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コールドプルでノズルを外さずにノズルを掃除する[FDM3Dプリンタ]

3Dプリンターのノズルは時に汚れ、焦げ、詰まり、印刷の不安定さや樹脂が全くで出ない等の結果に至ります。
原因はいろいろです。フィラメントの品質が悪いとか、ベッドとノズルを擦ってしまったとか、長時間余熱をしすぎて樹脂が焦げたとか、フィラメントについた埃が焦げたとか。
一般的にはノズルを外して交換したりするわけですが、それだけが詰まりを除去する方法ではありません。

コールドプル

コールドプル(Cold-Pull)と呼ばれる方法があります。
これはエクストルーダーを分解せず行える、ノズルの焦げなどを除去する方法の一つです。
造形温度以下のノズルから樹脂を強制的に引き抜いて、ノズルの中にこびり付いた汚れを掃除します。

やってみるとこんな感じです。
溶けて伸びたフィラメントに点々と茶色い汚れが埋まっているのが見えると思います。
(Twitterで呟いたら結構反響があったので記事を書いています。)

コールプルのやり方

準備:
まずは適当なフィラメントを用意します。PLAでも良いですが、ABSやPETGなどすこし柔軟性があるフィラメントがベターです。途中でちぎれると悲しいので。
色は出来れば白か透明、汚れが取れたのかわかりやすいフィラメントがいいでしょう。長さは1メーターほどあれば足りると思います。

予熱して樹脂を送り込む:
ノズルを予熱して樹脂を送りこみます。
手でフィラメントを強めに差し込んで、樹脂をノズルからニュルっと出します。
樹脂がノズルから出るようならそれでよし、出てこないなら完全に詰まっているかコールドクロッグと呼ばれる、樹脂がヒートシンクの中で固まって栓のようになっている状態かもしれません。
コールドクロッグかどうかは、樹脂を引き抜いてみて、先端が溶けているかどうかで判別できます。先端に溶けた形跡がなければコールドクロッグです。コールドプルでは対処ができませんがノズル温度を20度ほど上げたり、ヒートシンク冷却ファンを一時的に塞いでみたりしてください。

ノズルの温度を下げながら樹脂を送り込む:
ノズルの先端まで樹脂が入ったままになるように、フィラメントを手で押し込みながら、ノズルの温度を樹脂のガラス遷移温度(PLA:60℃/ABS:100℃付近)に設定して温度を下げていきます。

強制的にフィラメントを引き抜く:
ノズルの温度をガラス遷移温度に保ったままフィラメントを手かペンチでつかみ引き抜きます。
少し強めに力を加えてみて抜けそうになければ、5℃づつ温度を上げて引き抜けるかやってみましょう。

結果を確認しながら、2~3回繰り返す:
樹脂がポキっとちぎれずに引き抜ければとりあえず成功です。
樹脂がちぎれるようなら引き抜く時の温度をもう少し上げ下げしてみましょう。
汚れの具合を確認しながら汚れが付着しなくなるまで繰り返します。

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2019/12/09:超大物が取れました......(*'ω'*)ウワッ......

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