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エンゼルスは大谷翔平をマイナーリーグに送るべきだった!?

いよいよ2019年シーズンも開幕戦を迎える。

ちょうど1年前に、エンゼルスは大谷翔平の将来に大きく影響する決断を下した。今回はその決断を振り返り、解説する。

昨年のオープン戦で、大谷は投打において結果を残すことができなかった。彼がマイナーリーグで開幕を迎えるべきだと提言する専門家も多かった。

しかし、エンゼルスは開幕戦から大谷をメジャーリーグのスタメンで起用した。その後の大谷の活躍は言うまでもないだろう。

興味深いのは、エンゼルスは大谷をマイナーで開幕を迎えさせて、2週間でメジャーに昇格させることもできたということだ。そうすれば、ルール上、大谷を6年間ではなく、少なくとも7年間エンゼルスに留まらせることができた。これは多くの球団が有望な若手に対して用いる術だ。

メジャーに登録されている期間が6年に達すると、選手は好きなチームと交渉できるフリーエージェント(FA)権を得られる。レギュラーシーズン187日のうち、172日以上で登録されていると一年と見なされる。そのため、15日以上をマイナーリーグで過ごすと、FAになるのが一年遅れるのだ。

例えば、アトランタ・ブレーブスは、昨年のシーズン開幕時にロナルド・アクーニャをマイナーに送った。その後、メジャーに昇格したアクーニャはナショナル・リーグ新人王に選ばれた。

2015年に新人王を獲得したシカゴ・カブスのクリス・ブライアントも同様だ。

トロント・ブルージェイズは、ブラディミール・ゲレーロ・ジュニアで同様の手段を用いようとしていたが、ケガをしたため普通にマイナーでのスタートになった。シカゴ・ホワイトソックスはイーロイ・ヒメネスと最長8年間の契約を結んだため、マイナーに送る必要がなくなった。

チームがアクーニャやブライアントのように明らかにメジャーレベルの選手をマイナーに送ることには疑問の声が上がる。だが、エンゼルスがオープン戦で苦しんでいた大谷をマイナーに送ったとしても、誰も文句は言わなかっただろう。

しかし、エンゼルスは大谷がメジャーでプレーできるとの考えを貫き通した。将来、チームにとって不利になるかもしれないにも関わらず。

もちろん、大谷の6年目が終わるまでに、エンゼルスは契約延長を結べるかもしれない。だがその場合、チームは7年目にずっと高い年俸を払うことになる。

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