジェが召喚するデストロヤクザ部隊が次々と現れ、PCを抹殺しようと襲撃してくる。
現れるクローンヤクザのスーツにはボディカメラとスピーカーマイクが取り付けられており、そこからはオグナンジェのアイサツと煽りが響いてくる。
◇NPCデータ:オグナンジェ
オグナンジェはクローンヤクザのスピーカーマイクを経由してPCを挑発しつつも、まずは大量のデストロヤクザを送り込んでPCを圧殺しようとする。これは時間稼ぎでもあり、NMはターンの進行に応じてボスニンジャのPOPなどのイベントを挿入する。
オグナンジェはコメディリリーフ的なとぼけたキャラクターであり、自身が直接イクサ場に赴かないこともあって全体的に緊張感が欠けている。彼女が恐れるのは失態によるケジメあるいは叱咤であり、現在はウォーロックの温い陰謀に付き合っているが、ダイダロスやクレイニアムなど上級ニンジャの介入があると萎縮してその指示に絶対的に従うようになる。
またこれは後半におけるシリアスな展開への前フリとして機能させる意味ありもあり、NMはNPCをうまく利用して物語の温度感にメリハリをつけることが望ましい。
◆オグナンジェ(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 13 精神力 19
ワザマエ 5 脚力 2
ジツ 5 万札 50
近接攻撃D:3、射撃D:4、回避D:13
◇装備やスキル
スキル :『●時間差』、『●マルチターゲット』、『●ニンジャ第六感』
『◉kill_9』、『◉戦略視界ナビ』
『◉ニューロンブースト』、『◉◉グレーター級ソウルの力』
装備 :『パーソナルメンポ』、『退廃的ニンジャ装束(効果なし)』
『退廃的アジト&巨大ザゼンドリンク冷蔵庫』
『★チェンジリング・ジツ』:
手番開始時に【精神力】を1消費して発動する(難易度HARD、瞬時)。
生物を1体選択し、選択した別の生物と位置を入れ替える(戦闘兵器など無機物は対象外)。
それぞれの対象は術者が肉眼もしくは電子的に視認できるキャラでなくてはならない。
このジツは同じ対象についてシナリオ中1回までしか使用できない。
『●クローンヤクザ軍団転送』:
手番開始時に【精神力】3を消費し、難易度HARDで発動判定を行う(瞬時)。
成功した場合、監視中のマップに3体までの「廉価版デストロヤクザ」をPOPさせてもよい。
あるいは術者が望むなら、代わりに3体までの「クローンヤクザ」をPOPさせてもよい。
このとき【精力】を追加で2消費することで、さらに3体の「クローンヤクザ」をPOPさせる。
『★ミガワリ・ジツ』:
術者もしくは味方がダメージを受ける時、【精神力】を3消費し難易度U-HARDで発動判定を行う。
成功した場合、その肉体は即座に泥のように分解し、受けるはずだったダメージを無効化する。
このとき術者が視認できる他のキャラと即座に位置を入れ替えるかマップから除外しても構わない。
攻撃者にまだ攻撃回数が残っていたとしても、攻撃フェイズは強制的に中断する。
『●ブレイクタイム』:
オグナンジェは『その他の行動』として席を外し、小休憩を取ることができる。
このときD3+1の【精神力】を回復するが、D3の出目が3の場合は薬物の過剰摂取の副作用により
次の手番に行動できなくなる。
◇NPCデータ:廉価版デストロヤクザ
オグナンジェは毎ターンこの自爆特攻ヤクザを召喚し、飽和爆撃を仕掛けてくる。ただしこのデストロヤクザは廉価版であり、プラスチック・バクチクを体内ではなく直接体に巻きつけている。
これにより、廉価版デストロヤクザに隣接するPCは手番終了時の瞬時の行動として【ワザマエ】判定(難易度:HARD)を行い、論理トリガーに繋がるケーブルを切断し、『自爆攻撃』を無効化することができる。この判定は「連続攻撃」のように分割し、接触している複数のキャラに対して行っても良い。
◆廉価版デストロヤクザ(種別:モータル/バイオ生物/ヤクザ)
カラテ 2 体力 2
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ ー 万札 0
