見出し画像

自分に合う場所ってこんなこと

ゲンの通う公立高校は
毎年、高校側が引率して、東大受験へと、生徒全員を連れて行ってくれる。

だから、親はとても安心だ。
受験は団体戦だ、がモットーの高校だった。
先生方にお任せし、何一つ心配することなく、ゲンを送り出した。

いよいよ本番。
最後の試験だ。頑張れゲン!
遠く離れた場所から、ドキドキしていた、それしかできなかった。

受験を終え帰ってきた高校の、迎えの車中でゲンの言葉に耳を疑う。
ゲン「受験票を忘れた。」

えっ???今なんて言った???
受験票???????

「えーーーーーーーっ、どうした?ホテルに戻ったの??時間には間に合ったの?」
矢継ぎ早に聞く私
そりゃそうだろう、そんな話聞いたことない、、、
運転中の全身から汗が噴き出す。

ゲン「受験票を忘れた人用のブースがあって、大丈夫だった」

えーーーーーーーっ、よかったねぇぇぇえ。
そんなことあるんだねぇ。
感動で泣きそうだ。

ゲン「たくさんの人が並んでいたよ」

えーーーーーーーっ、マジで?受験票を忘れた生徒がたくさん???
なんだそりゃ。想像のはるか上を、何かが飛んで行く。
本番直前、行列に並んでいるのかぁ。
驚きと感動で、大笑いしてしまう。

やはり!そうか!!!やっぱりか!!!

ゲンのような子がわんさかいることが既に想定されている
それが東大!

ブラボーーーーすばらしい!!!

ゲンの進む道は間違っていないな、東大、ドンピシャじゃん。

普通、受験票は忘れません
普通じゃない子がわんさかの東大には、受験票を忘れる子がいる。
既定路線でブースが用意されているとは。

うーむ、普通がどっちだかわからなくなる、、、
固定観念がまた音を立てて崩れていく、、、。

自分に合うところは、苦しくないようにできているってことだなぁ。

ゲンの受験で5キロ(1ヶ月で)痩せた母
受験生は私だったのかと思うくらい
(私が)つらく苦しいゲン高3の冬のこと。
E判定から奇跡が起きる日はもうすぐ。

新堂きりこ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?