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ミニマルと説得力

ファッションの流れとしてビッグな潮流ではないが、それなりにトレンドであるミニマル。メゾンブランドではジルサンダーを始めルメール、ドメスではオーラリー、ファストではユニクロUなどとどれも毎日目にする名前だ。

単刀直入にはっきり言うが、このミニマルなアイテムというのは比較的インスタントにオシャレになることが出来る。至極簡単なのだ。塩とニンニクさえあれば美味しくなるペペロンチーノと同じく、不必要な調味料を入れなければいいのだから。

こんな簡単に誰でも出来るレシピではあるのだが、やはり僕たち一般人がやるミニマルと業界人、ここで名前を一つ出させて頂くが坂本龍一のミニマルでは何というか深み、説得力が違う。

坂本龍一と言えば80年代を風靡したYMOのメンバーだ。彼は初めから全身黒のミニマルな格好であったかと言うと違う。当時は黒髪テクノカットにトレンドであったパワーショルダーのジャケットを身に纏い、時にはチェックのシャツなども着ていた。坂本龍一は始めからミニマルでなかったのである。数十年の間、様々な体験をし辿り着いた答えがミニマルという一つの答えだった。

ゆえに今の若者が最初からミニマルをやってみせるのは、些か説得力がないのである。それには体験が伴ってないのだから。アレで魅せられるのは、色々な服に袖を通した人、そういったミニマルな生活スタイルに身を置いている人のみである。部屋がクッソ汚いのに全身ジルサンダーとか言ってもは?となるでしょう?笑

今の若者はこれを100%引き出せるまでには殆ど至ってない。来たるべき日が到来するまで色んな服に袖を通し体験を重ねるのだ。その行く末にミニマルが待っているかは分からないが、もしそこに居たとしたならば君はそれに見合った人間になってるかもしれない。


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