【NJRPG-2ND/シナリオ】フォールス・ウインター#9-B:アンド・ザ・トラスト・シャル・メイク・ユー……
これは「ニンジャスレイヤーTRPG2版」のシステムに対応した、「鷲のニンジャ」がテーマのキャンペーン『フォールス・ウインター』の第9話に該当するサンプルシナリオ記事です。
なお9話のサンプルシナリオは2種類存在しており、直前にプレイしたシナリオによって次にどちらのシナリオに派生するか異なる仕様となっています。このシナリオはBルートである『コールドフィート√B』をクリアしたプレイヤーキャラクターが参加するためのシナリオです。
キャンペーン全体の背景設定やルート分岐の調整方法などは、別途CPセッティング記事も参考にしてください。
※各ゲーム要素はニンジャスレイヤーTRPG初版で行ったキャンペーン実卓を元に、2版向けへコンバートされたものです。ゲームバランスは現行環境やプレイヤーキャラクターに合わせて都度調整することを推奨します。
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前シナリオ
別ルートのシナリオ
はじめに
このシナリオは第八話【コールドフィート√B】において、アシッドウルフの指示に従い、未知の仲間であるライトニンググローブに着いてゆくことを選択したPCが辿る、分岐ストーリーのひとつとして設計されている。
伴って、PCには「別の目的を与えられた鷲のニンジャ」との予想外の接触と情報交換の機会が与えられる。ここでBルートのPCは「鷲の腕」を持ったニンジャたちが、集団ごとに与えられている情報が異なり、また集団によっては傭兵めいた独自戦力を抱えていることなどを初めて知ることになる。
最終的にPCは「仲間」の頼みを聞き入れて任務を遂行するのか、【トーテム・アンド・タブー】の展開に応じて、フィルギアによってもたらされた「裏切り者」との合流要請に応えるのかを決断しなくてはならない。ここでの選択によって、Aルート・Bルートのそれぞれにおいて、次に何が起こるのかが変化する。
マップデータ
導入
PCは『コールドフィート√B』の後、合流したニンジャ、ライトニンググローブのアジトへと潜伏している。このシナリオは、余暇を過ごした後の彼のアジトの屋内シーンから始まる。PCは狭苦しいリビングあるいは風呂やキッチン、ベランダなどにおり、ライトニンググローブは偵察に出かけている。PCたちは"潜伏せよ"という"ボス"の命令を律儀に守って、一切外出せずに居たわけだ。
NMは現在の状況を描写・説明し、PCに分断されてしまったAチームのことやライトニンググローブについてを話題として会話をさせる。このシーンの目的は各PCの思いや感情を引き出すことだ。
シーン1:雑踏の猫
しばらくすると、見慣れないニンジャが突如としてアジトのソファに出現する。これはなんの前触れもなく、例えばPCのひとりのすぐ隣に出現したかのように描写する。PCに引けを取らないこのニンジャのワザマエと、無意識の内に気が緩んでいたPCの状況を同時に伝える意図がある。
彼女は"ボス"からの指示で初めて存在を認識したPCたちに興味を引かれており、彼らとの会話を望んでいる。NMはここで「PCたちは何をしていたのか?」「何故避難するハメになったのか?」などの話題をブルームキャットを介して与え、彼女との交友関係が深まるようにシーンを動かす。
また想定される最低限の問答の内容は次の通りまとめられている。
◇NPCデータ:ブルームキャット
ブルームキャットはソウルの影響もあり、どこか儚く、しかし艷やかさも備えた女ニンジャだ。暗黒メガコーポに搾取されているストリートの出身者であり、養うべき家族も居る。彼女はアシッドウルフの手で電子戦争後に形成された鷲のニンジャの小集団のひとりであり、全盛期こそ知らないものの彼の目的が達成され〈鷲の一族〉による正当な支配が確立すれば暗黒メガコーポによる迫害は断滅するだろうと考えている。
しかしながら上記の認識はどこまでが真実なのかは怪しいところで、例えば具体的なストリートの名前や家族構成を尋ねても回答は抽象的なものとなる。これはアシッドウルフの洗脳によって部分的に彼女の認知が歪められているからだ。
PCらと同様に、どうやってアシッドウルフと出会ったのか、それが何時どこでなのかなど、細部の記憶は欠落しており、問いかけられても彼女は曖昧な返答しか返さないだろう。しかしながら、ブルームキャットは尋ねられて初めて、その記憶の曖昧さに疑念を覚えてしまう。