近接D:2、射撃D:3
◇装備や特記事項
ノーカスタム・チャカガン:『遠隔武器』、『ダメージ1』
『自爆攻撃』:
デストロヤクザは手番中に敵と重なるような位置で移動を終了することができる。
この場合、手番終了時にそのデストロヤクザをマップから取り除き(死亡扱い)、
直前までいたマスを中心として『カトン・ジツLv3』と同等の爆発を発生させること。
敵の『遠隔攻撃』によって死亡した場合も、直ちにこの爆発が発生してしまう。
『遠隔起爆』:
このキャラのプラスチック・バクチクの論理トリガーはオグナンジェによって掌握されている。
敵の『近接攻撃』や『滑空攻撃』などの分類不可の攻撃で死亡した場合も、『自爆攻撃』が発生する。
『全力疾走』:
手番中に移動のみを行うことにした場合、
【脚力】の2倍までのマス数を移動できる(ナナメ不可)。
『全力疾走』を行った手番でも『自爆攻撃』は可能。
◇NPCデータ:ベイルファイア
デストロヤクザに混じり、オグナンジェはソウカイニンジャのベイルファイアを送り込む。彼は2ターン目の開始時にステルス状態でPOPし、デストロヤクザが爆発した瞬間に現れ、大立ち回りをするPCへアンブッシュを仕掛けてくるように演出される。
NMはこの路地裏シーンのクリア条件として、3ターンを凌ぎ切り、なおかつベイルファイアを爆発四散させる、ことを提示する。
◇ベイルファイア(種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 7
ニューロン 6 精神力 7
ワザマエ 8 脚力 5
ジツ 5 万札 25
近接攻撃D:8、精密D:9、射撃D:8、回避D:9
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『◉◉タツジン:イアイドー』
『◉ツジギリ』、『◉◉グレーター級ソウルの力』、『☆◉発火能力者』
ジツ :『★カトン・エンハンス』
装備 :『パーソナルメンポ』、『タクティカル・ニンジャスーツ』
武器 :『ニンジャソード(カタナ)』
『★カトン・ウェイブ』:
体から吹き出す炎を刃に伝わせ、火炎放射器めいた炎の斬撃を繰り出す。
手番の攻撃フェイズ開始時、「カトン・ジツLV2」を【精神力】消費なしで発動できる。
その後、ベイルファイアは通常通り攻撃を行うことができる。
『ステルス・アンブッシュ』:
ベイルファイアはステルス機構付きのニンジャ装束を着用している。
POP時、任意のマスに『出現』し『●ステルス・アンブッシュ』を繰り出すことができる。
この効果は1シナリオ中1回までしか使用できない。
◇NPCデータ:オブリヴィオン
オブリヴィオンはこのシーンに登場する可能性のあるオプション的なボス・キャラクターであり、危険な暗殺ニンジャである。NMはPCがあまりにも強すぎる場合にのみ、ベイルファイアに加えてこのニンジャをPOPさせる。
◆オブリヴィオン(種別:ニンジャ)
カラテ 9 体力 9
ニューロン 6 精神力 11
ワザマエ 7 脚力 5
ジツ 5 万札 25
近接攻撃D:11、射撃D:8、回避D:12、発動D:17
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『◉◉タツジン:ジュー・ジツ』
『◉◉グレーター級ソウルの力』
装備 :『朱色のニンジャ装束(回避ダイス+1)』
サイバネ:『▶生体LAN端子』、『▶▶テッコLv2』、『▷▷ジツ支援サイバネ』
『★★ディスインテグレイト・ツカミ』:
術者は自身が拘束者の『拘束状態』を、自身の手番開始フェイズに解除するとき、
【精神力】2を消費してこのジツを発動してもよい(難易度U-HARD)。
成功したとき、拘束対象へD3+1で判定する特殊な『サツバツ!』ダメージを与える。
出目【6,6】:これは『装甲貫通1』となる。
出目【6,6,6】:これは『装甲貫通2』となる。
また次の特殊な素手の戦闘スタイルが使用可能となる。
『●戦闘スタイル:ディスインテグレイト・ツカミ』:
この近接攻撃は『回避難易度HARD』の『拘束攻撃』となる。
