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<第1回> 業務委託でどういう働き方が可能になるのか

■雇用関係によらない 新しい働き方の拡大

近年、個人の働き方が多様化し、雇用型テレワークや副業・兼業といった雇用関係による柔軟な働き方だけでなく、非雇用(自営)型テレワークやフリーランスといった、雇用関係によらない働き方が注目されています。
パラレルキャリア、副業など会社以外の仕事やNPO 活動に従事する働き方は、あくまで軸足を本業におきつつ、雇用契約を継続したままで、社外での知見を何らかの形で本業に結びつけることを意識したキャリアのあり方といえます。
これに対して、非雇用型テレワークやフリーランスの働き方は、本業の会社から独立した形で、外部のプロフェッショナルとして、雇用契約によらず、“業務委託契約”により、仕事を請け負うものです。
筆者は、2005年に、新卒で入社した会社との雇用契約を業務委託契約に切り替えてもらい、独立しました。15年以上たって還暦を超えましたが、小規模ながら人事コンサルティング会社を営むかたわら、その会社の人事部との業務委託契約は継続しています。
ここでは、2017年「働き方改革実行計画」のテーマに、「柔軟な働き方がしやすい環境整備」が示されて以降、昨今のコロナ禍を経て、さらに広まりをみせている非雇用型テレワークやフリーランスの働き方の現状や課題および今後の可能性を提示したいと思います。
本連載では、雇用から業務委託に切り替えることにより、長年勤めた企業から独立し個人事業主として活動してきた経験を基に、以下のような観点からまとめていきます。

  1. 業務委託でどういう働き方が可能になるのか

  2.  業務委託で働き続けられるために必要な知識・スキルとマインドなど

  3. 組織・個人にとっての業務委託のメリット・デメリット(課題)

  4.  業務委託をする場合の留意事項、うまくいくコツ(組織/個人)

  5. 業務委託を活用している事例

  6. 今後業務委託を活用できそうな分野

  7. 副業・兼業や業務委託での就業をサポートするさまざまなサービス

  8. 柔軟な働き方の今後の展開の可能性

■新しい働き方の議論の展開

前述のとおり、フリーランス等非雇用型の働き方は、2年にも及ぶコロナ禍を経て、さらに拡大する様相を呈しています。このような状況下において、2021年3月に関係省庁が連名で、「フリーランスガイドライン」を策定し、フリーランス化の動きに対応しています。フリーランスの拡大の動きに対する政府の対応を簡単に振り返っておきます。

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