【NJRPG/ソロリプレイ】ウェイ・オブ・ザ・フィスト
「ザッケンナコラー……ふっざけんなよロボ野郎!今度会ったらスクラップにして売り払ってやる」ファイヴフィンガーは悪態をつきながら、クローンヤクザから奪った南極コートのファー付きフードを目深に被る。出口を探さなくては!
@NJSLYRで数度開催されている「ニンジャスレイヤーTRPG」のソロプレイアドベンチャー。第3回目から参加し始め、第5回もリアルタイムでプレイすることができたので、そのログを元にリプレイを書くなどしてみました。
Twitter上にタグ付きでポストしていた内容からセリフや描写には加筆・修正を加えています。予めご了承ください◆
◆ニンジャ創造メント
ダイスを転がすのが好きなので、今回も新規キャラクターを創造することにしました。【カラテ】値が高めのPCばかり生成しているので、たまにはジツ重点のニンジャも動かしたいと思いつつ、ダイスを転がした結果がこちら。
◆ファイヴフィンガー (種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 5
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 5 脚力 3
ジツ 0 万札 0
◇装備や特記事項
オーガニックスシ、『○サイバネ賞金稼ぎ』
1d6 カラテ = (5) = 5
1d6 ニューロン = (5) = 5
1d6 ワザマエ = (5) = 5
1d6 ジツ 5が出るはず = (2) = 2
1d6 初期アイテム = (2) = 2
1d7 サイバネ(7)でナシ = (7) = 7
2d6 生い立ち = (5+6) = 11
わくわくする私の期待を裏切る形で誕生したのは、主な能力値が全て5というド平坦なニンジャでした。しっかり【ジツ】は0な辺り平坦さが際立ちます。もはや何らかの啓示であるかのうせいがあり、この時点でこのキャラクターが平坦であるということにしました。
『生い立ち』は出目の左右を見間違え『65:拷問好き』を獲得した!とキャラ立ちに嬉しい悲鳴を上げていたところ、実際は『56:サイバネ賞金稼ぎ』というオチ。最後まで地味でした。暴力的で侮蔑的なニンジャを創造しようと意気込んでいた私の心は無慈悲に踏みにじられ、ニンジャガチャの深い闇を思い知らされます。
ニンジャネームはヘヴィメタルバンドの『ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ』から。気分だけでも強そうでないとやってられません。そんな感じで誕生したニンジャ、ファイヴフィンガーはツキジへと投下されました。
◆ツキジへ
「グワーッ!?何だテメエ……!ふざけんなロボ野郎!」
突然現れた謎のドロイド『モーターロクメンタイ』に01転送光線を浴びせられたニンジャ、ファイヴフィンガーは、凍えるようなツキジ・ダンジョンの最下層に突如として出現した。倒れるように地面についた両手に霜がかかる。ここは恐ろしいほどに寒い!
『D6:転送が終わりました。寒いですか?あなたはツキジ最下層にいますからね』ファイヴフィンガーのIRC端末が鳴り、『D6』と名乗るアカウントから他人行儀なメッセージが飛び込んだ。
『5F:ザッケ『D6:ラオモト=サンは最高級のトロ粉末をご所望です。冷凍マグロを見つけてください。できなければケジメですよ』 D6のタイプ速度は、ファイヴフィンガーの物理タイプよりも遥かにハヤイ!ファイヴフィンガーはイライラとした表情を作りながら、人差し指で懸命にタイプする。
『5F:ザッケンナコラー!』『D6:前方の回廊にクローンヤクザが見えますよ。きっと、どこかの暗黒メガコーポが送り出したマグロ探索ヤクザでしょう。気付かれないように、スリケンで殺してください』
「イイヤアーッ!」D6の指示を無視したファイヴフィンガーはクローンヤクザの背後に飛び込むと、その首元を片手でぐいと引き、五本指の間に挟んだスリケン4枚を勢いよく顔面に突き刺した!「グワーッ!?」「ハハーッ!死ねーッ!」クローンヤクザ死亡!
スリケン:5d6>=4 = (5,4,1,2,2 :成功数:2) = 2
『D6:困ります。指示に従ってください。死んでしまいますよ』『5F:ウッセーゾ!ロボがオレに指示すんじゃネェ!』
覚束ない手付きでメッセージをタイプし終えると、ファイヴフィンガーはIRC端末に向けてキツネサインを突き立てる。モーターロクメンタイに向けた最大限の侮蔑的態度!
数秒前まで路地裏で反ソウカイヤのヤクザを機嫌良く痛めつけていたファイヴフィンガーは、突然の強制的な徴兵に怒り心頭の状態だ。
「ザッケンナコラー……ふっざけんなよロボ野郎。今度会ったらスクラップにして売り払ってやる」ファイヴフィンガーは悪態をつきながらIRC端末をポケットにねじ込み、クローンヤクザから奪ったオレンジ色の南極コートのファー付きフードを目深に被る。出口を探さなくては!
