見出し画像

それぞれの愛の形

私は社会人2年目から実家を離れ、2階建てのアパートの1階で一人暮らしをしていました。

1ルームのアパートで、壁が特別薄いわけではなかったのですが、窓が開いていたり、誰かが大音量で音楽を流していると聞こえるレベルではありました。

学生も多く住んでいたためか、夜な夜な大音量の音楽が流れたり、夜な夜なジャンベらしきものを叩いている音が聞こえたりしました。

そんな色んな音が聞こえるアパートですが、今でも忘れない衝撃的な出来事がありました。

私の真上の階には、おそらくカップルらしき方々が住んでいました。

とある夜の事。

彼女が彼に向ってガチギレしています。

2階の窓がおそらく開いていたため、声がめちゃめちゃ聞こえます。

「あなたはいつもそう!なんで毎晩毎晩こんな遅い時間に帰ってくるの?」

「いやぁ、、ごめんよう。」

ガチギレする彼女に彼は低姿勢に謝っています。

謝る彼に、彼女は追い打ちをかけるようにひたすら責め続けます。

「だいたいあなたはこの前も〇〇〇で!!」

「だから、ごめんて、、」

暫くそんなやり取りが続いた後、状況は一変します。

「さっきから黙ってればうるせんだよぉおおお!!!あああっ?!!」

彼女に叱責され続け、堪忍袋の緒が切れた彼が激高します。

そして、次の瞬間。

ドーーーーーン!!!

「きゃああああああ!!!」

彼女が壁に打ち付けられたであろう音がしました。

え、マジ?!これ事件になっちゃうやつ??

場合によっては警察呼ばないとアカンやつ??

突然の出来事に私はドキドキが止まりません。

その後もガンッ!ガンッ!!という音と、彼女の悲鳴がコダマします。

そして、

「わあああああああん!!!!!!!」

彼女が激情して大泣きする声が響き渡ります。

「なんで、なんでこうなるのよおおおおおおおお!!!!」

尋常ではない泣きっぷりに、私も相当に動揺しました。

彼女が暫く泣き叫んだ後、次はしーーんとなりました。

え、まさか、、、彼、、、、殺(ヤ)ってないよな・・・?

心臓がバクバクして仕方がありません。かといって、上の階まで駆けつける勇気もありません。

おろおろしながら、耳を上の階へ傾けていると、

「あっ、、、♥ ああっ、、、♥」

セクシーな声が聞こえ始めました。

ええええぇぇぇぇぇぇ!!!!????????

いやいや、あれだけの喧嘩しといて、ようそんな流れになったなぁ!

その後、彼女は絶頂を迎えられ、無事仲直りをしたようです。

てゆーか、俺の心配してハラハラした気持ちを返せ!!

喧嘩した後は、結ばれる事で仲直りをするカップルはいるようですが、一通りのプロセスを目の当たりにしたのは初めてでした。

その夜、私は、色んな意味で寝ることができませんでした。


こいつに小銭でもめぐんでやろうか。そう思われた神のようなあなた!大変ありがとうございます(ノ∀`*)