◆ブルームキャット(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 6
ニューロン 10 精神力 17
ワザマエ 7 脚力 5/E
ジツ 6 万札 50
近接D:9、射撃D:9、回避D:14、発動D:16
◆装備や特記事項
装備 :『ホロ加工フードジャケット(回避D+1)』
スキル :『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉魅了』、『◉常人の三倍の脚力』、『◉◉グレーター級ソウルの力』
『☆ステルス・ジツ』、『★ステルス・アンブッシュ』
サイバネ:『▶生体LAN端子』、『▶▶▶鷲の腕Lv3』
『▷▷▷内蔵型トキシンブレードx2(ダメ1&精神ダメ1、連続攻撃+1、内蔵型)』
『★★雑踏の猫』:
自身の姿を雑踏に溶け込ませたり、その位置を錯覚させる強力な認識阻害を生じさせる。
手番終了時に【精神力】1を消費して発動(難易度NORMAL)。
術者は周囲5x5マス内の好きな場所に、「分身コマ」を4体配置する。
このジツの効果中、術者本体か分身コマが攻撃を受けた時、術者はそれを「分身コマ」として
即座にマップから除外してもよい(残った1体がつねに本体とみなされる)。
また手番開始時、術者は分身コマを本体として、その位置から移動を開始しても構わない。
このとき、本体以外の分身コマは消滅し、その数だけ「近接攻撃ダイス+X」の効果を得る。
◇ブルームキャットに課せられた暗殺任務
ブルームキャットはそのジツの特性から、"腕"のニンジャとして、単独での斥候や暗殺任務を主に任されている。PCと合流した時点でも、実は彼女は"ボス"から下された暗殺任務を遂行している最中にある。その内容を自ら詳しく話すことはないが、PCとの友好関係が十分に構築されている場合は、彼女が暗殺任務を遂行中であること程度は言及しても良いだろう。
ブルームキャットに与えられている現在の任務は、メイライ社の専務、シロウ・イスヒの捜索と暗殺だ。シロウは単なるモータルであり、何ら特別な力も有してはいないが、メイライ社が乗っ取られて以降、行方をくらましている彼の命をアシッドウルフは執拗に狙っている。
アシッドウルフのみが知る真実:シロウの正体はかつて『731』と呼ばれた軍の特殊研究部隊を率いていたY2K以前の将校であり、何らかの理由により寿命を超えてなお生き永らえている。ゴットリーブのMKウルトラ計画の過程では、日本における一部の人体実験を担っており、またそれらを通じてナチス・ドイツおよび「オヒガンの炉」に属していたセレクションとの繋がりも有していた。メイライ社の洗脳技術の発展は、ブラックソーサラーの持つ基礎知識と、シロウがセレクションのジツを元に学習した精神操作に関する応用的知識によるものが大きい。
シロウ本人のみが知る真実:シロウ・イスヒの正体は、『コスモクライム』にニューロンを上書きされた人格代行者のひとりである。そして同時に、『コスモクライム』の正体が『シロウ・イスヒ』でもある。詳しくはCPセッティング記事や、後のシナリオにおいて述べられる。
シロウ・イスヒについては、CPセッティング記事も詳しい。
また『コスモクライム』の項も参照のこと。
シーン2:オナタカミ・トルーパーの襲撃
ブルームキャットとの対話が一段落ついたら、偵察に出ていたライトニンググローブをベランダからエントリーさせる。ブルームキャットはシロウとアマクダリの接触可能性を知ったことで、一時的に作戦を練り直すべく予定外にこのアジトを訪問しているため、ライトニンググローブは彼女の姿があることに驚くだろう。
いずれにせよ、不自然な動きを察知してライトニンググローブが警告に現れた直後、オナタカミ・トルーパーズがマップ中の階下道路に武装車両で乗り付け、また共有通路から押し寄せて部屋へと侵入してくる。NMはこの襲撃をPCが2~3ターンで捌けるようにトルーパーをPOPさせ、戦闘シーケンスを処理する(戦闘マップはシーン3を参照すること)。
トルーパーたちは液晶ヘルメットに『プロモーション演習中のため、怪しくない』という文句を流しながら、アクシスの到着までの時間稼ぎを目的に襲撃してくる。この襲撃に対処し終えたなら、NMはPCとNPCの短い会話シーンを挟み、その後にドラゴンベインの急降下攻撃をトリガーとして次のシーンに移行させる。
