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【NJRPG/ソロリプレイ】アーティキュレーテッド・ニンジャ・フィデリティー

『ヘルカイト=サンが消息を経ったとなれば、何らかの強敵に襲われたとしか思えませんね。暗黒メガコーポか、それとも、恐るべきネオサイタマの死神か……』重金属酸性雨が降りしきる中、小型ドロイドが赤色LEDを明滅させ長身のニンジャに語りかけた。「おいD6、そんなことはな、言われなくても分かってるんだよ。嫌な予感しかしないぜ.....」

@NJSLYRで数度開催されている「ニンジャスレイヤーTRPG」のソロプレイアドベンチャー。第3回目にして初めてリアルタイムで参加することができたので、そのログを元にリプレイを書くなどしてみました。

Twitterでプレイしようかとも思いましたが、淡々とロールプレイするのも恥ずかしいので、Discordのプライベートサーバーでこっそりダイスを転がしてプレイしています。

◆ニンジャ創造メント

ソロプレイアドベンチャー自体が初プレイだったので、新規キャラクターを想像することにしました。ノー・フューチャー過ぎるニンジャを引いてしまったらどうしようと思いつつ、ダイスを転がした結果がこちら。

◆ディファイルメント
カラテ		3	体力		3
ニューロン    	6	精神力		6
ワザマエ		5	脚力		3
ジツ		0	万札		0
							
◇装備や特記事項
 ウィルス入りフロッピーディスク、戦闘用バイオサイバネ
1d6 + 1d6 + 1d6 カラテ、ニューロン、ワザマエ = (3)+(6)+(5) = 14
1d6 ジツ = (1) = 1
1d6 アイテム = (4) = 4
1d6 サイバネ = (6) = 6

うーん?未来ある若者のようですが、どれも微妙に噛み合わない組み合わせ。ハッカーニンジャかと思っていたらバイオサイバネを引くなんて.....。

ジツまでロールしたところで「ディファイルメント」という名前を仮に与えていたのですが、バイオサイバネのせいでなんか意味深な感じに。具体的にナニとは言いませんが、ガンダルヴァ=サン的なアトモスフィアが、こう。

◆なお彼の名前は、その時聴いていたアルバムの曲名から無作為に選択されています。猥褻が一切ない◆

サイバネだけ振り直そうかとも思いましたが、何らかの相乗効果があるかもしれないということで、彼をそのままネオサイタマに放り込むことにしました。カラダニキヲツケテネ!

◆ネオサイタマへ

「ファック、オフ!」その男は緊急IRCを認めると酷く悪態をついた。彼は適当に引っ掛けたカワイイな娘とネンゴロするところだった。「エッ?」「仕事だ」「帰ってくる?」「あ?死ななかったらな」頬を赤らめたカワイイは目を白黒させている。気の毒な女だ。

男はカワイイと別れると、合流地点へと移動を開始した。ファックオフ。シンジケートは絶対だ。ファックオフ。

『ドーモ、モーターロクメンタイです。やっかいなミッションに巻き込まれてしまったようですね。でも大丈夫、私が近くにいてナビしますよ。』

合流地点に現れたのは、宙に浮く小型のナビ・ドロイドだ。その呼びかけの相手であるニンジャ、すなわちディファイルメントは彼をD6と呼ぶ。

ヘルカイト=サンが消息を経ったとなれば、何らかの強敵に襲われたとしか思えませんね。暗黒メガコーポか、それとも、恐るべきネオサイタマの死神か……』重金属酸性雨が降りしきる中、小型ドロイドが赤色LEDを明滅させ長身のニンジャに語りかけた。「ドーモ。おいD6、そんなことはな、言われなくても分かってるんだよ。嫌な予感しかしないぜ.....」

おっと、怖がらせてしまいましたか?大丈夫、単に強風でカイトが壊れて墜落しただけかもしれませんよ。さっそく調査に行きましょう!』

バカ言え、厄介事のにおいがするって話だ。"あの"ヘルカイト=サンがやられたって言うんだろ?」ディファイルメントはヘルカイトに関する様々な噂を思い出し、顔をしかめた。

あなたはニンジャなんですから、きっと何とかなりますよ。私が下調べをしておきました。あなたを怪しい廃工場前まで案内します』

「なんとかなるかどうかじゃなくてな、俺は自分が行きたいかどうかを大事にしたいんだよ。はぁ.....」口先では抵抗しても、彼はついて行かざるを得ない。シンジケートは絶対で、猶且つ今の彼には借金がある。否が応でも稼がなくてはならないのだ。

◆廃工場

『見てください。所属不明のクローンヤクザY-10型が1体、守りを固めているようです。マシンガンを持っていますよ。廃工場なのに、怪しいですね!』

「やれやれ、確かに大層な武装だな。けどニンジャがヤクザに撃ち落とされるかぁ.....?」2人は眼前の廃工場に対する疑念を募らせる。ヘルカイトは仮にもシックスゲイツのひとり。ヤクザごときにやられるはずもない。では一体、ここで何が起こったのだろうか.....?

