発達障害者の生体を知ってもらうには。推し、燃ゆ。
15年くらい読んだ自己啓発本の効果も虚しく
40歳になった今、独身だし、お金持ちじゃないし、キャリアもないし。
そんな、自己啓発本の効果のなさを証明したわたし (40)は、今、小説にハマっている。しかも、純文学っぽい、方向にハマっている。
芥川賞の受賞を聞いてから、ずっと読んでみたかった、「推し、燃ゆ」(2020,宇佐美りん)
サスペンスやホラーものじゃないので、ページをめくる手が止まらない!!というわけではないが、めちゃクチャ面白かった。
わたし (40)にもたくさんの推しがいて、相棒の黒猫(メス、1歳)もいて、人間と直接濃密に関係を築くのは苦手、というより不可能なんだけど、たくさんの推したちに支えられて生きているので、絶対に読んでみたかった。
推しを推すことによって生きる主人公(17)。
そのリアルな推し活。推しがどれだけ素晴らしいか、ヒリヒリと伝わってくる、狂気?
だけどやっぱり多くの人に読んでもらいたいのは、あかりちゃんの絶対的な発達障害者っぷりだろう。
家族も手を焼くダメっぷり。推し活以外は何もできない、主人公あかり(17)。
わたし (40)は発達障害グレーゾーンなんだけど、この彼女は推し活以外生きる意味を見出せず、カラダは絶えず重く(発達障害の特徴)、部屋には黴びたおにぎりが転がっている。
この主人公あかり(17)は、グレーゾーンじゃなくてガッツリ発達障害だ。
(わたし (40)はばかだけどw部屋を汚部屋にしたいしない)
借りた教科書を返し忘れる、バイト先に欠勤連絡し忘れる、カラダはいっつも重くて勉強ができない。
舐めているわけじゃない。
頑張ってないわけじゃない。(むしろ痛いほどのガンバリが小説全体を貫いている)
でも言葉も話せるし、5体満足。学校の先生も母親も姉(大学生)も理解してくれない。
わかる、わかる、痛いほどわかる。
できることがほとんどないわたし (独身40)も、地方の片隅からこうやって発達障害(特にグレーゾーン)の大変さを発信しているつもり。
発達障害の人がどれだけ苦しいか(見た目普通なだけに)声高に叫んでも変わらないと、はむすた (40)は思う。
最近では、眞鍋かおり(41)や、昔からだと武田双雲(46)なんかが、ADHDとか色々言ってるけど、やめてほしいとはむすた (40)は心から思う。
本当の発達障害者やADHDの人間は、あんなもんじゃない。まず、会話が無理なんだから。
ああいうくだらない有名人の告白はもうしなくていいから、みんなでこの小説を推そう。
しっかりした有名人が声高に「できなくていい」なんて叫ぶより、ずっと、発達障害者に対して理解が深まる。
すごくいい時間を堪能させてもらったし、起承転結の結も、群像小説にしては、お見事でした★
現代に生きる若い発達障害者たちの全て?が詰まっているような、芥川賞納得の素晴らしい小説だった。
いただいたお金を使って、また記事を書きます(*^^*)わーい