これにより敵の拘束に成功した場合、使用者は即座に『拘束状態』を解除する代わりに、
『★★ディスインテグレイト・ツカミ』を発動しても良い。
シーン3:ソウカイヤ機械化強襲部隊
飽和攻撃を受けるPCは、この場所ではオグナンジェによる絶え間ない攻撃にさらされジリー・プアーな状況であることを悟る。オグナンジェは電子的な監視を介して、おそらくは増援を無限に送り込むことが可能であり、相手の視界から逃れるには動き続けなくてはならない。
彼らに残された脱出経路は、シーン1で把握していた、ハイウェイの車両を伝って高速で移動してオグナンジェの視界から逃れることである。
このシーンはシーン2の襲撃から逃れ、ハイウェイの車両の屋根に着地した時点から開始となる。1体以上のニンジャを爆発四散させたとき(もしくはNMの任意のタイミングで)、次のシーンへと進行する。
なお、このシーンにおけるソウカイヤとの戦闘では『乱戦』のルールが適用される。
◇NPCデータ:ミュルミドン
車両に乗って逃走を試みるPCを最初に襲撃してくるのはミュルミドンだ。ミュルミドンはアーマーサイクルで距離を取りながら、車両の上を移動するPCを一方的にスリケンで攻撃してくる。
必要であれば、ミュルミドンはモーターサイクルから飛び出して車両上でカラテを交えたり、あるいはそこから路面へと飛び戻ってモーターサイクルに再騎乗することもできる。
ミュルミドンはこの戦闘においてダメージギミックに近い存在であり、『ダメージ軽減1』の所持も含め、PCに倒されることは想定されていない。
◆ミュルミドン (種別:ニンジャ)
カラテ 10 体力 15
ニューロン 7 精神力 8
ワザマエ 8 脚力 5/N
ジツ 1 万札 20
近接攻撃D:10、射撃D:13、回避D:10
◇装備や特記事項
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉疾駆』、『◉突撃』、『◉ツジギリ』、『☆謎めいたニンジャソウル』
装備 :『近代的ヘヴィニンジャスーツ一式』、『カタナ』、『バクチク・グレネード』
サイバネ:『▶︎生体LAN端子LV1』、『▶︎サイバネアイLV1』
『インテリジェント・モーターサイクル"シロイ"』:
ミュルミドンは基本的に「シロイ」に騎乗した状態でマップに配置される。
『ダメージ軽減1』、【脚力】14、『轢殺攻撃2』、移動スタイル使用不可。
『サツバツ!』の付属効果を受けた場合、ミュルミドンはシロイから叩き落とされたことになる。
※騎乗による行動難易度の増加なし
『●行動パターン解析プログラム』:
手番開始時に【精神力】1を消費し、射線の通っている敵1体を選択する(瞬時)。
その後、次の手番まで対象からのあらゆる攻撃の回避難易度は-1される。
『●休む暇など与えぬぞ!』:
ミュルミドンの視界内で消耗品を使用した敵は次の手番まで「崩れ状態」となる。
『ディスク・スリケン(特殊弾/リチャージ2)』:
無数のカミソリ刃を備えたワイヤーアンカーを射出するチャクラム状特殊スリケン。
この射撃は『回避難易度+1』となり、命中した対象は拘束者のいない『拘束状態』となる。
◇NPCデータ:ドミナント
ミュルミドンと同時に登場するのは、極めて強力なニンジャ、ドミナントだ。彼はニンジャスレイヤー・トリロジーで登場した時点よりも鍛錬を積み、遥かに成長しており、よりパワフルで危険なカラテでPCに襲いかかる。
◆ドミナント(種別:ニンジャ)
カラテ 11 体力 12
ニューロン 8 精神力 16
ワザマエ 12 脚力 6/N
ジツ 6 万札 50
近接攻撃D:素手11/エメイシ15、射撃D:12、回避D:14
◇装備やスキル
装備 :『伝統的ニンジャ礼装一式』
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉スリケン急所破壊』、『◉タクティカル移動射撃』
『◉◉タツジン:アサシネイト・ドー』、『◉◉グレーター級ソウルの力』
『★レッサー・ブンシン・ジツ』、『★★ブンシン・ジツ』
『☆エンハンスメント・ジツ』
『*エメイシ*(エンハンスメント・ジツ適用済み)』:
