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打率からは見えてこない大谷翔平の進化

手術から復帰した大谷翔平は、非常に早いペースで打撃のリズムを取り戻している。

たった2週間の間に、59打席に立っただけで、新人王を獲得した2018年よりも質の高い打球を打っているのだ。

現地時間の木曜日(5月23日)に行われたミネソタ・ツインズとの本拠地シリーズ最終戦で休養をとった大谷は、ここまで打率.250、本塁打2という成績を残している。一見すると、昨年の打率.280に及ばないが、深く数字を紐解いていくと違った結論が得られる。

昨シーズン、大谷の平均打球初速度は、メジャー8位となる92.6マイル(149キロ)だった。それが今年は、ここまで平均95.7マイル(154キロ)と更に強い打球を放っている。

加えて、インプレーになった打球の40パーセントがライナーと、昨年の27.6パーセントを大きく上回る。

では、なぜもっとヒットやホームランが出ていないのか?

一つには、まだ打席数が少ない。現時点では、打率.250と.300はヒット数本の差でしかない

大谷は初速度が103マイル(165.7キロ)以上の打球が既に5つアウトになっている。(これは角度がよければホームランになるくらい強い当たり。)このうち2本がヒットになっていれば、打率は.288となる。

また、大谷が打者に有利な球場では2試合しかプレーしていないことを付け加えておこう。ボルティモアのカムデンヤーズのみだ。

デトロイトやミネソタ、アナハイムはどれも投手有利なスタジアムだった。

これから大谷の成績が一気に伸びたとしても驚きはない。

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