◇NPCデータ:ライトニンググローブ
"腕"のニンジャであるブルームキャットに従うストリートニンジャ。ジツにより稲妻を拳に纏う武闘派のニンジャで、かつては相棒のメガヒンジと共に連続銀行強盗を行っていた。ソウカイヤに狩られるところをブルームキャットに救われ、その恩義を返すため彼女に協力している。
彼はアシッドウルフの存在や目的などは何も知らず、ただブルームキャットの仲間としてPCの伝令・誘導役に現れる。そのため、仮にPCがソウカイヤ側に着いていくことを選択したとしても、困惑するだけで追撃や敵対はしない。
◆ライトニンググローブ(種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 11
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 6 脚力 4
ジツ 3 万札 25
近接攻撃D:9、射撃D:6、回避D:10
◇装備やスキル
装備 :『伝統的ニンジャ装束』、『ニンジャレガース』
スキル :『●連続攻撃2』、『◉一瞬の勝機』、『◉滅多打ち』、『◉頑強なる肉体』
サイバネ :『▶テッコ』
『☆デン・エンハンスメント』:
手番開始フェイズに【精神力】1を消費して発動(難易度:NORMAL、瞬時)。
戦闘終了まで『素手』攻撃時、エンハンスによる「回避ダイスダメージ1」を得る。
エンハンス持続中、さらにこのジツを発動した場合、
本来の効果に加えて「電磁ダメージボーナス1」を得る。
◇NPCデータ:オナタカミ・トルーパー
◆オナタカミ・トルーパー (種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)
カラテ 2 体力 2
ニューロン 2 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ - 万札 1
近接攻撃D:2、射撃D:5
◇装備や特記事項
装備:液晶ヘルメット(「サイバーサングラス」とみなす)
オナタカミ武装戦闘服(「タクティカル・ニンジャスーツ」とみなす)
オナタカミ・アサルトライフル:『遠隔武器』、『小銃』、『連射3』、『ダメージ1』
シーン3:アマクダリ・アクシスの襲撃
オナタカミ・トルーパーズを退けた直後、その場の全員が接近してくるヘリの音を聞きつける。だがこのとき、上空を先行して飛行していた戦闘機から既にドラゴンベインがツラナイテタオスと共に急降下してきており、次の瞬間にはアパートを貫いて劇的なエントリーを遂げる。
このとき落下点をブルームキャットとして、周囲のPCに回避判定を促す。このアンブッシュによってブルームキャットは無視できないダメージを負うが、その特異なジツにより直撃と爆発四散は免れている状況となる。
◆強襲降下
落下点の敵1体に5ダメージ、周囲の隣接マスに1ダメージを発生させる。
回避難易度はいずれもHARD。
*回避判定後、全員が回避ダイスを最大値まで回復してから次の戦闘シーケンスを開始する。
このの後、マップ上にはドラゴンベインを始めとしてスクリーマー、セスタスマスター、ヒステリシス、バードライムらアマクダリ・セクトのニンジャが次々とエントリーする。彼らの目的はPCらアシッドウルフ勢力の排除だ。
戦闘マップの推移
この戦闘におけるマップは大まかに、共有通路、アパートメント、ベランダ、道路の4エリアに分かれている。前者は屋内、後者は屋外とみなされる。メインとなる戦闘エリアはアパートメント内部だが、PCや敵が逃走を考えた場合などにはベランダを経由して道路に戦闘エリアが移行することになる(ベランダから階下に移動した時点で移動が終了する)。
なおこのマップの上空にはアマクダリが派遣した2機の武装ヘリが待機しており、屋外に出たPCを攻撃してくる。窮地に陥ったアマクダリ・ニンジャは外へ逃れてヘリ支援を受けようとする、としても良いだろう。
◆武装ヘリ (種別:戦闘兵器/大型)
カラテ - 体力 10
ニューロン 3 精神力 -
ワザマエ 6 脚力 12
ジツ - 万札 5
◇装備やスキル
ガトリングガン:遠隔武器、連射3、範囲射撃2x2(範囲内すべてにダメージ)、ダメージ2
アンタイニンジャ・ライフル:遠隔武器、ダメージ1、回避HARD
