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IMF(国際通貨基金)が銀行の脆弱さを懸念・米ケンタッキー州の銀行で従業員が銃乱射!動機は「解雇通知」

IMF(国際通貨基金)のチーフエコノミストが、銀行は「より不安定な状況」にあり、世界成長のリスクを生むと警告しています。

本日の動画はこちらから https://youtu.be/OzSfwrbREBY

https://www.cnbc.com/2023/04/11/banks-creating-downside-risks-for-global-growth-imf-chief-economist-.html

金融不安はまだこれからも続くと見られています。

国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストは4月11日、金利上昇によって「銀行の脆弱性」が増し、その対応が世界の成長に重大なリスクをもたらすと警告したとCNBCが報じています。

ワシントンDCでは、今日(4月12日)からG20の財務大臣と中央銀行総裁会議が開かれていますが、その前日に、IMFのチーフ
エコにミストであるピエール・グーリンチャス氏が、CNBCのインタビューに答え、

IMFは、特にアメリカで、あるいは他の国でも見られる銀行セクターの動きが、2023年の成長に影響を与える可能性を懸念している」と述べたということです。

中央銀行の利上げにより、銀行の資金調達コストは上昇し、金融機関は長期債のような資産に損失を被っています。
「そのため、銀行はより不安定な状況に置かれている。しかし、健全なクッションはある」とも語ったということです。

IMF(国際通貨基金)によると、あるシナリオでは、銀行の資金調達条件がさらに厳しくなり、貸し出しが抑制され、2023年の世界の成長率が2.8%になるという予測を2.5%まで引き下げると見ています。

グリーンチャス氏は、IMFのモデルは、金融の安定性が保たれない、より悪いシナリオも予測していると述べました。
「そうなれば、世界の他の国々から安全な場所に戻ろうとする大量の資本が米国債に流れ込み、ドル高、リスクプレミアの増大、信頼の喪失につながるだろう」と同氏は述べています。

このシナリオでは、IMFは今年の世界経済の成長率を1%程度と見ています。
しかし、その可能性は15%程度と比較的低いとグリーンチャス氏は指摘しています。

IMFは昨日、最新の世界成長報告書を発表し、その中で30年以上にわたって最も弱い中期的な成長見通しが示されました。
アメリカの銀行5行が破綻し、欧州ではクレディ・スイスが迅速に売却され、英国の債券市場では昨年秋に年金基金が倒れそうになるなど、ここ数ヶ月、金融の不安定さが注目されています。

グリンチャス氏は、「中央銀行の利上げをめぐる議論は、成長対インフレから、金融安定対インフレへと変化してきたと」述べました。

中央銀行や金融当局は、シリコンバレー銀行の顧客の「預金保証」や、イングランド銀行の「ギルト購入」など、不安定な状況に対処する手段を持っていることを示しました。

金融政策は、インフレ率の低下に焦点を当てるべきであり、それが現時点での我々の提言である」とIMFのチーフエコノミストであるグリーンチャス氏は締め括りました。

こうした、金融不安を背景にした痛ましい銃撃事件も起きています。

10日月曜日、ケンタッキー州の銀行で、従業員が銃撃し、同僚ら5人が亡くなりました。動機は、「解雇通知」を受け取って
恨みに抱いての犯行だったということで、全米に衝撃が走っています。

BBC News

BBCによると、アメリカ南部ケンタッキー州ルイヴィルの「オールド・ナショナル・バンク」で10日、従業員による銃撃があり、5人が亡くなったと警察が発表しました。容疑者の従業員は、犯行の様子をインスタグラムでライブ配信していたということです。

現地の警察は、通報から3分足らずで現場に急行し、銃撃戦の末にコナー・スタージョン容疑者(25)を射殺したということです。

亡くなった5人は、40~64歳で、ほかに9人が負傷しました。

現場にいた2人が現地の放送局に語ったところでは、従業員らが集まっていた1階の会議室で最初の銃撃があったということです。

「隣にいた人が撃たれた。その時に出た血が私に付いた」と、男性は自分のシャツを指さしながら話しました。

警察は、スタージョン容疑者がAR-15タイプの半自動小銃で銃撃し、その様子をインスタグラムで中継していたと発表しました。

インスタグラムを運営する「メタ」は、「今朝あったこの悲劇的な事件のライブストリームをすぐに削除した」と発表しました。

スタージョン容疑者は、オールド・ナショナル・バンクの「ポートフォリオ・バンカー」であると、自身のSNSのプロフィール欄に記載していたということです。
同行でインターンを経験した後、昨年、フルタイムの従業員として入行したとされています。

銃撃事件を起こした動機については、
容疑者は最近、同行から解雇を予告されており、10日に出勤する前に、銃乱射計画に関するメモを書き残していたということです。

ケンタッキー州のアンディ・ベシア知事は、銀行の上級副社長で友人のトミー・エリオット氏(63)が犠牲者の1人だと明らかにしました。

オールド・ナショナル・バンクのジム・ライアン最高経営責任者(CEO)は、「この悲劇の影響を受けたすべての人を思い、祈り続けている」と述べた。

ルイヴィル市のクレイグ・グリーンバーグ市長は、今回の銃撃を「標的を絞った邪悪な暴力行為」だと非難しました。
同市長は昨年、選挙事務所に乱入してきた精神障害のある男性から銃撃を受けた経緯があります。

アメリカの、銃暴力データを集めているNPO「銃暴力アーカイブ」によると、4人以上が銃撃された大規模な銃殺傷事件は、
アメリカ国内で、今年に入ってから、少なくとも146件発生しています。

4月に入ってからだけでも、少なくとも15件に上っているため、
ジョー・バイデン大統領は10日、「あまりにも多くあああのアメリカ人が、不作為の代償として命を失っている」とツイートし、議会に銃規制強化の法案を可決するよう求めたということです。

ケンタッキー州は、21歳以上の成人のほとんどが免許なしで銃器を購入、携帯できる米26州のうちの一つでした。

ここのところ、毎日、どこかで、銃撃事件が起きています。昨夜はメリーランド州のボルチモアで、
10代の若者2名が銃撃に巻き込まれるという暴動が発生しています。

そのため、ボルチモア市長は、昨夜から無期限の「夜間外出禁止令」を発令したということです。

ケンタッキー州ルイビルの「オールド・ナショナル・バンク」の元従業員による銃乱射事件でも、警察当局が、駆けつけた警官のボディカメラを即座に公開し、生々しい銃撃戦の様子が、TVなどで放送されました。

銀行を解雇されると予告されたことへの恨みから、標的を完全に絞っての銃撃事件に、銀行業界のみならず、アメリカでレイオフ(解雇)を進める企業の担当者たちを震え上らせる事件となりました。

金融不安の延長線には、こうした社会不安や、治安の悪化というものがあるということを再認識させられます。
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