ファイヴフィンガーは荒々しい足取りでダンジョンを進む。その体を覆う南極コートの防寒性能は申し分ないが、小柄な体格にはサイズが大きすぎた。風になびく袖を煩わしそうにまくるファイヴフィンガーの前に、回廊の曲がり角からふらりと人影が飛び出した!「アイエエエエエ!?ニンジャ!?」ローブを着た徘徊ハッカーだ!
「ダッテメコラー!出口はどこだっコラー!?」「アイ、アイエエ!!」苛つくファイヴフィンガーはハッカーを蹴飛ばしてマウントを取ると、指の間に4枚のスリケンを挟ませ、その手を繰り返しダンジョンの床に叩きつけ始めた!非人道フォーヴァレー・ファイヴフィンガー・トーチャリングだ!
◇マグロダイス 5獲得
◇DKK 0 > 5
「イヤーッ!出口はどこだ!」ファイヴフィンガーは指の間にスリケンを挟ませたハッカーの手を掴み、無理やりツキジの床へと叩きつける!「アバーッ!?」スリケンがハッカーの指の隙間を切り裂く!
「イヤーッ!出口はどこだ!」ファイヴフィンガーは指の間にスリケンを挟ませたハッカーの手を掴み、無理やりツキジの床へと叩きつける!「アバーッ!?」スリケンがハッカーの指の隙間を切り裂く!
「イヤーッ!出口はどこだ!」ファイヴフィンガーは指の間にスリケンを挟ませたハッカーの手を掴み、無理やりツキジの床へと叩きつける!「アバーッ!?」スリケンがハッカーの指の隙間を切り裂く!
「イヤーッ!出口はどこだ!」ファイヴフィンガーは指の間にスリケンを挟ませたハッカーの手を掴み、無理やりツキジの床へと叩きつける!「アバーッ!?」スリケンがハッカーの指の隙間を切り裂く!
「イヤーッ!出口はどこだ!」ファイヴフィンガーは指の間にスリケンを挟ませたハッカーの手を掴み、無理やりツキジの床へと叩きつける!「アバーッ!?」スリケンがハッカーの指の隙間を切り裂く!
「手間かけさせやがってよォ!」「ア、アバッ…!」一通り満足したファイヴフィンガーの小柄な体が、痙攣するハッカーを踏みつけ飛び離れる。哀れなモータルの右手の指は、幸いにもフォーヴァレーが広がり、およそ1.4倍の長さになっただけで済んだ。動くかどうかは分からない。
ファイヴフィンガーはサイズの合わないコートの袖を左右順にまくり、ボキボキと五本の指を鳴らす。ハッカーは悲鳴を上げてばかりでなんの役にも立たなかったが、その懐からは手書きの地図が見つかった。ツキジのダンジョン・マップだ!これはチョージョー!
持ち前の短絡的思考で即座に機嫌を良くすると、小柄なニンジャは出口を目指して元気よく歩き出した!
マグロ:5d6>=5 = (6,3,4,1,6 :成功数:2) = 2
ガゴンプシュー!圧縮蒸気を吐きながら隔壁が開く。(何だここは……!)冷気をかき分けながら一歩踏み込んだニンジャの眼の前には、無数の冷凍マグロが吊るされる、宝物庫めいた冷凍マグロ倉庫が広がっていた!「……8……9……10!ブッダ!なんて数!」 ファイヴフィンガーは両手の指を折りながら(注:指を曲げながら)、吊り下げられたマグロの数を数える。
ナムサン!冷凍マグロは100人のスモトリを相手にできる程の数が吊るされていたが、ファイヴフィンガーは10以上の数が数えられない!
その時!「シュシューッ!」マグロ冷凍倉庫の闇から現れた怒り狂う巨大バイオズワイガニがハサミを振り上げ、泡を吹きながらニンジャに襲いかかる!「カニナンデ!?チクショウ!死ねッコラー!!」即座に難解な思考を放棄することで、ファイヴフィンガーは一瞬の動揺を克服。右手の指の間に4枚のスリケンを挟み込み、迫る巨大ハサミを殴りつけた!「イヤーッ!」「シューーーーーーーーーッ!」怯むズワイガニ!
スリケン:5d6>=4 = (5,5,2,1,3 :成功数:2) = 2
「シューーーーーーーーーッ!」側面から迫るバイオズワイカラテ!「カニがなんだコラー!!イヤーッ!」ZWAAASH!カラテストレートが巨大バイオズワイガニの致命的刺突を打ち返す!カラテ衝撃が伝播し、吊り下げられた冷凍マグロがコイノボリめいて震える!