『連続攻撃+1』、『無属性ダメージボーナス+1』、『攻撃ダイス+3』のアサシンダガーとみなす。
『●射撃スタイル:エメイシ投擲』:
このスリケン射撃は『無属性ダメージボーナス+1』かつ『射撃ダイス+6』となる。
『★エメイシ・バックスタブ』:
手番開始時に【精神力】を2消費し発動。この手番のみ、「連射-1」となるが
『エメイシ投擲』→『近接攻撃(素手)』→『エメイシ投擲』と行動することができる。
2回目の『エメイシ投擲』は敵の背後から襲い来るため、
隣接する敵にも射撃可能であり、回避難易度が+1される。
『◉ヒサツ・ワザ:ヘルホイール・クルマ』:
『カウンターカラテ』系のヒサツ・ワザ。この『カウンターカラテ』が命中したとき
敵の攻撃フェイズを強制的に中断し、自身を中心とした5x5の範囲内の任意の場所に叩きつける。
この激突は対象に「D3ダメージ」と「回避ダイスダメージ2」を与える。
回避難易度U-HARD。
◇NPCデータ:デビルフィッシュ
PCが極めて強力な場合、さらにデビルフィッシュを登場させる。このとき「ミュルミドンのバイクに搭乗して現れる」、「オグナンジェのジツで車両の運転手と入れ替わって現れる」など幾つかのPOP手段が想定され、NMは任意のタイミングで自由な場所へ彼を出現させて構わない。
デビルフィッシュは基本的にPCからできる限り距離を取り、PC全員に「連射6」を均等に割り振って攻撃する。これにより、全てのPCがスリケン射撃によるプレッシャーを受けながら、ミュルミドンに足止めを受けるPC、ドミナントとのイッキウチを強いられるPCと、全員が緊張感を持ったままイクサに挑めるようになる(当然ながら、熟練のソウカイ・ニンジャたちは油断したPCがいれば的確にそこを突いてくる)。
◆デビルフィッシュ(種別:ニンジャ/重サイバネ)
カラテ 6 体力 11
ニューロン 7 精神力 6
ワザマエ 9 脚力 6
ジツ 3 万札 25
近接攻撃D:6、射撃D:12、回避D:10
◇装備やスキル
スキル :『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉◉タツジン:スリケン』、『◉シャープシューター』、『◉スリケンの見切り』
『◉重サイバネ化』
『☆イカ・ニンジャクラン(【ワザマエ】D+3)』
サイバネ:『▶▶生体LAN端子Lv2』
『▶︎▶︎▶︎▶︎イカ・フレーム』:
【体力】+3、【精神力】+2、『連続側転難易度-1』
『●射撃スタイル:スリケンアーム射撃』:
このスリケン射撃は『連射+4』となる。時間差可。マルチターゲット可。
『●射撃スタイル:スリケン弾幕射撃』
このスリケン射撃は『連射+8』かつ『時間差不可』となる。
代わりに『弾幕発生』のルールと適用することができる。
◇オプション:増援のPOP・生死のコントロール
この戦闘では、シーン2から引き続きオグナンジェの電子的な監視が行われている。そのため、NMは彼女がジツを行使したものとして、次のイベントを自由に引き起こし、難易度やストーリー展開を調整することができる。
クローン増援のPOP:周囲の車両ドライバーをクローンヤクザと"チェンジリング"し、PCが足場にしている車両へ体当りさせたり、マシンガン掃射で攻撃させたりする。
ニンジャ増援のPOP:デビルフィッシュと同様に、周囲の車両の中にPOPさせたり、あるいは画面外からバイクドライバーと"チェンジリング"した状態でPOPさせることができる。後者の場合、モーターサイクルに騎乗している状態として扱う。
ニンジャの救出:登場したボス級の敵が爆発四散する状況に陥ったとき、オグナンジェの「★ミガワリ・ジツ」が発動し、爆発四散するかわりにマップから救出される。ドミナントやミュルミドンはこの対象としておくことで、『クレイニアム・ルート』における強い味方やライバルNPCとしての役割をもたせやすい。
シーン4:問答
1体以上のニンジャを爆発四散させたとき(もしくはNMの任意のタイミングで)、このイベントシーンが発生する。シーン2から始まるオグナンジェのソウカイネット情報検索、そしてミュルミドンの行動パターン解析の情報が噛み合い、PCの正体が明らかとなるのだ。
