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僕が体験した『コミュニティ依存』による人格分離の苦しみ

「あ、俺、このままだとやばいな」

今から10年程前のこと。

僕は参加していたコミュニティから離れることにしたんだ。

その理由は、自分の人格がどんどん分離していく感覚があったから。

自分を幸せにするための知識は増え、スキルも向上した。

なのに、生きているのが苦しくなっていったんだ。

自分が自分でなくなる。

そんなことを感じて、そろそろ限界にきて、僕はコミュニティから離れることにしたんだ。


そのコミュニティはコーチングを学ぶスクールだったのだけど、そこではみんなニックネームで呼び合う。

僕はJJというニックネームをつけ、コミュニティのみんなからJJって呼ばれてた。

JJと呼ばれる僕は、とにかく勉強したね。

NLP、心理学、コーチングの本を読み込み、ほぼ毎日、誰かを捕まえてはコーチングをしていた。

課題もこなしていったし、講座中に手を上げまくって発言した。

そのころに生まれて初めてセミナーをしたんだっけ。

みるみる知識はどんどん増え、スキルは高まっていき、いつしかいろんな人から相談を受けるようになっていたんだ。


そのコミュニティでは、やたらと褒められる。

承認される。

基本的に否定されない。

どんなに失敗しても、「おめでとう」とか言われる。

自分がやってきたことを完全に肯定されるのは、すごく嬉しかったし、気持ちがよかった。

褒められることに心地よさを感じて、いつの間にか中毒になっていたんだ。

「ここでは、僕は認めてもらえる」って。

僕はスクール生を卒業した後もコミュニティに残り、後輩のスクール生をサポートするようになったんだ。

サポーターになってからもやたらと褒められた。

認められてると感じたし、愛されてると感じた。

もちろんたくさんの失敗をしたけど、全て受け入れられた。

心地よかった。

サポートは完全にボランティアだったけど、色々なことが学べたし、感情的に満たされるので、全く気にならなかった。

そして、いつしか僕はトレーナーになっていたんだ。

と同時に、僕は息苦しさを感じるようになってきたんだ。


息苦しさを感じている理由。

それは、僕の人格が分離し始めたこと。

もう少し言うと、『JJ』という僕と『くろさきひでおみ』という僕が分離を始めたということなんだ。

『JJ』である僕はめちゃくちゃ褒められる。

全てを肯定される。

愛される。

応援される。

一目置かれてる。

だけどそれは、コミュニティの中だけの話。

一歩、コミュニティの外に出たら、褒められることはほぼない。

否定されることも多いし、失敗は咎められる。

ブログをかいてもたいていの人は無関心。

そこに僕がいないような扱いをされている気分。

コミュニティの内の外で、周りの人の僕に対する認識、対応が全く違ったんだ。

「JJはうまくいってるのに、なんで僕はうまくいかないんだ!」

そんなことを考え始めて、JJではない僕を否定するようになってきてしまったんだ。

JJも僕であるし、くろさきひでおみの一部であることもわかってる。

だけど、人格が切り離されていくような感覚がぬぐえない。

いや~、苦しかったな。

自分が自分でない気がするんだもん。

そして、何やっても自分は認められないんじゃないかという恐怖。

そんな何とも言えなく苦しみが、ずっと付きまとってる。

その時ぼくは、コミュニティに完全に依存していることが分かった。

だから僕は、コミュニティの外で自分自身を生きるために、コミュニティを離れることにしたんだ。


コミュニティを離れ、僕が真っ先に取り組んだのは、分離した人格の統合。

コーチングのテクニックとして統合する手法があるけど、それはつかわずに実生活で他人に認められるようになることにしたのよ。

実生活で一生懸命に生きる。

ただそれだけに集中することにしたんだ。

JJという名前は使わず、自分の本名『くろさきひでおみ』でひたすら生きることにしたんだよね。

当時の派遣先でも、自分のセミナーでも、友人のセミナーのサポートでも、自分のできることを増やし、色々なことに取り組んでいった。

そんなことをしばらくしていたら、コミュニティの中で『JJ』が受けていた承認や評価をされる機会が増えていったんだ。

もちろん、『くろさきひでおみ』という僕自身がね。

そして気がついたら、いつの間にか『JJ』は僕の中からいなくなり、統合されたことがハッキリとわかったんだ。


僕は、これまでの13年間、セミナー業界をみてきて、色々なコミュニティを見てきた。

その中には過去の僕と同じように、コミュニティに依存し、離れられない人が沢山いる。

そしてやはり、人格分離が起きてしまっている人も見かける。

コミュニティの居心地が良すぎるというのはあるけど、しかし、うまくいかない本来の自分の現実逃避の場所になってたりするんだよね。

個人的に現実逃避はしても良いって僕は思ってる。

でも、逃避し続けても苦しいだけだから、どこかで逃避をやめた方がいいよね。

コミュニティってさ、依存しやすい要素が含まれてるのよ。

特にビジネスが絡んでくると、意図的に依存する仕掛けをつくったりするからね。

だってさ、依存してもらった方がいつまでもお金を払ってくれるじゃん。

だからさ、参加者が依存体質になるように設計するし、実際に依存しちゃう。

でもこれが悪いかというとそういうわけでもなくて、そうした設計のおかげでこれまでできなかったことをやれる人もいるし、なりたかった自分になれる人もいる。

ポイントとなるのは、自分自身がどうありたいか? ということ。

コミュニティの仕組みがどうこうではなくて、自分自身がどう在り、そのコミュニティとどうかかわりたいか? じゃないかって感じるんだ。

結局僕も、コミュニティの外でしっかりと自分を生きていたら、『JJ』も自分の一部としてしっかりと受け入れられた気がする。

やはり人生の主軸ってのは、こうしたセミナーなどのコミュニティではなくて、実生活そのものにあるよね。

これが逆転して、コミュニティにかける時間やお金、労力が増えてしまうのは、ちょっと足元が見えていないかな。

もうすでにコミュニティ依存になっているかもしれないね。

自分の人生を生きるためにも、コミュニティに参加するときは、自分の在り方やコミュニティとのかかわり方をしっかりと見つめた方が良いね。

コミュニティに振り回されないようにしよう。


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