『ヌンヌン。悠長なことをしている暇はないですよ。早くあのY-10型を倒して先に進みましょう』

「人使いが荒いぞチビロボット。ったく.....イヤーッ!」「アバーッ!」ディファイルメントは無造作にクナイ・ダガーを投擲!クローンヤクザ死亡!『ワザマエ!』「よぉし、いい調子だ。D6、とっとと終わらせて帰るぞ」

ディファイルメント ワザマエ 5d6>=4 = (3 3 4 3 6) 成功
ここでディファイルメントが関節拡張バイオサイバネをインプラントしていることに決めた。右腕がなんか伸びる。

『おや、これはもしや、西のニンジャ組織、ザイバツ・シャドーギルドの紋章では……?』「ゲッ、まじかよ。ザイバツ相手はシャレにならないぜ.....」D6が示した奇妙なバッジを嫌そうにつまみ上げる。

ザイバツ・シャドーギルドとソウカイ・シンジケートは、熾烈な敵対関係にある。これがザイバツ絡みの案件ならば、穏やかに事を済ませることは非常に難しいだろう。

『もしここが本当にザイバツの隠しアジトならば、ヘルカイト=サンが心配ですね……。』「あ?心配なのは俺の身の安全だっつーの.....やな仕事だぜ」『まぁそう言わずに』ディファイルメントはバッジを放り捨てると、調査を進めるため、暗い廃工場の中へと足を踏み入れた。

ディファイルメント 万札:0>1

『重点!重点!クローンヤクザ警備ですよ』廃工場に忍び込んだ2人は巡回クローンヤクザと遭遇する。ディファイルメントはクナイ・ダートによる狙撃を得意とするニンジャだが、この閉所で飛び道具はやや不利だ。カラテは得意ではない。放置しておく手もあるが.....。

「うろつかれても面倒だ。イヤーッ!」「グワーッ!?」彼の移植したバイオサイバネティクスは何も狙撃にしか使えないわけではない。忍び寄るニンジャの奇妙にしなる手刀がクローンヤクザの首を切断!自在の優れたリーチがムチめいてカラテ遠心力を増幅し、恐るべき破壊力を生み出すのだ!

ディファイルメント カラテ 3d6>=4 = (6 1 2) 成功
ディファイルメント 万札:0>1

『やはりこのクローンヤクザも、同じバッジをつけていますね。ザイバツが関与していることは間違いなさそうです。先へと進みましょう』(進みたくねぇよ)ディファイルメントは文句を圧し殺すと、黙って階段に足をかけた。借金の返済期限は迫っており、現状実入りは少ない。

◆49階

「おいD6、もう何階分登った?49階建ての工場ってなんだ?ええ?」もしやここは、かつて噂されていた弾道マグロミサイル工場の跡地なのではないだろうか。『あ!見てください、明かりが』ディファイルメントがぼんやりと考え込んでいると、D6が光の漏れ出す部屋を発見する!

恐る恐るドアを開いた先は広い部屋に繋がっていた。拷問に使われたと思しき椅子が置かれ、その周囲には爆発四散痕!「ヒュー.....コイツは穏やかじゃないな」『もしやヘルカイト=サンはもう.....』D6が不安そうにLEDを明滅させる。

「やれやれ、勘弁してくれよな本当」彼は頭をかいた。借金の返済期限が迫っている以上、確実な収入が期待できない状態ではおいそれと逃げ帰るわけにもいかないのだ!

なおバッジは投げ捨てていた。

「あれはヘルカイト=サンの.....本当にやられたのか.....?」探索を再開したディファイルメントはシックスゲイツの所持品らしきカイトを発見する。状況から見て、今回の件がただのインシデントである可能性は限りなく低くなった。(残された手掛かりは.....)彼は机上に鎮座するUNIXに目を向ける。

ヘルカイト=サン、普通にやられてるー!?もはや強力なエネミーが登場することを確信していたので、いつどこから襲われるんだ!?と以降は恐々としながら進行することになってしまった。完全にホラーRPGだ。

◆ハッキング

「やれやれ、虎の子を使ってみるとするか」彼は最新の流行に詳しいので女子高生にもモテる。その"最新"には当然テックも含まれ、ひいてはハッキングにもそれなりの心得があった。もちろん専門家には劣るのだが、その差を埋める道具を持ち合わせていないわけではない!