オグナンジェの情報を受け取ったニンジャ(あるいはスピーカー音声越しのオグナンジェ本人)は、ソウカイネットに記録されている次のような情報を提示し、些か困惑した状態で膠着状態に陥る。
PCがこれに反発し、あくまでも戦闘を続行しようとするのであれば、ソウカイヤの機械化強襲部隊は組織の敵として彼らを引き続き殲滅しようとする。
しかし譲歩の余地が見られるのであれば、彼らはPCに投降するよう勧告する。何らかの事情があるならば、その背景情報を引き出すべきだと考えるのだ。場合によっては、オグナンジェが「PCは密かにクレイニアムが探していたニンジャだ」という情報を漏らしてしまい、機械化強襲部隊は彼女の前にPCを引きずり出すことを目的とする(あるいは彼女を呼び寄せる)可能性がある。
ソウカイヤとの停戦が合意に至るか、戦闘が決着を迎えたとき、次のシーンへと進行する。
シーン5:介入あるいは撤収
機械化強襲部隊を完全に退けたとき、あるいはNMの任意のタイミングで襲撃イベントは中断される。ここではAチームの選択や、ソウカイヤとのイクサの決着、また過去のシナリオの成果に応じて若干の展開が変わる。
◇NPCデータ:ライトニンググローブ
"腕"のニンジャであるブルームキャットに従うストリートニンジャ。ジツにより稲妻を拳に纏う武闘派のニンジャで、かつては相棒のメガヒンジと共に連続銀行強盗を行っていた。ソウカイヤに狩られるところをブルームキャットに救われ、その恩義を返すため彼女に協力している。
彼はアシッドウルフの存在や目的などは何も知らず、ただアシッドウルフの部下であるブルームキャットの仲間としてPCの伝令・誘導役に現れる。そのため、仮にPCがソウカイヤ側に着いていくことを選択したとしても、困惑するだけで追撃や敵対はしない。
◆ライトニンググローブ(種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 11
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 6 脚力 4
ジツ 3 万札 25
近接攻撃D:9、射撃D:6、回避D:10
◇装備やスキル
装備 :『伝統的ニンジャ装束』、『ニンジャレガース』
スキル :『●連続攻撃2』、『◉一瞬の勝機』、『◉滅多打ち』、『◉頑強なる肉体』
サイバネ :『▶テッコ』
『☆デン・エンハンスメント』:
手番開始フェイズに【精神力】1を消費して発動(難易度:NORMAL、瞬時)。
戦闘終了まで『素手』攻撃時、エンハンスによる「回避ダイスダメージ1」を得る。
エンハンス持続中、さらにこのジツを発動した場合、
本来の効果に加えて「電磁ダメージボーナス1」を得る。
◇NPCデータ:メガヒンジ
"腕"のニンジャであるブルームキャットに従うストリートニンジャ。応用性の高いドンデンガエシ・ジツの使い手で、かつては相棒のライトニンググローブと共に連続銀行強盗を行っていた。ソウカイヤに狩られるところをブルームキャットに救われ、その恩義を返すため彼女に協力している。
メガヒンジはシーン中には直接登場せず、グレーター・ドンデンガエシ・ジツでハイウェイを文字通りひっくり返すことでPCが脱出するチャンスを与え、その後は地下へと潜って消えてしまう。
◆メガヒンジ (種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 8
ニューロン 8 精神力 8
ワザマエ 7 脚力 5
ジツ 5 万札 25
近接攻撃D:5、射撃D:9、ジツ発動D:13、回避D:9
◇装備や特記事項
スキル:『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、『◉防具習熟』
『◉常人の三倍の脚力』、『◉トラップ対処知識』、『◉暗殺者の眼』
装備 :『アサシンダガー』、『タカハシ・マスター・ツールキット』
『近代的タクティカルニンジャ装束一式』
ジツ :『☆ドトン・ジツLv3』
