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[レポート]豊永盛人 ロードワークス展

沖縄県那覇市にあるショップ「玩具ロードワークス」の豊永盛人さんは、琉球張り子のほか、カルタやお面など様々な作品を制作されています。最近では、日清カップヌードルのCMにイラストが使用されていたりと、個性的でユーモアあふれるイラストにも注目が集まっています。
わずか2日ではありましたが、ロードワークスの張り子をご覧いただくほか、トークや絵付け体験をしていただくイベントをGood Job! センター香芝にて開催しました。

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豊永盛人(とよなが もりと)
1976年 沖縄県生まれ。沖縄県立芸術大学にて彫刻を専攻。アメリカ遊学を経て大学卒業後、琉球張り子・玩具の制作をはじめる。2002年 沖縄県那覇市で自身の作品を扱ったショップ「玩具ロードワークス」をオープン。
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展示

沖縄らしい張り子、ロードワークスならではの張り子やカルタのほか、今回のために制作された鹿の張り子、かわいい鹿のお面も登場しました。

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トークイベント「はりこのはなし」(6月19日)

Good Job! センター香芝の定番商品「グッドドッグはりこ」。そのきかっけのひとつが、今から6-7年前に、たんぽぽの家の関係者が沖縄を訪ねロードワークスの張り子に出会ったことでした。憧れのロードワークス張り子について、豊永さんに制作のいろいろをお聞きしました。

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はりことの出会い
彫刻を学んでいた大学時代。作品の題材や制作方法に迷いを感じていた豊永さんは、アメリカに行く機会を得ます。その際に訪れたボストン美術館で、誰が作ったか明らかでなく、鑑賞するものですらない、しかし美しいものたちを目の当たりにし、強烈に惹きつけられる体験をします。
その土地にあって作られるべき必然性のあるものを作る手法とはどんなものだろう...そう考え始めたおり、沖縄の民芸品店から「張り子を作ってみないか」と誘われます。琉球玩具製法の第一人者と言われる古倉保文さんが亡くなり、仕入れに困っているとのことでした。その土地にあって必要とされるものをつくるということが、自分のしたいことと一番近いのかもしれないと思い、張り子に取り組むことに決めました。

豊永さんは、それ以前から、郷土玩具を好み購入・収集してはいましたが、とくだん張り子作りの経験があるわけではありませんでした。福島県の三春張り子の工房を訪れ学んだり、沖縄で試行思索を重ね、今に至ります。張り子をはじめて今年で21年目だそうです。

豊永さんが言及された三春張り子・橋本広司民芸には、たんぽぽの家も3年前に調査訪問しました。その時のことを、「NEW TRADITIONAL 令和元年度報告書」の22ページに掲載しています。ぜひご覧ください。

ロードワークスのはりこのこと

琉球張り子はかつて、旧暦5月4日の節句「ユッカの日」に開かれるこどものための玩具市の際に、凧などとともに売られていました。一年に一度のお祭りを賑わす色美しいものだったそうです。
ロードワークスでは、型には木や粘土を使用しています。膠で張り合わせた和紙を胡粉で下塗りし、顔料で絵付けをします。下塗り、紙貼りなどをアシスタントの方と分担しておこないます。

障害のある人の仕事と玩具製造についても、話が及びました。豊永さん自身は、張り子を完全な再生産品にしようとはせず、手仕事にある程度の振り幅があることを肯定しています。自身の制作でも、遊びのような気持ちを大切にしているそうです。ロードワークスという屋号には、壊しながら作り変えていく「道路工事」や「作品(ワーク)」などの意味あいが込められています。
紙の裂き方、貼り方、糊選びなど、GJ! はりこへの具体的なアドバイスをいただくこともできました。

ものづくりと豊永さん

沖縄のなかでも張り子づくりの文化があったのは那覇でしたが、太平洋戦争で途絶えてしまい、沖縄本島にはほとんど残っていません。豊永さんは、渋沢敬三のアチック・ミューゼアムが集めたものや、日本民藝館の在庫、沖縄県人会の資料など日本各地に残る資料を訪ね歩き、琉球張り子を研究しています。
いざ再現をこころみると、それが作られた当時の「今」「最新」の玩具だということが読み取れるのだそうです。100年後に生きる自分がその玩具を勉強してあらたな玩具を作ることで、あと100年残るものが作れるのではないか。豊永さんはここに、ものづくりのおもしろさや可能性を感じています。

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作品上には、今の自分のリアルなくらしと、古いものの技術・デザインとを交流させています。例えば鳩パンは、知人のパン屋さんに、琉球玩具によくみられる鳩をかけあせたものです。

新型コロナウィルス感染症拡大は、ロードワークスにとってもやはり経営上痛手でしたが、2ヶ月くらいお休みするなかで音楽、彫刻、絵、古い張り子の研究などに時間を使えることは、ものづくりの糧になったと感じているそうです。

ワークショップ(6月18日・19日)

ロードワークスの張り子に自分だけの絵付けをする体験会です。たくさんの土台の中から好きなものを選びます。真っ白で、それだけで縁日のお菓子のようなかわいらしさがあります。

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参加者のみなさん、1時間以上ずっと夢中になって作業をされていました。豊永さんも、参加者のみなさんの仕上げたさまざまな絵付けに、とても楽しそうにされていました。豊永さん、ありがとうございました!

ワークショップ参加者の作品は、Good Job! センター香芝Instagram 等でもご覧いただけます👇

*この事業は日本財団の助成により実施している「障害のある人の表現と伝統工芸の発展と仕事づくり」の一環として実施しています

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