これから生き残る運送会社のあり方
「ヤマトとAmazon「復縁」宅配・ECに連携ドミノ」
日本経済新聞より
日経によれば、Amazonとヤマトがシェア拡大を見据えたECの連携を表明したとのことです。宅配・EC業界では、楽天と日本郵便、ZHDとヤマトなど連携が相次いでいます。一体なぜなのできゃうか。最大の理由は価格競争への耐久力を増大させるためでしょう。
「青天を衝け」では、明治初期の海運業界において、渋沢率いる共同運輸会社と岩崎率いる郵船三菱が価格競争の末に国際競争力の低下を招き、結果として両者が合併、日本郵船が誕生するまでの歴史が描かれました。
このように付加価値のつけづらい運送業界では、価格競争が必然的にもたらされます。規模の経済が働きやすいため、M&Aを繰り返すことで一握りの会社が価格競争に勝利するという流れですね。
さて、こうした競争のフローの問題点はなんでしょうか。私は体験価値の喪失こそ最大の問題点だと思っています。価格競争が常に繰り広げられている状況では、資本をコスト削減のために使う事が最も最適解とされます。ゆえに、本来創出できたはずの付加価値が置き去りにされることになります。運送業社にとっての付加価値とは、ユーザーの体験価値に集約されるでしょう。どれだけ早く届いたか、親切な接客だったか、といった商品の購入から受け取りまでに体験する価値の程度で付加価値が決定します。
このように、価格競争が激しい運送業界では、サービスの品質が低下しないかに注意が必要です。規模の経済を含めたロジスティックスの効率化ばかりに目を当てるのではなく、昨今のサービスらしくユーザーの体験価値にまで視線を配った企業にこそ、本質的な価値があるのではないでしょうか。
参考記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC14ABU0U1A211C2000000/