※毎ターンどちらかの銃器で射撃する。
『●増援投下』:
手番開始時、瞬時行動として隣接マスに3体の『オナタカミ・トルーパー』をPOPさせても良い。
ただし、POPしたトルーパーはこのターンの間、行動することができない。
シナリオ中1回までの使用。
味方NPCの処理
NMは味方NPC1体あたり、敵対NPC1体をカラテラリー状況に持ち込んで排除してくれるものとして扱う(つまり、2体のアマクダリ・ニンジャをマップから排除することができる)。
一方で物語の盛り上がりを考えると、ドラゴンベインなど極めて強力なニンジャはこの対象とできないものとするか、味方NPC2人がかりでようやく1人をマップから排除できるものとすることが望ましい。
乱戦スキル(特殊ルール)
訓練を受けたアマクダリ・アクシスのニンジャが大量に現れるこの戦闘においては、『乱戦』のルールが適用される。さらに、すべての敵NPCニンジャには『●乱戦スキル』が付与され、特殊な効果を発揮する。
『●乱戦スキル』は、所有者が直前のターンに、何人の敵(すなわちPC)から攻撃を受けたかによって効果が変化する特殊なスキルである。これらには効果が2つ用意されており、少なくとも1人から攻撃を受けた場合は『効果2』が使用不可となり、2人から攻撃を受けた場合は完全に効果を失ってしまう。
◇NPCデータ:ドラゴンベイン
ドラゴンベインはツラナイテタオスによる強襲降下でエントリーを果たすが、戦闘エリアは極めて狭い室内のため、すぐに素手に切り替えて戦闘を行う。とはいえこれは弱体化や枷の類には当たらず、むしろ身軽になった分、防御性能は向上し、また攻撃でも武器を持っていた場合に匹敵するほどの火力を誇る。事故防止のためにも、ドラゴンベインは最も強い(≒体力と回避ダイスが最も多い)PCにぶつけて戦闘させるのが良いだろう。
もしドラゴンベインを残してアマクダリニンジャが全滅した場合、ドラゴンベインはツラナイテタオスを伴ってアパートメントの外(=道路)まで速やかに移動し、撤退を試みる(そしてアマクダリによる爆撃が始まる)。PLがどうしてもドラゴンベインとの決着を望む場合、PCの人数と合計数がイコールになるように「武装ヘリ」を追加でPOPさせる。
◆ドラゴンベイン(種別:ニンジャ)
カラテ 15 体力 27
ニューロン 7 精神力 13
ワザマエ 8 脚力 5/E
ジツ 5 万札 30
攻撃/射撃/機先/電脳 15/8/7/7
回避/精密/側転/発動 15/8/8/12
◇装備や特記事項
**ツラナイテタオス** (所持ペナルティ【脚力】-2、反映済み)
**業物の西洋鎧甲冑一式** (【体力】+12、【脚力】-2、反映済み)
スキル:『●連続攻撃3』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、『●即死耐性』
『◉常人の3倍の脚力』、『◉トライアングル・リープ』、『◉鉄拳』、『◉スリケン急所破壊』
『◉◉◉忠誠心:アマクダリ』、『◉マーク・オブ・アマクダリ』
『**ツラナイテタオス**』: 以下のルールを持つ特殊な「超大型武器」とみなす
『攻撃難易度:U-HARD』、『ダメージ3』、『痛打+1』、『連続側転難易度:U-HARD』
『●戦闘スタイル:ツラナイテタオス回転斬撃』、『●戦闘スタイル:串刺し』
『●戦闘スタイル:ツラナイテタオス回転斬撃』:
連続攻撃上限1。『痛打』『サツバツ!』発生なし。カウンター不可。回避難易度HARD。
【ワザマエ:HARD】で判定し、隣接している敵全員に1ダメージと『弾き飛ばし』を与える。
【6,6】:隣接している敵全員に1ダメージを1回ではなく2回与える。
【6,6,6】:隣接している敵全員に1ダメージを1回ではなく3回与える。
『●戦闘スタイル:串刺し』:
『攻撃ターゲット1体固定』『リーチ+1』、『装甲貫通1』、『拘束攻撃(脱出:U-HARD)』を得る。
隣接している敵を『拘束』することに成功した場合、その敵を強制的に1マス後退させてもよい。
『●ハタモトの矜持』:
・マップ上の味方のニンジャが爆発四散、もしくは撤退するたびに『緊急回避ダイス』を+2する。
・『サツバツ!』などによる能力値ダメージを受けたとき、【精神力】1を消費して無効化しても良い。
・『●即死耐性』によるダメージ変換を『痛打+2d6』まで軽減する。
『●乱戦スキル:古強者英雄』:
