[レポート] 福祉と全国各地の伝統工芸や職人技術をつなぐ リサーチ&ワークショップシリーズ を開催しました|竹②
12月28日、京都府長岡京にて、竹製品を製造販売する高野竹工株式会社のご協力のもと「素材をめぐる、障害のある人とサポーターのためのワークショップ」を開催。GJ! Center KASHIBAのメンバーのほか、関西近畿エリアからもお集まりいただきました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございます!
今回ワークショップ開催にご協力をいただいたのは、京都府長岡京市を拠点に茶道具から日用品に至るまで多彩な商品を製作する、高野竹工株式会社。10月に開催したワークショップ、「障害のある人とサポーターのための素材をめぐるリサーチ・ツアー」では、〈見る・触れる〉をキーワードに実際に竹林の中に入ってみたり、竹の生態系について座学で学び、素材としての竹の可能性について考えを巡らせました。開催2回目となる今回は、その発展系として、伝統的な工法を体験しながら、ものづくりの可能性を探ります。
▶︎ 前回開催のリサーチツアー様子はコチラ ◀︎
▼ 下記は今回のワークショップのレポートです!
[開催概要]
高野竹工×たんぽぽの家
素材をめぐる、障害のある人とサポーターのためのワークショップ
[概 要]
[竹ひごを使ったワークショップ] 編む・組みあわせる
日時: 12/21(火) 10:30-15:00
参加者:長岡京周辺で活動する、京都の障害のある人とサポーター/Good Job!センター香芝のメンバー
ご協力:就労継続支援B型事業所 風音、絆、就労継続支援B型事業所 バスハウス
ワークショップ前半は、高野竹工の方から竹ひご使った代表的な編組(へんそ)技法の一つ、「六ツ目編み(むつめあみ)」と呼ばれる竹編みの技法を学びます。六ツ目編みの技法は身近な生活用品にも多用され、この技法で作られた籠は「六ツ目籠」などとも呼ばれ、料理やお菓子の器として、また裁縫道具などこまごまとした日用品入れなど幅広い用途で使われてきました。
レクチャーを受けたあとは、早速実践編です!
まず最初に竹籤(ひご)を使って、平行の二線を3方向から組み合わせ、六ツ目編みの基礎パターンとなる、六角形のモチーフを作ります。このとき、竹ひご同士がほどけないよう、平行関係に当たる辺と辺を前後互い違いになるように編んで固定をしていくのですが、慣れるまでが結構たいへん。
最初に作った六角形を中心に放射状に辺を編み足していくと、六角形と接続部につくられる三角形の集合で構成された六ツ目編みの幾何パターンが現れます。
上)レクチャーの様子 下左) 基本の六角形パターン
下右)写真くらいの面が出来上がってくると安定感が出てきます。
途中お昼休憩を挟んで、後半応用編では習得した技法をアレンジしながら立体作品にチャレンジします!
日用製品としての六ツ目籠を形成する際には、強度を補完したり、底辺を安定させるために竹片で補強をしたりするそうですが、今回は土台にスタイロフォームや有孔ボードを使って、半円のフレームを組み合わせることでドーム状に形成していきます。
ある程度、骨組みが決まったあとは竹籤を組み合わせ、自由に創作をしていきます。籠や花器っぽいものを作る参加者や、異素材を組み合わせたり、なにやらオリジナリティー溢れるオブジェを作ったり、参加者みなさん、思い思いに創作していきます。
創作の後は、自分の作った作品と記念撮影をします。丁寧に籠を編まれた方や、組紐(くみひも)をあわせてアレンジしたり、ご参加者それぞれの個性がひかる作品ばかりです。
生き物に見えてくる作品を作った方がいたり、作った作品を帽子のように被ってみたり。竹ひごをランダムに組み合わせて、強度の高い構造体のようなものをつくった人もいました。
作品づくりに没頭していたら時間の経過があっという間。最後にそれぞれの作品を撮影し、第二回目のワークショップは終了しました。 福祉と全国各地の伝統工芸や職人技術をつなぐ リサーチ&ワークショップシリーズ は、年内はこれにて終了。今後もnoteなどで取り組みをレポートしていきます。
写真このページすべて:林 智子
高野竹工株式会社について
高野竹工は、京都の竹細工店に生まれた初代社長不窮斎高野宗陵が嵯峨野に会社を設立してから50年に渡り、さまざまな技を持つ職人を中心に、茶道具から日用品に至るまで多彩な商品を製作し続けています。現在は良質の竹の産地として知られる、京都府長岡京市を拠点に、竹を育てながら製造から販売に至るまで、また企業やアーティストとのコラボレーションなどの取り組みも意欲的に行っています。
HP: https://www.takano-bamboo.jp/
福祉と全国各地の伝統工芸や職人技術をつなぐリサーチ&ワークショップシリーズ
Good Job!センターとたんぽぽの家では、障害のある人と伝統工芸に関わる職人が互いの施設や工房等を行き来し、技術交流することを通して伝統工芸と福祉のこれからについて考え実践へと変えていく取り組みを行っています。
今回は、京都府長岡京市を拠点に、竹を育てながら製造から販売に至るまでまた、企業やアーティストとのコラボレーションなど先進的なプロジェクトに取り組む高野竹工株式会社と一緒に、素材をめぐるワークショップを行いました。福祉と全国各地の伝統工芸や職人技術をつなぐリサーチ&ワークショップシリーズは今後も続きます。ぜひ、noteやホームページからチェックしてみてください。
助成:日本財団「障害のある人の表現と伝統工芸の発展と仕事づくり」
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