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モザイクとの付き合い方

中小企業の方々向けに、
動画編集の講師をやるようになって最初に驚いたこと。

それは、「モザイクの相談」が多いことでした。

実は相談を受けるまで、モザイクという機能を一度も使ったことがなかったのです。

僕が「映画」出身というのもあるかもしれません。
映画を見ていて、部分的にモザイクが入ってるなんてことないですよね。

モザイクが必要ということは、撮影の失敗を意味するんです。

僕だってもちろん、撮影後に確認して、写ってはいけないものが少し入ってしまうことはあるもの。

そんなときは、モザイクではなく、手間をかけて加工して完全に消してしまいます。その動画を見る人が、消したことに気づかないレベルまでがんばる。

しかし、スマートフォンで動画を撮るのが一般的になった今、モザイクとはある程度、付き合っていかないといけないのかもしれない、と考えるようになりました。

初心者の方は、撮影に失敗しがちだからです。

僕のアドバイスは、「撮影時に気をつけよう」に尽きます。それに、PR動画でも、モザイクが入っていると逆にそこが目立ってしまう。

そもそも、モザイクを入れたくなるのはどんな状況でしょうか。

・目の前の人を撮るのに集中するあまり、その背後に通行人や車が通ることに気づけない。
・目の前の製品を撮るのに集中するあまり、その背後の段ボールや他社製品に気づけない。

これが、モザイクが必要になる最たる原因です。

こういう「失敗系モザイク」の他にも、「仕方ない系モザイク」もあります。

・展示会のブースで撮影すると、来場者が映り込んでしまう。
・自社の社屋を撮ろうとすると、隣のチェーン店の看板が映り込んでしまう。

こんな相談もよく受けます。

では、モザイクを入れるにはどんなソフトやアプリがいいんでしょうか。

まずは、パソコンソフト。

・プレミアプロなど高度なソフトでは、細かく指定してトラッキング(対象の動きに合わせてモザイクが追従)も可能です。
・初心者向けで安価なFILMORA(フィモーラ)でも、顔を検知してモザイクを入れる機能もついています。

…という話を聞くと、「じゃあモザイク入れられるんですね」と気を抜いちゃいそうになりますよね。

プレミアプロでも、やっぱりモザイクは目立ちます。

僕は以前、小学校の取材をした際に、子供たちはもちろん、黒板の日直の名前から壁の習字の名前までかなり厳密にモザイクをかけたことがあります。

ものすごく手間で、初心者の方にオススメできる編集方法ではありません。

また、FILMORAも、顔を自動検知してくれますが、顔がバッチリ写ってる場合のみです。つまり、顔が横を向いたりすると、自動検知に必要な情報(目鼻だと思われる)が無くなり、モザイクが外れます。

これもまた、完全に使える、とは言えないでしょう。

次に、スマホアプリはどうでしょうか。

普段使っている動画編集アプリに、モザイク機能があるとは限りません。
例えば、iPhoneは無料で使えるiMovieにもありません。

かといって、モザイクだけのために使うアプリを変える、というのもあまり効率的とも思えません。

そのため、使い慣れている動画編集アプリはそのままに、「モザイクをかけたい素材だけ取り出して、モザイクアプリで加工する」というやり方がいいと思います。

動画にモザイクをかけられるアプリをいくつか試してみましたが、iPhoneアプリの<動画モザイク>というものが一番いいなと思いました。

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顔を自動検出して、しかもトラッキングしてくれます。
かつ、調べた限りでは、画面に二人いても、二人とも顔を自動検出してくれました。
さらに、モザイクの入れ方も種類があり、目線を入れるパターンなど複数から選べます。

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<まとめ>

それでもやっぱり「モザイクは難しい」とお伝えしたいと思います。

顔の自動検出ができるくらい、ガッツリばっちり映っているなら、撮影時に気づくんです。だいたい、モザイクを入れたい時というのは、背後に小さくチラチラ映ってる・・みたいな状況。

しかも、モザイクをかける対象が動いているとさらに難しい。
いずれにしても処置が大変です。

◎後でモザイクが必要にならないか、背後に気をつけて撮る
◎どうしようもない時は、それが入らないよう移動して(またはアップにして)撮る

この2つを覚えておきましょう!

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オリカワシュウイチ
映像クリエイター/絵コンテコーチ

初心者の映画制作をサポートする活動を全国で続ける。埼玉在住。
仲間ゼロ・カメラ1台から映画作りをスタートし『映画工房カルフのように( http://karufu.net/ )』を立ち上げ、セミナーやワークショップを通して、これまで1000人以上に映画作りをアドバイスする。スタローンに生で会ったことのある広島県人。著書に『事例で学ぶ1分間PR動画ラクラク作成ハンドブック』『iPhoneで作ろう ビジネス動画の教科書』(共にペンコム)がある。
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