ドラゴンベインからマークを外す、あるいはその動きに着いていけなければ
彼はイクサ場を縦横無尽に跳び回り、その圧倒的なカラテで敵を殺しまくる。
効果1:『モズ・ダイブ』と『ツラナイテタオス投擲』が使用可能となる。
効果2:『モズ・ダイブ』が閉所でも使用可能となり、【精神力】コストが0となる。
『★★モズ・ダイブ』:2ターン連続使用不可
【精神力】を1消費し、移動の代わりに使用(ジツ発動:HARD)。
視界が通る任意のマスへと移動し、隣接する敵1体へダメージD3(装甲貫通2,回避HARD)を与える。
このときドラゴンベインはさらに、続く『攻撃フェイズ』において通常の近接攻撃を行える。
※『●乱戦スキル』の効果を得ていない限り、『屋外』でしか使用できない。
『●強襲降下』:
『モズ・ダイブ』使用時、『ツラナイテタオス』を装備している場合、その効果を置き換える。
視界が通る任意のマスへと移動し、隣接する敵1体へダメージ5を、その他の敵へダメージ1を与える。
このときドラゴンベインはさらに、続く『攻撃フェイズ』において通常の近接攻撃を行える。
『●射撃スタイル:ツラナイテタオス投擲』:2ターン連続使用不可
『連射1』、『ツラナイテタオス』装備時のみ使用可能。【ワザマエ】HARDで射撃判定を行う。
タテ、ヨコ、ナナメのいずれか1方向をターゲットとして宣言する。射程は無限である。
ツラナイテタオスは宣言された線上を貫通しながら飛び、射撃者から近い順に
最大3体の敵へと以下のダメージを与える
1体目:3ダメージ、『回避:HARD』、装甲貫通2
2体目:3ダメージ、『回避:HARD』、装甲貫通1
3体目:3ダメージ、『回避:HARD』
『●ツラナイテタオス引き戻し』:
『ツラナイテタオス投擲』を使用すると、装備中の『ツラナイテタオス』は失われる。
ただし『移動フェイズ』で1行動を消費することで、それを鎖で手元に引き戻すことができる。
◇NPCデータ:スクリーマー
スクリーマーはあちこちから鋭い骨が皮膚を突き破って生える巨大なバイオ腕を持ったニンジャだ。この腕は血中カラテを消費して過剰に生成される骨質クナイを射出するバイオバルカン砲になっており、もっぱら凄まじい弾幕で敵を制圧する戦術兵器的な運用をされている。
◆スクリーマー(種別:バイオニンジャ)
カラテ 6 体力 15
ニューロン 7 精神力 7
ワザマエ 9 脚力 6/N
ジツ 0 万札 25
近接D:6、射撃D:9(12)、回避D:6
◆装備や特記事項
装備 :なし
スキル :『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、『◉バイオニンジャ化』
『◉忠誠心:ヨロシサン』、『◉シャープシューター』
サイバネ:『▲▲▲▲戦闘用バイオトルソーLV2』、『△バイオ脳内物質分泌』
『過剰生成バイオ骨質クナイバルカン』:
遠隔武器、スリケン、連射+2、回避ダイス-3、時間差可、マルチターゲット
※手番開始時に【精神力】1消費でさらに連射+2(合計で連射+4となる)。
『●乱戦スキル|範囲制圧射撃』:
スクリーマーは極めて戦術的にバルカン射撃を行い、敵の動きを封じ込める。
効果1:『過剰生成バイオ骨質クナイバルカン*2』使用時の【精神力】コストが0になる。
効果2:敵のあらゆる攻撃判定ダイスを-4する。
◇NPCデータ:セスタスマスター
セスタスマスターは伝統的なローマスタイルの装束に一般的な体躯を包んでいるが、そこにはビッグニンジャ・クランのソウル由来の爆発力とそれらを底上げするサイバネティクスが隠されている。
◆セスタスマスター(種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 17
ニューロン 4 精神力 8
ワザマエ 7 脚力 6
ジツ 2 万札 25
近接攻撃D:10、射撃D:7、回避D:6
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『☆ビッグニンジャ・クラン』
『◉頑強なる肉体』、『◉◉タツジン:ボックスカラテ』
サイバネ:『▶テッコLv1』、『▶生体LAN端子Lv1』、『▶▶クロームハートLv2』
『*鋲付きセスタス*』:
近接武器、素手、近接攻撃D+2
『●かばう』:
隣接している味方が攻撃対象となったとき、強制的にそのターゲットを自身に変更しても良い。