回避 5d6>=4 = (2,4,4,4,4 :成功数:4) = 4
「カニが巨大とか意味わかんネェ!」「シュシューッ!」ファイヴフィンガーはバイオハサミスウィングをスライディングで潜り抜け、ワン・インチ距離へ!ケリ・キックをズワイガニの鼻面に叩き込む!「アーッ!ワカンネーんだよ!イヤーッ!」「シュシューッ!?」
カラテ:5d6>=4 = (2,1,1,6,4 :成功数:2) = 2
泡に混じる緑色のバイオ体液がツキジの床に飛散する!果たしてバイオズワイガニに"鼻面"という概念が存在するのか、ファイヴフィンガーは疑問に思うが、その短絡的思考ロジックは一瞬でそれを忘却した。
痛打を受けた巨大バイオズワイガニは砂に潜るかのように、後ずさりしながらツキジの闇へと消えてゆく!カニでも巨大化すれば後ろに下がることができるようになる。ファイヴフィンガーは恐るべきズワイガニ真実に震えた。
『D6:すばらしい。やりましたね。目標の冷凍オーガニックマグロです。それを回収して来てください』
(ムッ……!)ファイヴフィンガーは逡巡する。忌々しいモーターロクメンタイの指示に従うのは癪だが、無学な彼女にも目の前のオーガニックマグロがとてつもない価値を持っている事はわかる。
「こんのサイコロ野郎!今どこだッコラー!?バラバラにしてやる!」
5秒ほど考えた末、ファイヴフィンガーはIRC端末に叫ぶと、両手の指に挟んだスリケンをクライミングスパイクめいてマグロに突き刺し、自身よりはるかに大きなそれを2匹も引き摺り始めた。マネーの魅力には勝てない!
Wasshoi!判定! = (4+1) = 5<=5 判定成功!
👺 「今だ、ニンジャスレイヤー=サン!」
「Wasshoi!」
マグロを引き摺りツキジを走るファイヴフィンガー!その時!
「Washhoi!」
CRAAASH!右側を引き摺る冷凍マグロを砕き、中から赤黒の影が飛び出した!「なっ、何オラー!?」
「ドーモ、ファイヴフィンガー=サン。ニンジャスレイヤーです」赤黒の影は天井に吊られたマグロに着地すると、ジゴクめいたアイサツを繰り出す!「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。なぜオレの名を!?」ファイヴフィンガーは動揺にスリケンを取り落とす。
「オヌシのことは調べがついている。弱者をいたぶるしか能のない、見下げたチンピラニンジャとな」「チャルワレッケオラー!」反射的に繰り出されたファイヴフィンガーのパンチが冷凍マグロを粉砕。しかしその時既に、ニンジャスレイヤーはマグロを蹴り跳躍していた!
「イヤーッ!」「グワーッ!?」ニンジャスレイヤーの垂直落下式チョップがファイヴフィンガーの右肩を粉砕する!「ザッケンナ……!イヤーッ!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは渾身のストレートを難なく絡め取り、イポンゼオイめいてファイヴフィンガーの体を凍てつくダンジョンの床へと叩きつける!「グワーッ!?」
ニンジャスレイヤー 連続攻撃3:5d6>=4+4d6>=4+4d6>=4
= (5,5,5,6,2 :成功数:4) + (2,3,5,1 :成功数:1) + (1,1,1,2 :成功数:0)
ファイヴフィンガー 回避:2d6>=5+3d6>=5 = (2,4 :成功数:0) + (2,4,1 :成功数:0)
ファイヴフィンガー HP 5>3
ファイヴフィンガー カラテ:5d6>=4 = (1,1,6,2,4 :成功数:2)
ニンジャスレイヤー 回避:13d6>=5
= (5,1,4,4,4,5,5,6,2,5,5,1,2 :成功数:6) = カウンターカラテ
ファイヴフィンガー HP 3>2
「クソ「イヤーッ!」ンアーッ!?」跳ね起きるファイヴフィンガーの顔面にニンジャスレイヤーの拳が叩き込まれる!サイバーガスマスクめいたメンポが砕け散り、血の飛沫は即座に冷凍され凝固する!
