見出し画像

【VISIONING VOICE Magazine #23】 「充実した”ソロ”がつくる新しい市場」 〜株式会社ホーン 代表取締役 松本 直樹さん〜

NEXs Tokyoが主催する、ローカルおよび国内外の広域展開に挑むスタートアップが”次のステージ”に向かって羽ばたくために、サポートをしてくれる人やファンと繋がる番組VISIONING VOICEをインタビュー記事としてまとめたマガジン「VISIONING VOICE Magazine」📖

「VISIONING VOICE」はNEXs Tokyoと日経グループがコラボし、次のステージを目指すスタートアップ企業の3つの「カクシン(核心・革新・確信)」に迫り、起業家の想いを深堀りします。
パーソナリティは、長年スタートアップを取材している日本経済新聞社・上田 敬さんとNEXs Tokyoコミュニティスタッフ・閏野が務め、番組をお届けしています。

今回はJUMPコース(東京発)のスタートアップ、株式会社ホーン 代表取締役の松本直樹さんにインタビューさせていただきました!


<登壇者プロフィール>
松本 直樹(株式会社ホーン 代表取締役)
大手HR系コンサル会社を経験後、2社コンサル会社の創業・新規事業の立上げに関わり、2018年に株式会社ホーンを創業。自分自身がHSS型HSPとして、人間関係の摩擦からの一人時間の重要性、一人時間から生まれる偶発的なヒト・モノ・コトにとの出会いの可能性を感じながらも、一人時間を気軽に楽しめる世の中ではないことを課題に感じ、「ソロをもっと気軽に。ソロにゆるいつながりを」をコンセプトにソロ事業を展開。
一人外食アプリ「ソロメシ」に続き、一人旅マッチングサービス「ソロトリ」をローンチ予定。
株式会社ホーン 公式サイト:https://hone-corp.jp/
ソロメシ サービスサイト:https://www.solomeshi.jp/

充実した一人時間を実現する新ビジネス

一人外食アプリ「ソロメシ」を展開する株式会社ホーンの松本 直樹さん。一人で外食したり、旅行したりすることが難しく考えられがちな社会で、あえて「ソロ」に注目した事業を展開されています。

松本さん:私自身少し疲れた時に、自宅とは違う場所で一人の時間を持ちたいと思うことがあるのですが、一人で外食をするのも、一人旅をするのもハードルが高く感じていたことがソロメシ誕生のきっかけです。「ソロ」というと、独身者を想起しがちですが、既婚未婚関係なく、一人時間がほしいと思っている人は多くいることが市場調査の結果わかっています。また、生涯未婚率や離婚率が上昇傾向にある中、2040年には約4割が単身世帯になるといわれています。一方で、いわゆるおひとりさまに向けた情報もサービスもいまだ不十分で、一人イコール孤独、寂しいといったネガティブなイメージも強いのが現状です。

スクショ(事業紹介1) (1)

松本さん:ソロメシは、一人外食に特化した情報提供などを行っているアプリです。たとえば、一人用のメニューはあるのか、一人でも居心地よく過ごせる空間か、一人で訪れる人はほかにいるのか、など一人外食特有の知りたい情報というのがあります。また、「ソロメシパス」という、おひとりさま向けの限定メニューとワンドリンク無料がセットになったサブスクリプションサービスもリリース予定です。このサービスは2021年に広島で実証実験をおこなったところ非常に良い結果が出たので、人形町でも展開すべく準備を進めているところです。

スクショ(事業紹介2) (1)

松本さん:当社の事業で目指しているのは、単なる情報提供だけでなく、一人でいることのハードルを下げ、一人時間をより充実した豊かな時間にすること。そしてその先に、ゆるいつながりをつくることです。家と会社の往復だけの日々だったり、テレワークも増えたりしている中、人とのふれあいに対する渇望感はますます高まってきていると感じています。外食、旅からの出会いやライフエンディングまで「ソロ」の市場を拡大していきたいと考えています。

スクショ(事業紹介3) (1)

松本さん:具体的には一人旅に関するサービスを今後リリースする予定です。関係人口を増やしたいという自治体は多いのですが、現在は観光と移住の間が抜け落ちている状態です。コンセプトのある旅をつくり、観光客が「また来たい」と思い、受け入れる地域住民も「またおいでよ」と言える関係性づくりを目指しています。こうして、サービス領域を拡大していきながら、一人時間を楽しむ元気な人を増やしていきたいですね。

【核心】原点は人への興味

―― 起業された背景について教えてください。

松本さん:元々カウンセラーに興味があり、HR業界で研修の企画や、人事制度をつくる支援を行っていました。35歳ごろに自分でプロダクトをつくり、仕組みで世の中に貢献することにチャレンジしたいと思い、プログラミングスクールに通い始めました。そこで、ソロメシの元となるアプリを開発し、2018年に起業しました。

―― 経験されてきたHRとは全く異なる領域での起業となったのはなぜですか。

松本さん:プログラミングスクールで開発するアプリを企画する際、自分が課題と思うことをたくさん出したのですが、その中から形になったのがソロメシでした。事業拡大を検討する中では、「なぜ人は一人でご飯を食べに行くのか」や「一人で食事や旅ができない理由は何か」といった、人の気持ちや行動について深堀りすることが必要になります。一見、HRでの業務とは関係ないように見えますが、「人」について考えるという点で、HRでの経験と通じるものがあります。業界がBtoBからBtoCに変わったことで、世の中の人の潜在的な声に耳を傾けることが必要となり、そこに難しさと面白さを感じています。

【革新】「一人でいる=ネガティブ」からの脱却

―― 松本さんがアップデートさせたい課題は何ですか?