範囲攻撃はこの対象とできない。1ターンに1回までの使用。
『●連携スキル|パアリング』:
セスタスマスターは古式ボクシングの防御術に長けており、敵の近接攻撃を容易に無効化する。
効果1:『かばう』の効果範囲を、自身を中心とする5x5の範囲内に拡張する。
効果2:『かばう』による回避判定難易度を-1し、味方全員の「回避ダイス」を常に+1する。
◇NPCデータ:ヒステリシス
ヒステリシスはヌンチャクの鎖を断ち切り、鎖を強靭なバネに置き換えたフレイルのような武器を扱う。閉所での密集戦や乱戦においては不利だが、彼はこれをショート・ボーのように持ち替えることで戦況に柔軟に対応することができる。
◆ヒステリシス(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 7
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 8 脚力 5
ジツ 1 万札 15
近接D:6、精密D:10、射撃D:10、回避D:8
◇装備やスキル
スキル :『●連射2』、『◉特殊近接ステップ』
サイバネ:『▶サイバネアイLv1』
防具 :『タクティカル・ニンジャスーツ』
『*ダブルスプリング・ボー*』:
近接武器、二刀流、ダメージ1、連続攻撃+1、近接攻撃リーチ+1
『◉フレイル・ドー』:
このニンジャは隣接していない対象を攻撃するとき、
判定に出目【6】が含まれる攻撃は『痛打+1』となる。
『●乱戦スキル|鎖物』:
ヒステリシスは変幻自在のフレイル・ドーにより死角から攻撃を繰り出し、味方を支援する。
効果1:隣接している敵にも『フレイル・ドー』の効果が発動する。
効果2:味方全員の「回避ダイス」を常に+3する。
◇NPCデータ:バードライム
バードライムは麻痺毒タタミ針やワイヤートラップなどをジツと組み合わせて戦う、油断ならない支援型のニンジャだ。彼単体ではそれほど脅威にならないが、カラテ強者が居るこのイクサでは、ジツの影響を受けて隙をさらすことは致命傷に繋がりかねない。
◆バードライム(種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 8
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 5 脚力 5
ジツ 4 万札 15
近接D:7、射撃D:7、回避D:7
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『◉常人の三倍の脚力』、『◉挑発』、『☆◉遅効毒』
ジツ :『☆カナシバリ・ジツ』、『★ドク・スリケン』
サイバネ:『▶サイバネアイLv1』、『▷レーザーアイ』
防具 :『カーボン強化ニンジャスーツ(体力+1)』
『●射撃スタイル:麻痺毒タタミ針』:
麻痺毒を塗布したタタミ針を音もなく放ち、敵の動きを封じ込める。
ダメージ0、回避ダイスダメージ2、脚力ダメージ1、スリケン。
この射撃が命中すると、敵は不覚状態となり以降は受ける「回避ダイスダメージ」が3となる。
『●乱戦スキル|甘言』:
バードライムはトラップや視線誘導によるフーリン・カザンの構築に長けている。
効果1:『麻痺毒タタミ針』に『連射+1』、『●時間差』を追加する。
効果2:『麻痺毒タタミ針』に『回避難易度+1』を付与する。
シーン4:トーテムの出現と混乱
NMは敵ニンジャが1~2体爆発四散する、3Tが経過するなどしたタイミングでこのイベントを発生させる。ここで現れたフィルギアは誰が誰かわからず、「鷲のニンジャとやらはどいつだ?」と尋ね、それに対するリアクションによってPCとドラゴンベインはお互いに「鷲のニンジャ」というキーワードを認知していることを知る。事態は極めて緊張状態に陥るだろう。
間延びした展開を避けるため、NMはここからイクサ場を階下に移行させるなどシチュエーションの変更を行っても構わない。いずれにせよ、アマクダリ・ニンジャとの決着がつくか、合計で6ターンが経過した時点でソウカイヤのニンジャが現場に駆けつけ、状況判断によりアマクダリは撤収してゆく。
ライトニンググローブはこの混乱に乗じ、下水道に築いた脱出経路と地上を(地下に居るメガヒンジが行使する)ドンデンガエシで繋いで脱出しようと、味方が一箇所に集まるよう誘導するだろう。おそらくはフィルギアもそこに着いていこうとするはずだ。
