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一行読書:書くのは線状である(思考の整理学)


NEWONE小野寺です。

今回の一行は、様々な観点から思考の整理方が分かりやすく示されている思考の整理学(外山滋比古)からご紹介。

書くのは線状である

私は文章を書くのがわりと好きな方ですが、今回の一行によって、なぜ文章を書くのが好きなのか気づくことが出来た気がします。

それはまさに本書のタイトル通り書くことで、思考が整理されるからのようです。

上記一行の前後の文章もご紹介します。

とにかく書き出すと、書くことはあるものだ。おもしろいのは、書いているうちに、頭の中に筋道が立ってくる。頭の中は立体的な世界になっているらしい。あちらにもこちらにもたくさんのこ
とが同時に自己主張している。収拾すべからざる状態という感じは、そこから生じるのであろう。
書くのは線状である。一時にはひとつの線しか引くことができない。「AとBとは同時に存在する」、と考えたとしても、AとBとを完全に同時に表現することは不可能で、かならず、どちらかを先に、他をあとにしないではいられない。
裏から言うと、書く作業は、立体的な考えを線状のことばの上にのせることである。(中略)そうすると、もつれた糸のかたまりを、一本の糸をいと口にして、すこしずつ解きほぐして行くように、だんだん考えていることがはっきりする。

書く前は書かなければいけないことや、思考途中のことがたくさんあり、上手くこれを論理的に表現できるのか、と思いますが、書いているうちに、まさに糸がほぐれるように自分の思考が整理される感覚になることがあります。

図解することで理解が深まることもありますが、
ある意味この、上から下へ(または右から左へ)ただ書くということしができない制約、不自由さが散らかっている思考を整理することに繋がるような気がします。

書くことがあるから書くと言うよりも、あれ、今何考えてるんだっけ?自分は何を思ってるんだっけ?と迷子になっている時こそ書くという行為は有用なのかもしれません。

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