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同人活動4年生、背伸びして創作論を書きました。

フィクションとは快楽装置の集積体です。
これはフォロワーの言葉なのですが、実際その通りで、受け手はフィクションから、承認欲求や知識欲、癒しや性欲……そういった様々な欲求を満たされ、作品に「面白かった」という判定を下します。
そして、その評価が作者にフィードバックされ、また次の作品を生み出す糧となっていく。
僕が4年間の同人活動で感じた創作とは、つまりそういうことでした。

  ◆

まず、本題に入る前に一つ確認しておきたいことがあります。

それは、「あなたにとって創作とは何ですか?」ということです。

同人界隈では、推しへの愛を表現できれば後は何もいらない──という主張が強いです。間違いない動機です。
けれど、我々はそんな高潔な動機だけではやって行くことが出来ない、どうしようもなく愚かで弱い生き物です。みんなそうです。

例えば創作をして褒められたい、感想を貰いたい、チヤホヤされたい。
これらも立派な目的で、確かこういった欲求を表立って大声で言うことはわざわざしませんが、誰だって大なり小なり思うところでしょう。

イベントに参加して、帰り道に友人とお酒を飲むのが目的だっていいです。
あるいは、同人で経験を積んでプロデビューすることを「ゴール」だと言う人もいるかもしれません。
お金を稼ぎたい……は、正直あまりおすすめ出来ませんが、立派な動機です。

もちろん、どれも間違いじゃないです。
創作には清も濁も併せ吞んだ色んな側面があります。

ただ、その中でも重要なのは「自分の目的」です。
ゴールがない創作活動というものはとにかく辛い……
何も達成感を得られず、モチベーションも保ちづらい……
だからこそ、自分は何のために創作をしているのか?
それをしっかりと認識することがとても大切だと、そう感じています。

このnoteを読んでいる、既に創作をしている方、これから創作を行う方、かつて創作を行っていた方も、いま一度考えてみてください。
「あなたにとって創作とは何ですか?」、と。

  ◆

例えば、主人公が暗闇を歩いていたとします。
すると、前方から怪しい何者かが歩いてきます。

もし、それが異形のモンスターであった場合、主人公は日常生活から外れてしまった恐怖を覚え、作品のジャンルはホラーになるでしょう。
主人公が異形を打ち倒す手段を持っていた場合、ジャンルは伝奇や能力バトルファンタジーになるはずです。
逆に江頭2時50分が現れたとした場合、ジャンルは当然コメディになっていきます。

つまり、緊張から解放されるカタルシスの方向性──つまり、作者が主人公(及び、それに感情移入している読者)に与えたい感情こそが、作品を定義付けていくのです。

先ほど「あなたにとって創作とは何ですか?」という質問をしましたが、
ここでもうひとつ質問を付け加えるとするなら、
「あなたは創作を通じて、読者にどんな気持ちを抱いてほしいですか?」という問いになるでしょう。

そしてそれは、先ほどの「あなたにとって創作とは何ですか?」という質問と接続されています。

例えば、僕にとって創作とは居酒屋の与太話です。
居酒屋でべろんべろんに酔っぱらいながら、
あのキャラクターを巨大化させてゴジラと戦わせたら面白いに決まっている。
今期やってる百合アニメのあのキャラは絶対手マンが下手だ。
【○○「仮想通貨? っていうのを始めようと思うんですけど……」】 ←このSSタイトルが似合うキャラ選手権。
などと根も葉もない、くだらないことを言うのが好きで、それを聞いた友人が笑ってくれると嬉しくて、それの延長線上で創作活動をしています。

だから、僕が創る作品は大体、
① 【主人公には解決しなくてはならないシリアスな問題があり、緊張した場面が続く】
② 【ある瞬間を境に、つい笑ってしまうような、おかしな世界観に変わっていく】
③ 【主人公が解決すべき問題が原因でシリアスな世界に引き戻され、彼は楽しかった世界を取り戻すため、重要な選択をする】
という構造になっています。

これは、序盤に緊張状態を作り、それを破壊することで笑いを引き出して存分に作品を楽しんでもらうことを目的としており、更にそれを失わせることで主人公、そして読者に、あの楽しかった世界に戻りたい……と、同じ気持ちになってもらう……という【つい笑ってしまうような、おかしな世界観】を魅力的に魅せる構成であり、序盤に提示した、
「あなたにとって創作とは何ですか?」
「あなたは創作を通じて、読者にどんな気持ちを抱いてほしいですか?」
という問いに「僕は居酒屋でやる与太話が好きなので、みんなも与太話を好きになってほしい」というアンサーをしているのです。

だから、僕にとって創作とは
「あなたにとって創作とは何ですか?」
「あなたは創作を通じて、読者にどんな気持ちを抱いてほしいですか?」
を突き詰めた先にある、それぞれの想いなのだと、同人活動4年生にしてぼんやり思うわけです。




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