託される任務
ドンデンガエシで下水道に避難した一行は、ブルームキャットがドラゴンベインに負わされた傷が予想以上に深いことを改めて確認する。彼女は自身の傷の状態を鑑みて、アシッドウルフから下された任務の遂行をPCに託そうと考えるだろう。
斥候の結果、ブルームキャットは逃走中のシロウが現在アマクダリに接触を図っていることを掴んでいる。彼女がアジトに戻ってきたのは、もともと万が一の状況を考えて手勢を集め作戦を練ろうと考えていたからだ。自信が想定外の傷を負ってしまった今、ライトニンググローブとメガヒンジだけでは圧倒的に手が足りない状況だ。
一方で、現れたフィルギアはブルームキャットとライトニンググローブを別の場所へと移らせると(メガヒンジはこの場にいない)、細部をかなり簡略化した内容で『トーテム・アンド・タブー』と同じ情報を手早く語り、アシッドウルフに従うことはないとPCへ訴えかける。
PCはまずここで、ブルームキャットの力になるのか、あるいはフィルギアの言葉を信じるのかを選択することになる。ただし、これまだRP的な判断にすぎず、PCはどちらを選択しても構わないし、ここでの回答と最終的な行動を別にしても良い。
アシッドウルフからのコンタクト
PCが次なる行動方針を決定したとき、アシッドウルフがBチームのPCへ新たなIRC回線を介して接触してくる。連絡を入れた目的は「BチームのPCの現状把握」と「1日後に彼と合流するポイントの伝達」である。
想定される質問への解答は次の通りまとめられている。PCが現在掴んでいる情報について、何をアシッドウルフに伝えるかによって、彼が優先する指令は変化する。
決断:物語の分岐について
こうしてブルームキャット、アシッドウルフ、フィルギアと3者の視点からの情報を手に入れたPCは、最終的にどのように行動するのか決断を迫られる。そして、ここでの決断によって、『トーテム・アンド・タブー』側の√Aチームの次のシナリオ展開も変化することには注意が必要だ。
◇報酬(PC1人あたり)
基本報酬:20万札
※爆発四散させたキャラクターの所持万札は除く。
また余暇は与えられないが、ブラックマーケットで買い物を行うことはできる。
補足コメント
シナリオタイトルの由来となったのは、ヨハネによる福音書8章32節における「そして、あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にします。」という一節です。福音書において、このように言われたユダヤ人たちは「我々は誰かの奴隷になったことはなく、既に自由な存在である」とイエス・キリストに反発します(実際にはローマ帝国に支配されているにも関わらずに、です)。
ややデリケートな話題となりますが、このシナリオにおいてはブルームキャットやドラゴンベイン、フィルギアなど様々なキャラクターとの接触を通じて『真理』に触れつつ、それに反発するプレイヤーキャラクターたちの姿を、その『ユダヤ人』になぞらえているのです。
しかしながら、何が彼らにとっての『真理』であり、そして"誰"がその言葉を投じる『イエス・キリスト』なのかはこの時点で(彼らの視点では)まだ極めて曖昧な状況にあることも事実です。
当然、物語としての真実は定められていますが、本シナリオにおいては特に、彼らが誰を信じ、どのように行動するのか……そして最終的に何者になろうとするかによって、彼らの目を覚ます『イエス・キリスト』の"正体"が明らかとなるという、ややダークな要素が盛り込まれているのもこのシナリオの特徴となります。
とはいえ、上記のような内容を踏まえると、【フォールス・ウインター】シリーズ全体における、PCにとっての『イエス・キリスト』は『アシッドウルフ』その人で間違いないでしょう。彼は偽の『真理』を与えてきますが、彼を真に信じさえすれば、恐るべき高みに到れるのですから。
いずれにせよ、すべては彼らの主観的な問題であり、根底にある『偽りによる奴隷化』を脱却することが物語全体を通して重要なポイントとなります。たとえそれによって、『イエス・キリスト』と対峙する事になったとしても、彼らは走り抜けた結果、何らかの『真理』を得て自由になることでしょう。
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