『★★グレーター・ドンデンガエシ・ジツ』:
攻撃フェイズ開始時に【精神力】を2消費して発動(難易度:HARD)。
術者と同じ部屋に存在する敵全員を対象に、大規模なドンデンガエシで上空へと跳ね上げる。
対象は激突ダメージ1(回避:NORMAL)を受けた後、ターン終了時まで「回避難易度+1」となる。
『★◉ドンデンガエシ回避』:
回避判定に成功したとき、即座に『☆ドンデンガエシ・ジツ』の発動を試みても良い。
発動に成功したとき、本来の効果か『バック転回避』の効果のどちらかを発生させる。
これによって届かなくなった攻撃は失われる。
結末
このシナリオは、先のシーンで描かれたような決断のシーンから続くような形で、唐突に途切れるようにして終了する。ライトニンググローブらと共にネオサイタマの闇に消えた後、ソウカイヤの機械化強襲部隊の後に続いた後。何が起こるのかはまだこのシナリオではわからない。
いずれにしても、このシナリオ中の行動に応じて物語は分岐を始める。次はストーリー分岐の例となるが、サンプルシナリオは最終的に『アシッドウルフ・ルート』に収束することを前提に組まれているため注意すること。
なおルートAとルートBでそれぞれ異なるルート分岐の選択をしても問題はない。各ルートはまだ確定しておらず、途中で合流したり、あるいは擬似的なPvPで分岐ルート同士の闘いに派生する可能性があるためだ。
◇報酬(PC1人あたり)
基本報酬:余暇:4日、万札:なし(敵のドロップのみ)
※撃破したキャラクターの所持万札は除く。
調整したい場合、所持万札のドロップを無しにして想定獲得分を基本報酬に加算する。
補足コメント
ルートAでも述べているように、シナリオタイトル『コールドフィート』は、1962年にCIAが実施した『コールドフィート計画(Project Coldfeet)』から引用されたもので、これは北極で放置されたソ連の流氷基地(流氷の上に建てられた基地。冷戦時代には研究やスパイ活動のため米ソ両国が多くを配置した)から情報を抽出するという計画でした。
『コールドフィート計画』とあまり内容的な共通点はありませんが、ルートAのシナリオとは一転して、CIAの残党である「ブラックサイト」の構成員であるPCがソウカイヤに情報を抽出される立ち位置となっており、実は彼ら自身がソ連……つまりブラックサイトに敵対する存在だったのではないか?という疑念を突きつけるような構成となっています。
残念ながらルートAに対してあまり分岐や選択要素は多くはなく、他のシナリオからの影響による変化がメインとなった内容ではありますが、これは実卓テストプレイにおいてルートAとルートBのセッションを同時並行でプレイしており、プレイヤーがある程度互いのシナリオの選択に関与できることを想定していたためです(両シナリオで重い決断や分岐条件を用意してしまうと、マスターもプレイヤーもキャパシティオーバーになる恐れがあった)。
全体の構成としてはルートAと対比的に、また毛色が変わるよう、選択要素こそ薄いものの、戦闘を主軸とした目まぐるしい展開のなかで素早く決断を迫られる、という緊張感のある内容となることをテーマに作られています。ルートBよりもじっくりと時間を掛けて、それもPCを懐柔するメリットがない敵の口から情報を語らせることで、その信用性を高めていることもポイントとなります。
このシナリオ以降、PCはしばらく2チームに分断された状態で別行動を取ることになります。お互いのシナリオにおける行動が(部分的に)相互に影響を与えることもそうですが、互いに所持している情報の粒度や信頼性が異なることによって、合流したとしてもチーム間の軋轢が発生するのが『コールドフィート』両シナリオを発端とする、重要な構成要素となっています。
彼らは直接対峙してこの困難を解消しようとするのか、あるいは異なる道を歩むことになるのか、順調だった先行きに暗雲が立ち込めることで、プレイヤーにもマスターにも緊張感が再びもたらされることでしょう。
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