ニンジャスレイヤー 連続攻撃3:5d6>=4+4d6>=4+4d6>=4
= (5,3,4,2,2 :成功数:2) + (4,6,5,2 :成功数:3) + (3,2,5,3 :成功数:1) = 6
ファイヴフィンガー 回避:1d6>=5+1d6>=5+2d6>=5
= (3 :成功数:0) + (5 :成功数:1) + (5,1 :成功数:1) = 2
ファイヴフィンガー HP 2>1
「チクショウ!死ねーッ!」額から血を流すファイヴフィンガーはイーグルの鉤爪めいた指の構えから渾身のパンチを繰り出す! カラテを指先のみに集中させることで、5本の指それぞれが渾身のチョップ突きと同等の破壊力を持つと自称する、ファイヴフィンガーのヒサツ・ワザ、ファイヴ・フィンガー・デス・パンチだ!
ファイヴフィンガー カラテ:5d6>=4 = (4,3,5,1,5 :成功数:3) = 3
「イヤーッ!」「グワーッ!バカナーッ!?」ニンジャスレイヤーの拳を立てた正拳突きがファイヴフィンガーのファイヴフィンガー・デス・パンチを真正面から迎撃!その指をことごとくへし折った!五本指無残!
ニンジャスレイヤー 回避:13d6>=5
= (2,3,5,2,5,3,4,3,4,5,1,2,3 :成功数:3) = 3
「グワーッ!指グワーッ!?」悶絶するファイヴフィンガー!ニンジャスレイヤーはワン・インチ距離に踏み込み、決断的に致命の一撃を放つ!
「イイイヤアーッ!」
ニンジャスレイヤーのチョップ突きが南極コートを引き裂き、ファイヴフィンガーの平坦な胸の中央を貫通する!「アバーッ!?」
「ハイクを読め、ファイヴフィンガー=サン!」「アバッ!突然地下に送られ死んだ……ナンデ? サヨナラ!」ファイヴフィンガーは爆発四散した!
ニンジャスレイヤー 連続攻撃3:5d6>=4+4d6>=4+4d6>=4
= (6,6,1,1,6 :サツバツ!) + (6,1,1,4 :成功数:2) + (5,1,2,4 :成功数:2) = 7
ファイヴフィンガー 回避:2d6>=5+2d6>=5+1d6>=5
= (3,1 :成功数:0) + (4,6 :成功数:1) + (1 :成功数:0) = 1
サツバツ!:1d6 = (5) = 5 「これで手も足も出まい!」敵の両腕を切り飛ばした!
◆◆◆
『ラオモト=サンは最高級のトロ粉末をご所望です。冷凍マグロを回収してください』
「ハァーッ……ハァーッ!」地下深く、冷凍マグロを引き摺る男がいた。血まみれの右手の指は妙に長い。「気になるんだよなぁ!こういうのさぁ!」目を血走らせた男はマグロに刺さる幾つものスリケンをそれで掴み、引く。
『指示に従ってください。死にたくなければ』
「整理してないと!困るんだヨォ!!」ローブを着た影がマグロ倉庫に伸びる。ツキジの最下層に、錯乱した男の叫び声だけが響いた。
◆ドラウジーハンド (種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 4 脚力 2
ソウル 1 万札 0
◇装備や特記事項
『○ブラインドタッチ』
◆あとがき
サヨナラ! まさか死神出現で爆発四散確定とは……度肝を抜かれましたが、実際にニンジャスレイヤーとファイヴフィンガーを戦わせてみても一方的な殺戮だったので正しい処理でした。
そもそも「ニンジャスレイヤーTRPG」の実卓では逃走手段が用意されていたり、ほぼ確実に多対単で戦えたりするので忘れられがちですが、ニンジャスレイヤーはサンシタが戦ってまともに勝てる相手ではありません。1ターンに3回も攻撃が襲い来るうえ、殴ればカウンターで顔面を潰されます。ここに『●ソウル感知』とか『●ニンジャ分断工作』的なスキルが追加されてしまえば、もうどうしようもないニンジャ殺戮マシーンが完成するでしょう。
とにかく、ネオサイタマから貴重な平坦ニンジャが爆発四散で失われるという憂慮すべき出来事があったとは言え、きっちりオチも付く楽しいソロアドベンチャー体験でした。
「新規プレイヤー獲得のため、Twitterセッションシナリオは今後も可能な限り毎月やっていく予定」というような言及もあったので、来月の開催も期待したいところ。完全にノリで登場させたドラウジーハンドはそこで登場するかもしれませんし、新たにニンジャガチャを引いてしまうかもしれません。
次は爆発四散しませんように!
◆忍◆ ニンジャRPG名鑑#XXX 【ファイヴフィンガー】 ◆殺◆
パンクスめいた出で立ちの小柄なニンジャ。非常に凶暴で、指の間にスリケンを挟ませて殴る、フォーヴァレー・ファイヴフィンガー・トーチャリングを好む。平坦だった為ニンジャスレイヤーのチョップ突きを防げず、爆発四散した。
『ウェイ・オブ・ザ・フィスト』終わり。