『ヌンヌン。なかなか厳重なセキュリティーですよ。おや、それは?』D6はディファイルメントが取り出したフロッピーディスクに目を留める。「あ?マーケットで仕入れたクラッキング・ウィルスだ。俺はプロじゃないからな。こういう道具にも、頼る」彼はフロッピーを挿入し、UNIXのハッキングに取り掛かった。

ディファイルメント ハッキング(ウィルス入りフロッピー)6d6>=4 = (1 2 4 4 3 4) 成功
ディファイルメント フロッピー消費判定 1d6 = (4) 消費せず

……キャバァーン!電子ファンファーレが鳴り響く!ハッキングは成功だ!『おみごと!やりましたね』「ふーっ、焦るぜ。実際ギリギリだった。それでこいつは、ザイバツの情報か?」UNIXコンソールに書き出されていくのは暗号化された位置情報!

『まだ時間が掛かりそうですね。しばらくここで.....おや』部屋の奥にある鉄扉のロックが外れる。UNIXハッキング連鎖反応だ!「扉が開いた?後から後から問題が湧いて出てきやがる.....」(後ろから襲われても面倒だ。先に中を検めておくか.....)

調べに行かないと後ろから襲われるのでは?いやいやUNIXを離れると誰かにハッキングを中断されるのでは?奥に行くと敵にバレるのでは?とか色々と深読みしていたが、最終的に好奇心で奥に行くことにした。

「ヘルカイト=サン.....!?生きていたか.....!」『やりました。ヘルカイト=サンを発見です!』「ソウカイヤの…救援か……?ありがたい。偵察中に不意を打たれた。ここはザイバツのアジトだ……!」ALAS!ヘルカイトは酷く傷つき、檻の中に閉じ込められている!

(バカな.....裏では色々と良くない話もあるが、ヘルカイト=サンはシックスゲイツに登り詰めた実力者。不意打ちとはいえ、そう易々とやられるわけがない!)ディファイルメントの背中を嫌な汗が流れる。

(ここで始末すれば、回収した情報で俺が次期のシックスゲイツに成り上がるチャンスも生まれる.....だが、彼を倒したニンジャを俺一人で相手取れるか?)ニューロンを高速回転させ、ディファイルメントは決断を下す!

このヘルカイト=サンが本物なのか、そもそも救出したところでPCにとって有利に振る舞ってくれるのか.....大分迷った末に決断を下した。

「ヘルカイト=サン、しっかりしろ!」ディファイルメントはヘルカイトを抱えて助け出す!顔が近い!医療キットがありました。きっとZBRも中に!』D6は忙しなくLEDを明滅させ、医療キットの場所を指し示す!

応急処置によってヘルカイトは幾らかの気力を取り戻す。しかし....。『ダイジョウブですか?ヘルカイト=サン?』「その様子だと.....はぁ、後は俺が」とても敵と戦えそうな状態ではない。

「恩に、着るぞ…」ヘルカイトは礼を言うと、奪われていた背負いカイトを装備しなおして風を捕え、UNIX部屋の窓から飛び立って行った。

加勢してくれるかと思ったのに.....!

◆抽出完了

『ヘルカイト=サン、無事に帰れるでしょうか?』(やれやれ、後は厄介事が増える前にデータを頂いて撤収しよう)2人はそれぞれ別の心配事をしている。

「コイツは.....」ディファイルメントはデータ抽出フロッピーを引き抜くと、UNIXコンソールの表示を覗き込んだ。(ヤバイ情報だぜ。ザイバツがすぐそこまで迫ってきていたとは.....)

『ザイバツの攻撃計画!すごい情報が手に入りました。あなたの勇気と行動力は、高く評価されるでしょ……おや、ちょっと待ってください!あれは!?』D6が途端に慌てだす!

「ナニヤツ.....!」

「ソウカイヤの犬がまた一匹迷い込んだか…?ドーモ、ブラックドラゴンです」威圧的キリングオーラを纏ったアイサツ!「チッ.....そう言うそっちは這い回るザイバツのトカゲか?ドーモ、ディファイルメントです」ディファイルメントはクナイを逆手に構えカラテ警戒!

(ヤバイ、絶対にヤバイ。コイツからはそこらのサンシタとはわけが違うカラテを感じる.....!ヘルカイト=サンを倒したのはコイツだ.....!)ディファイルメントの非凡なニンジャ第六感が警鐘を鳴らしていた!

『大変です!ブラックドラゴンといえば、ザイバツ・シテンノの一人!勝てる相手ではありません!』「D6!黙っ「イヤーッ!」彼がD6に気を取られた一瞬、ブラックドラゴンは連続側転で一気に距離を詰める!2者は既にワン・インチ距離!

