見出し画像

FDM3Dプリンターで肉薄部を印刷する

ケースだったり、何かを縮小したミニチュアだったり....
「肉が薄すぎてスライスが上手くいかない!」
「薄すぎて造形物が途中で壊れる!」
ということあると思います。
という訳でスライサー(Cura)の裏技コーナーです。
今回はCura4.0を使用しています。

題材

お兄さん、いい顔でお城持ってますね。
https://www.thingiverse.com/thing:862724
Medieval Castle by boldmachines Jun 11, 2015

画像1

読み込んで20%に縮小してスライスするとこんな感じ。

画像2

とても細い部分がいっぱいですね。絶対印刷に失敗する。
大きく印刷したらこうはならないんですが、小さいのが欲しいとかプリンタが大きくない時にはそうはいきません。

画像3

画像4

安定した造形をするにあたって肉薄部でも最低外周2ラインほしいところです。0.4mmノズルなら0.8mmぐらいの板厚ですね。

Line Widthを変更する

実はノズルの穴が0.4mmだからと言って、0.4mm以下の外周ラインが印刷できない訳ではありません
そう、Curaの「Wall Line Width」を変更してやればいいのです。
おおむね80~60%ぐらいまでは減らしても印刷ができることが知られています。
ただし、オーバーハングには弱くなりますので注意が必要です。
仮にWall Line Widthを0.4-->0.3mmに変更しましょう。
Outer Line Widthだけ変更してもいいでしょう。

画像5

するとこんな感じになります。
大体の部分でアウターウォールが折り返して2枚になりましたね。

画像6

Holizontal Expantionで外表面をオフセット

噛み合わせ部分がある部品やケース類だとここまでですが、
置物であれば、さらに一歩踏み込めます。
「Holizontal Expantion」の項目です。入れた数字の分だけ、全体をXY平面方向に太らせます。
本体は穴などの大きさの微調整用の項目ですが、こんな風にも使えます。
今回は仮にHolizontal Expantion 0-->0.2としてみましょう。

画像7

インナーシェルまで入りました!これで万全です。

画像8

尖塔の柱もこれなら印刷できるでしょう。
非常に細かいディテールは犠牲になりますが、言わなければ誰も気づかないと思います。

画像9

Line Widthを小さくした影響で、樹脂がカスレてしまう場合

もし糸を引いたりしてないのに、樹脂の出し始めに樹脂が上手く出ない場合、はここをいじってください。
Materialの項目にある 「Retraction Extra Prime Amount」です。
数字を入れるとそリトラクション後に余分に樹脂を押し出します。
通常0.2^3mmとかそれぐらいの値で十分です。
量が多すぎると樹脂が出すぎて、トラベルの時にひかっけたりしてしまいます。

画像10

印刷してみる

画像11

画像12

その他

下記のNoteもI3 MEGA以外の人にも参考になると思うのでぜひどうぞ。ANYCUBIC I3 MEGA プリント設定のカスタマイズ【Cura】
https://note.mu/newspeak/n/nb0b0b397d208

もしよろしかったらサポートお願いします!

記事をサポートしていただくと、一層のやる気と遊び心を発揮して新しい記事をすぐに書いたり、3Dプリントを購入してレビューしたりしちゃうかもしれません。