松本さん:一人でいることに対して、ネガティブな感情をもつ日本の文化を変えたいと考えています。なぜ一人で外食したり旅行に行けないかというと、周囲がどう思うかということより、本人が自分自身のことを「寂しい人」だと感じてしまったり、迷惑な客だと気にしてしまうことが根本的な原因であることがほとんどです。ではどうしたら一人で外食に行けますかと聞くと、「ほかに一人で食べている人がいれば私もその店に入れる」と答える人が多い。おひとりさま向けの情報を最適化することによって、一人でいることを気負わずに楽しみ、充実した時間を過ごせる人を増やしていきたいです。

【確信】ソロ活動が生み出す、ゆるやかなつながり

―― 松本さんの「欲しい未来」は何ですか?

松本さん:「ソロをもっと気軽に、ソロからゆるいつながりを」です。ソロの市場は可能性が大きい一方で、サービスの供給者と受け手の間でボタンの掛け違いがあり、可能性が活かしきれていません。たとえば、一人客は迷惑だというのも客側の思い込みで、実際にお店に聞いてみると大歓迎という返事が返ってくることが多いのです。しかし、店内を見てみると客席が2席セットで並んでいたり、メニューもシェアすることが前提のボリュームだったりします。席の配置やハーフサイズのメニューを用意するだけで、一人客が利用するハードルをぐっと下げることができます。まずは、こうした双方の齟齬を減らして、一人で気軽に利用できるようにするのが最初の段階だと思います。ただ、人は一人でいることを求めるのと同時に、その先にゆるいつながりも求めているものです。たとえば実証実験でも、店で知り合った一人客同士が二人で二件目に行くというような事例もありました。こうした強制された出会いではなくて、その場でちょっとしたご縁が生まれるような世界観をつくっていきたいです。実現が難しい領域ではありますが、その分最も興味深く、チャレンジしがいのある領域だと感じています。

―― ソロ活動に一歩踏み出しやすくするために、どんな取り組みをされていますか。

現在は「押しつけではないつながり方」をコンセプトに、サービスをリリースしようと頑張っています。
「ソロメシ」は当初、情報を探せることに価値があると仮説を立てて始めたのですが、実際はそれだけではナイスにはなるけれど、マストにはなれないんですね。マストになるためには、ソロ活動をされる方たちの心に寄り添うコミュニティづくりや機能が必要です。広島の経験からも、コミュニティは資産になると感じました。今後は、ゆるくつながることができるコミュニティづくりにも注力していきたいと考えています。

おひとりさま文化の担い手に

―― 最後に、松本さんがこれから叶えたいことや、どんな人に出会いたいか、教えてください。

松本さん:これから「ソロ」の文化をつくっていくということに共感していただける企業や自治体と繋がっていきたいです。特に、ソロのゆるいつながりをつくっていくことは弊社単独では難しく、お店や自治体と共にコミュニティづくりに取り組んでいく必要があると感じているので、ぜひ一緒にソロの新しい市場をつくっていけたらと思います。

画像5

―― 松本さん、ありがとうございました!

番組ではその他にも、広島で行われた実証実験の詳細など、松本さんの事業に対する熱い想いを聞くことが出来ます。youtubeアーカイブより視聴可能ですので、併せてぜひご覧ください!

次回はDIVE(地域発)コースのスタートアップ、ものレボ株式会社 代表取締役CEO 細井 雄太(ほそい ゆうた)さんにご出演いただいた#48の記事です!

■松本さん、株式会社ホーンさんの話を聞いてみたい、また、興味のあるみなさんは、コミュニティマネージャーにご連絡いただくか、下記メールアドレスへお問い合わせください。誠意をもって、コミュニティマネージャー・スタッフより繋がせていただきます◎

▶問い合わせメールアドレス
info@nexstokyo.net(NEXs Tokyo運営事務局)


NEXs Tokyoは現在、会員を募集しています。

NEXs Tokyoは東京都が運営する、業種・業界・地域を超えて挑戦するスタートアップのための事業。成長・連携の場としての『コミュニティ』と『モデル事業創出プログラム』という2つの特徴的な支援を提供します。 WEBページより、お気軽にお申し込み・お問い合わせください。

​VISIONING VOICEや、その他の番組はNEXs Tokyo公式Facebookページにて配信していますので、公式Facebookページへの「いいね!」もぜひお願いします👍
-------------------------------------------------------
そのほか、NEXs Tokyoに関する詳しい情報はこちらから◎
・Twitter :https://twitter.com/NexsTokyo
・YouTube:https://www.youtube.com/c/NEXsTokyo
-------------------------------------------------------

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?