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」ブラックドラゴンの強烈なカラテストレート3連打!「こ、コイツ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」ダッキング!側転!ブリッジ回避!ディファイルメントはニンジャ第六感を駆使し、未来予知めいた紙一重の連続回避を繰り出す!

ディファイルメント 回避 3d6>=4 = (5 5 2) 成功
ディファイルメント 回避 3d6>=4 = (6 6 4) 成功
一瞬レッドドラゴン=サンがIRC混線したりしたが、ネオワラキアではよくあることだ。強大なリアルニンジャでも磁気嵐には勝てない。わかったか。

「ハッ!悪いが、男の相手はまっぴら御免でね!サラバ!」(肌のふれあいは女とだけで十分なんだよ!)ディファイルメントは冷や汗をかきながらD6を左手で掴み取ると、目にも留まらぬ連続側転でUNIXルームの窓から飛び出した!『ピガガーッ!?ディファイルメント=サン!?』

ディファイルメント 連続側転 6d6>=4 = (2 4 4 2 1 3) 成功

「イヤーッ!」KRAAAAASH!ディファイルメントは廃工場49階の窓をつき破り、重金属酸性雨が降りしきる夜のネオサイタマへと飛び出す!しかしブラックドラゴンも彼をただで逃がすつもりはない!

「ソウカイヤめ.....逃さぬぞ.....!」危険なカラテの構え!

マズイ、何か大技が来る!「イイヤーッ!」錐揉み回転しながら牽制のクナイ連続投擲!「フン!随分と惨めに足掻くものだ。死ね!この廃工場がお前のオブツダンだ!」ブラックドラゴンは無造作に片手でクナイを払いのけると、黒眼に残忍な殺意を湛えさせ、窓枠を蹴って宙へと飛び出した!

(シマッタ!こうなればヤツのカラテをカラテ相殺し、カラテ反動加速して逃げるほかない.....!)ディファイルメントは空中でおぼつかないカラテを決断的に構える!ブラックドラゴンは殺人的急降下トビゲリを繰り出す.....!


その時.....!


「「イヤーッ!」」「グワーッ!?」急降下トビゲリを繰り出すブラックドラゴンに対し、白い影が強烈なインタラプト滑空攻撃を繰り出した!「あれは.....!ヘルカイト=サン!た、助かった!」「借りは返したぞ」ヘルカイトの介入であった!

ディファイルメントはその空中戦を目に焼き付けながら、クナイ・ダガーをビル壁に突き立て、減速しながら地上へと降下していった。


◆トコロザワピラー

「ドーモ、ラオモト=サン。きょ、恐縮です.....!」シンジケートの首領はディファイルメント本人が想定していた以上の評価を彼に下した。確かに、手に入れたものが非常に有益な情報であることは否定しない。だが.....。これは雲の上の存在の単なる気まぐれなのだろうか。

ディファイルメント 万札:2→22
ディファイルメント 名声:0→3
ディファイルメント ローン返済:万札:22→12

◆◆◆

(ハッ、ヘルカイト=サン.....ね。アンタについちゃ色々噂を聞いてるが.....俺は確かにソンケイと忠誠を感じたぜ)

トコロザワピラーの長々としたエレベーターに揺られながら、長身のニンジャはシックスゲイツへの評価を少々改める。彼に残された今日の仕事は、適当にカワイイを引っ掛けて抱くことだった。

◆あとがき

オツカレサマドスエ!Discordで他の方々のプレイも拝見し簡易実況メントをしながらプレイしていたのですが、色々と予想外な展開があり、裏でも静かに盛り上がりながらと楽しいソロアドベンチャー体験になりました。

ディファイルメント=サンのRPは実プレイほぼそのままなので、混入したバイオサイバネの設定と合わせて、シナリオが進行するにつれてなんとなーくキャラ付けが定まっていく様子が分かっていただけたかなと思います。

少々意外だったのは、独り言ばかりもなんだと思ってD6との対話風にRPをした結果、なんだかんだで2人の仲が良さそうになったことでした。そんなわけで、リプレイではD6の発言を加筆して、彼らの掛け合いを少しばかり重点しています。

ディファイルメント=サン、D6、ヘルカイト=サン、それからカワイイがまたネオサイタマのどっかで上手くやってくれていると良いですね!

◆忍◆ ニンジャRPG名鑑#XXX 【ディファイルメント】 ◆殺◆
長身のソウカイニンジャ。
隠匿された関節拡張バイオサイバネを活かし、クナイ・ダートによる狙撃めいた芸当をこなす。
非常に好色で常に複数の女性とネンゴロ関係を築いている。

「アーティキュレーテッド・ニンジャ・フィデリティー」終わり

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